【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状態にあります。国内においても、7月から再び新規感染者が増加傾向をたどり、企業収益や業況感も悪化しており、加えて渡航者に対する厳しい入国制限等によりインバウンド需要も未だ回復が見込めないなど、経済活動へのマイナス影響が長期化することが懸念されております。 このような経営環境の中で、当社は現在、基本戦略として下記の経営戦略を徹底しております。Ⅰ 総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化Ⅱ 新規事業である「美と健康事業」の拡大Ⅲ プラットフォーム事業への挑戦
当第2四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染が再度拡大したことや猛暑の影響により、主力の総合衣料卸売事業における衣料品売上は低迷いたしました。一方で、美と健康事業におけるカラタスシャンプーの新製品導入による国内取引の増加や、新たに取組をはじめた新型コロナウイルス抗体検出キット及び微量採血デバイスの販売、グループ間シナジーによる販路拡大などにより、連結売上高は前年を上回りました。また、前期末より実施した拠点の統合移転による固定費の圧縮や不採算取引の見直し、外出自粛要請によるWEB商談への移行等による販売費の削減によるコスト削減効果も大きく、「Ⅰ 総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化」に向けて、当第2四半期連結累計期間においては各段階利益において黒字化を達成いたしました。
総合衣料卸売事業を取り巻く環境は、総じて厳しい状況が今後も継続すると想定しており、緊急事態宣言下のような販売環境の悪化に再度見舞われる事も想定しておく必要があると認識しております。かかる環境下、当第2四半期連結累計期間においても当社のオンラインストアでの売上の伸長は顕著であり、従前より計画している人材配置や育成を含めた当社事業EC化への転換を推し進めてまいります。一つの柱は、総合衣料卸売事業をECプラットフォーム事業へと展開するためのプラットフォーム開発であり、第3四半期以降本格的に進めてまいります。もう一つは、ジーエフホールディングス株式会社との業務提携のもと、韓国ソウル市場や中国広州、義烏市場等からの遠隔買付をリアル及びオンラインで可能にする「仮想市場構想」を本格的に進めてまいります。「仮想市場構想」は、既存の取引先の活性化とDtoC市場で活躍する新たな取引先の獲得を行うことが出来る、総合衣料卸売事業を長年行ってきた当社にとっての優位性を発揮できる取組みになります。今後EC化に本格的に取組む事及び「仮想市場構想」で獲得した新規取引先へのOEM・ODM生産拡充など、厳しい環境下でも収益を伸ばすことが出来るよう事業拡大を図ってまいります。また、天理流通センターの有効活用に関しては、GFロジスティクス株式会社との賃貸借契約締結により、第3四半期以降に収益貢献がなされる見通しであります。 新たな収益の柱とすべく推進しております「Ⅱ 新規事業である「美と健康事業」の拡大」におきましては、カラタスシャンプーをはじめとするヘアケア商材の国内販売が堅調に推移し、一定の売上計上がなされました。今後もカラタスシャンプー及び新規商材を含め更なる流通拡大を目指してまいります。一方、カラタスシャンプーの中国市場での展開については、越境ECでの取組みはスタートしておりますが、ドラッグストア等でのリアル店舗での展開は交渉中であり、第3四半期以降に売上計上する見込みであります。また、株式会社マイクロブラッドサイエンスとの取組みについては、新型コロナウイルス抗体検出キットの販売を行い、一定の売上計上がなされるとともに、新たな取引先を開拓しております。主な取組みである株式会社JTBとの販売協力に関しては、第3四半期以降継続的な売上計上を見込んでおります。今後も株式会社マイクロブラッドサイエンスのネットワークを通じた新規商材の取扱い等に取組んでまいります。
連結子会社である株式会社サンマール、株式会社Sanko Advanceにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で厳しい経営環境下ではありましたが、株式会社Sanko Advanceが主導した一連の販路拡大施策のなかで、株式会社サンマールの商品販売を行うことが出来、当社グループの収益に貢献いたしました。今後も販路拡大と「仮想市場構想」におけるDtoC市場のインフルエンサー獲得等において、主導的な役割を担ってまいります。
以上の結果、当社グループ全体の当第2四半期連結累計期間の売上高は、30億18百万円(前年同四半期比6.0%増)、営業損失は2百万円(前年同四半期は営業損失1億64百万円)、経常損失は5百万円(前年同四半期は経常損失1億73百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は18百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失1億73百万円)となり、増収増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(卸売事業)
売上高は、29億66百万円(前年同四半期比6.3%増)、営業利益は70百万円(前年同四半期は営業損失10百万円)となりました。
(小売事業)
