【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う断続的な緊急事態宣言が発出され、商業施設の営業時間短縮や外出自粛の影響が続き、衣料品の市況は、非常に厳しい状況となりました。
このような経営環境の中、当社グループは「既存総合衣料卸売事業の収益回復」、「ECプラットフォーム事業の推進」、「D2Cアパレル商材の生産事業」、「ビューティー&ヘルスケア事業の拡大」、「エンターテイメント事業におけるオリジナルコンテンツの育成」、「メディカル事業の拡大」等を重点施策として取り組んでおります。
総合衣料卸売事業においては、組織体制刷新による過剰在庫の抑制等を中心とした管理体制の強化による利益率の改善やコロナ禍における来店顧客減少による売上低下に歯止めをかけるべく、自社販売商品のEC化や売場外売上の獲得に注力しておりますが、本年4月からの緊急事態宣言の断続的な発出やまん延防止等重点措置の適用に伴う衣料品への消費低迷の影響が大きく、また、前年のような衛生関連商品に対する大きなニーズもなかったことから、大きく苦戦を強いられました。
D2Cアパレル商材の生産事業においては、著名人のデザインしたアイテムを当社が生産し、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」において、YouTubeやSNSと連動した企画販売を行いました。現在、新規企画の展開を計画・協議中であり、D2Cアパレル商材の生産を推進してまいります。
全国の出店メーカーと会員小売店が直接取引を行える会員制仕入れ専用BtoBサイトによるECプラットフォーム事業においては、2021年9月27日より事業を開始しており、メーカーにとっては地域を超えた全国小売店への販路拡大ツールとして、また、小売店にとっては出店メーカーとオンラインで取引を行うことができ、仕入先を大幅に拡大するツールとして、アフターコロナに向けたニューノーマルな時代に合わせた仕入れサイトを運営しております。今後は、出店メーカー数及び会員顧客数の増加を重点施策として取組んでまいります。
ビューティー&ヘルスケア事業においては、インフルエンサーとコラボレーション企画した「カラタス」ブランド商品の販売拡充やインドネシア、バリ島発のヘアケアブランド「マカリゾ」の国内独占販売元として販路拡大を進めております。また、オリジナルコスメの開発や新規事業である「いつもの薬が処方箋無しで買える零売薬局事業」に着手しており、新たな収益の柱を構築してまいります。
連結子会社株式会社Sanko Advance がてがけるエンターテイメント事業においては、引続きコンサート開催が厳しい環境化ではありますが、オリジナルコンテンツの育成等が順調に推移して、計画以上の進捗となりました。
連結子会社株式会社マイクロブラッドサイエンスがてがけるメディカル事業においては、微量採血デバイスを使用した指先からの採血により、わずかな血液で生活習慣病やがんリスク検査を行えるトータルヘルスケアチェック&ソリューション「Lifee」の展開を主軸に、新型コロナウイルス抗原検出キット等を当社の販路を活用しながら販売するなどし事業拡大を目指しております。
以上の結果、当社グループ全体の当第3四半期連結累計期間の売上高は、34億27百万円(前年同四半期比26.3%減)、営業損失は3億63百万円(前年同四半期は営業利益1百万円)、経常損失は3億86百万円(前年同四半期は経常損失7百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億84百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失18百万円)となりました。
今後は、経営資源の選択と集中による既存総合衣料卸売事業の収益回復を早急化させるとともに、新規事業の早期収益化や新たに連結子会社となった株式会社マイクロブラッドサイエンスと連携し、当社グループ全体での事業拡大・業態転換を進めてまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(卸売事業)
売上高は、33億25百万円(前年同四半期比27.4%減)、営業損失は1億85百万円(前年同四半期は営業利益1億46百万円)となりました。
(小売事業)
前連結会計年度において、店舗営業を終了しているため、小売事業を営む株式会社サンマールの営業損失は0百万円(前年同四半期は営業利益26百万円)となりました。
(エンターテイメント事業)
エンターテイメント事業を営む株式会社Sanko Advanceの売上高は60百万円(前年同四半期比202.5%増)、営業利益は23百万円(前年同四半期は営業損失3百万円)となりました。
(メディカル事業)
第2四半期連結会計期間より連結の範囲に含めましたメディカル事業を営む株式会社マイクロブラッドサイエンスの売上高は41百万円、営業損失は6百万円となりました。
b. 財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は40億89百万円となり、前連結会計年度末に比べて6億74百万円増加いたしました。これは主として現金及び預金が66百万円、流動資産その他が1億85百万円、無形固定資産その他が98百万円、株式会社マイクロブラッドサイエンスの株式取得に伴いのれんが1億56百万円、投資その他の資産その他が2億23百万円それぞれ増加する一方で、受取手形及び売掛金が52百万円減少したことによるものであります。 負債合計は32億53百万円となり、前連結会計年度末に比べて7億51百万円増加いたしました。これは主として長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が12億72百万円、流動負債その他が2億5百万円それぞれ増加する一方で、買掛金が82百万円、短期借入金が6億90百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産は8億36百万円となり、前連結会計年度末に比べて77百万円減少いたしました。これは主として株式交付による新株式発行により資本剰余金が2億44百万円増加する一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失3億84百万円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 資金の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は20億82百万円となっております。また、当第3四半期連結会計期間末における現金及び預金の残高は7億57百万円となっております。