【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況下にあります。新規感染の再拡大から、2021年1月に再び緊急事態宣言が発出されるなど、感染収束時期が見通せない状況が続き、企業収益や業況感も悪化しており、加えて渡航者に対する厳しい入国制限等によりインバウンド需要も未だ回復が見込めないなど、経済活動へのマイナス影響が長期化することが懸念されております。このような経営環境のもと、当社グループの総合衣料卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、二度の緊急事態宣言が発出され、アパレル製品への個人消費が大きく低迷し、年間を通じて衣料品売上は想定を大幅に超える落ち込みとなり非常に厳しい状況が続きました。一方で、長年の歴史で培った多くの取引先を背景に、アパレル製品以外にも小売店の要請に応えた衛生関連商品をはじめとする新規商材の提供を行ってまいりました。また、ビューティー&ヘルスケア事業におけるカラタスシャンプーの新製品導入による国内取引の増加や新たに取組をはじめた新型コロナウイルス抗体・抗原検出キット及び微量採血デバイスの販売、グループ間シナジーによる販路拡大などに努めてまいりました。加えて、エンターテイメント事業において、連結子会社である株式会社Sanko Advance では、コンサート開催が厳しい環境下、オリジナルコンテンツの育成等新たな事業のチャレンジを行い、早期の収益化を果たした結果、連結売上高は前期比増収となりました。利益面におきましては、前期末より実施した拠点の統合移転による固定費の圧縮や不採算取引の見直し、外出自粛要請によるWEB商談への移行等による販売費の削減等、グループを上げてのコスト削減に努めた結果、命題としておりました「総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化」に向けて、当連結会計年度においては各段階利益において黒字化を果たし、前期比大幅な増益となりました。以上の結果、当社グループ全体の当連結会計年度の売上高は、58億10百万円(前期比0.7%増)、営業損失は19百万円(前期は営業損失4億5百万円)、経常損失は29百万円(前期は経常損失4億37百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は68百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失11億91百万円)となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 (卸売事業)売上高は、56億89百万円(前期比0.4%増)、営業利益は1億56百万円(前期は営業損失91百万円)となりました。 (小売事業)東京都内で小売事業を営む株式会社サンマールの売上高は61百万円(同41.2%減)、営業利益は25百万円(前期は営業損失13百万円)となりました。なお、2021年2月27日付で店舗営業を終了しております。 (エンターテイメント事業)前連結会計年度末に連結の範囲に含めましたエンターテイメント事業を営む株式会社Sanko Advance の売上高は60百万円、営業利益は24百万円となりました。
b.財政状態
財政状態の状況につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③ 当連結会計年度末の財政状態の分析」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて2億51百万円減少し、当連結会計年度末には、3億91百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの主要な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による支出は1億45百万円(前期比79.1%減)となりました。収入の主な内訳は、その他の増加124百万円、減価償却費45百万円、支出の主な内訳は、売上債権の増加1億84百万円、たな卸資産の増加97百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による支出は1億6百万円(前期比61.0%減)となりました。収入の主な内訳は、差入保証金の回収による収入51百万円であり、支出の主な内訳は、固定資産の取得による支出1億22百万円、固定資産の除却による支出22百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による支出は0百万円であり、資金の変動はほとんどありませんでした。(前期は3億98百万円の収入)
③ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金 額(千円)
前 期 比(%)
卸売事業
4,504,759
+0.1
小売事業
21,809
△56.1
エンターテイメント事業
―
―
合計
4,526,569
△0.6
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金 額(千円)
前 期 比(%)
卸売事業
5,689,323
+0.4
小売事業
61,455
△41.2
エンターテイメント事業
60,000
―
合計
5,810,779
+0.7
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示しております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は資産・負債、偶発債務並びに収益・費用の計上において、さまざまな前提条件に基づく見積りを使用しております。これらの項目に関する見積りと判断は、過去の実績やその時の状況において最も合理的と思われる仮定、推測などの要素を勘案し、当社グループの財政状態および経営成績を適正に表示するよう、常にその妥当性の検証を実施しております。しかしながら、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析・検討内容
a.売上高売上高は58億10百万円(前期比0.7%増)となりました。セグメント売上高では全体の97.91%の56億89百万円が卸売事業による売上高であり、61百万円が小売事業による売上高、60百万円がエンターテイメント事業による売上高となりました。
b.売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は44億26百万円(前期比1.8%減)であり、販売費及び一般管理費は14億3百万円(前期比15.9%減)となりました。
c.営業利益営業損失は19百万円(前期は営業損失4億5百万円)となりました。
d.営業外収益及び費用営業外損益は9百万円の費用(純額、前期比69.9%減)となりました。
e.経常利益経常損失は29百万円(前期は経常損失4億37百万円)となりました。
f.特別利益及び損失特別損益は10百万円の損失(純額、前期は7億47百万円の損失)となりました。連結子会社の店舗閉鎖に伴って生じた閉鎖店舗の除去費用、固定資産の減損損失、棚卸資産の廃棄損、従業員等に対する退職金等13百万円を店舗閉鎖損失として特別損失に計上いたしました。
g.親会社株主に帰属する当期純利益以上により、親会社株主に帰属する当期純損失は68百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失11億91百万円)となりました。
③ 当連結会計年度末の財政状態の分析・検討内容
a.資産流動資産は、前連結会計年度末に比べて1.9%増加し、20億36百万円となりました。これは主として現金及び預金が2億51百万円減少する一方で、受取手形及び売掛金が1億84百万円、商品が1億円それぞれ増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.4%増加し、13億78百万円となりました。これは主としてソフトウェア仮勘定が87百万円増加する一方で、のれんが32百万円、差入保証金が40百万円それぞれ減少したことなどによります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて1.3%増加し、34億14百万円となりました。
b.負債流動負債は、前連結会計年度末に比べて5.2%増加し、20億76百万円となりました。これは主として事業構造改善引当金が46百万円減少する一方で、支払手形及び買掛金が51百万円、未払消費税が61百万円それぞれ増加したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて7.1%減少し、4億25百万円となりました。これは主として退職給付に係る負債が31百万円減少したことなどによります。 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2.9%増加し、25億1百万円となりました。。
c.純資産純資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.8%減少し、9億13百万円となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純損失68百万円の計上に伴う利益剰余金の減少、新株予約権が24百万円増加したことによるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は15億円となっております。また、当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー上の現金及び現金同等物の残高は3億91百万円となっております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、売上高経常利益率を重要な経営指標としておりますが、当連結会計年度においては売上高経常利益率△0.50%となりました。今後も業績回復に努め、これらの指標について改善されるよう取組んでまいります。