東京都内で小売事業を営む株式会社サンマールの売上高は32百万円(同43.0%減)、営業利益は30百万円(前年同四半期は営業損失1百万円)となりました。
(エンターテイメント事業)
前連結会計年度末に連結の範囲に含めましたエンターテイメント事業を営む株式会社Sanko Advanceの売上高は20百万円、営業利益は8百万円となりました。
b. 財政状態当第2四半期連結会計期間末における総資産は34億78百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億8百万円増加いたしました。これは主として受取手形及び売掛金が3億20百万円、商品が89百万円それぞれ増加する一方で、現金及び預金が2億68百万円、差入保証金が29百万円それぞれ減少したことによるものであります。 負債合計は25億38百万円となり、前連結会計年度末に比べて107百万円増加いたしました。これは主として買掛金が1億21百万円増加する一方で、事業構造改善引当金が46百万円減少したことによるものであります。
純資産は9億40百万円となり、前連結会計年度末に比べて0百万円増加いたしました。これは主として四半期純利益の計上により利益剰余金が18百万円減少し、新株予約権が12百万円増加したことによるものであります。
c. キャッシュ・フローの状況の分析当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2億68百万円減少し、3億74百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における営業活動による支出は2億26百万円(前年同四半期は5億77百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益△4百万円、減価償却費22百万円、仕入債務の増加額1億21百万円、その他増加額が75百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額3億20百万円、事業構造改善引当金の減少額46百万円、たな卸資産の増加額88百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における投資活動による支出は42百万円(前年同四半期は2億35百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、差入保証金の回収による収入45百万円であり、支出の主な内訳は、固定資産の取得による支出43百万円、資産除去債務の履行による支出16百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における財務活動による支出は5千円であり、資金の変動はほとんどありませんでした。(前年同四半期は11千円の支出)
(2) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 資金の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は15億円となっております。また、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は3億74百万円となっております。
(6) 継続企業の前提に関する重要事象等について当社グループは、「第2 事業の状況 1 事業のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していることを認識しております。当社グループは、当該事象または状況を早期に解消するため、基本戦略として下記の経営戦略を徹底しております。 Ⅰ 総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化 Ⅱ 新規事業である「美と健康事業」の拡大 Ⅲ プラットフォーム事業への挑戦
具体的には、以下の事業構造改革と新たな施策に取組んでおります。
1.総合衣料卸売事業
①特販事業部による、ウイルス対策関連商材の拡充 ②売場及び展示会場の拠点集約、服飾雑貨カテゴリー拡充による売上の回復とコスト最適化 ③レディースアパレルを中心に、付加価値の高いプライベートブランドやOEM生産の拡充 ④不採算取引の徹底管理による販売管理費の削減
⑤自社オンラインストアの売上拡大とBtoBプラットフォームの構築
2.美と健康事業 ①カラタスブランド製品の国内シェア拡大と中国市場への本格展開 ②ヘアケア商品を中心とした新規ブランドの導入 ③株式会社マイクロブラッドサイエンスの有する微量採血デバイスの海外総代理店及び国内展開 ④塩野義製薬株式会社が日本国内で研究用試薬として販売する新型コロナウイルス抗体検出キットに関して産業医を選任している企業や医療機関等に対しての販売
3.エンターテイメント事業 ①高い知名度を有するアーティストのコンサートグッズの製造管理 ②アーティストのブランディングやプロモーション及びイベント・グッズ企画立案等に関するコンサルティング業務
これらの諸施策等に当社グループ一丸となって取組み、経営基盤の強化・収益体質への変換を図っており、当第2四半期連結累計期間においては、営業利益の黒字化を達成いたしました。加えて、事業資金面につきましても、取引金融機関と良好な関係にあり、当面の事業資金の確保もできていることから、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。