【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状態にあります。国内においても、その感染症拡大防止に向けた不要不急の外出自粛要請や営業自粛要請などにより、企業収益や業況感も悪化しており、加えてインバウンド需要の急減など、国内消費環境は急速に悪化しております。 このような経営環境の中で、当社は現在、基本戦略として下記の経営戦略を徹底しております。Ⅰ 総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化Ⅱ 新規事業である「美と健康事業」の拡大Ⅲ プラットフォーム事業への挑戦
当第1四半期連結累計期間におきましては、「Ⅰ 総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化」を達成すべく行動してまいりましたが、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、主力の総合衣料卸売事業における衣料品等の売上が極端に落ち込み、非常に厳しい経営環境となりました。このような中で全社一丸となって、マスクやハンドジェル等のウイルス対策商材の販売に注力し、衣料品不振をカバーすべく行動いたしましたが、国難ともいえる環境下、当初衣料品販売で計画していた売上・利益を全てカバーするには至りませんでした。また、連結子会社株式会社Sanko Advanceでの案件収益計上が2021年3月期第2四半期以降にずれ込んだ事もあり、当第1四半期連結累計期間における完全黒字化は果たせませんでした。
一方、黒字化未達の状況ではありながら、明るい兆しも見えてきております。
ひとつは、従来から取組んできた総合衣料卸売事業における経費削減効果の表れです。前期末より実施した拠点の統合移転による固定費の圧縮や不採算取引の見直し、外出自粛要請によるWEB商談への移行等による販売費の削減により、前年同四半期に比べ利益面において改善が図られ、総合衣料卸売事業における損益分岐点は、前期までと比較して大幅に下がっております。また、自社オンラインストアでの販売は顕著に増加し、現在取組んでいるECプラットフォーム事業の可能性に手応えを感じております。
総合衣料卸売事業を取り巻く環境は、総じて厳しい状況が今後も継続すると想定しており、緊急事態宣言下のような販売環境の悪化に再度見舞われる事も想定しておく必要があると認識しております。当社では、総合衣料卸売事業をECプラットフォーム事業へと展開する施策に加え、厳しい環境下でも収益を伸ばす事が出来るような新たな施策に早急に取組んでまいります。
新たな収益の柱とすべく推進しております「Ⅱ 新規事業である「美と健康事業」の拡大」におきましては、当第1四半期連結累計期間では、カラタスシャンプーをはじめとするヘアケア商材の国内販売及び株式会社マイクロブラットサイエンスの有する微量採血デバイスの国内外での販売を小額計上したのみに留まっております。
カラタスシャンプーの販売においては、以前より協議を進めておりました中国市場での展開について、NMPAの認可取得に至り、越境EC大手の天猫国際モールやドラッグストアをはじめとするリアル店舗において本格展開できる運びとなりました。11月には中国市場におけるビックイベントである「独身の日」も控えており、それに向けて認知度を高めてまいります。なお、中国市場での展開による売上・利益に関しては、当第1四半期連結累計期間での計上はありません。
また、新たに株式会社マイクロブラッドサイエンスの有する微量採血デバイスの国内外での販売権取得や、塩野義製薬株式会社が研究用試薬として販売する新型コロナウイルス抗体検出キットに関して、産業医を選任している企業や医療機関等に対する販売を開始するに至り、事業規模の拡大を推し進めております。新型コロナウイルス感染症拡大といった環境も相まって、大口の商談が具体的に進捗しております。これら採血デバイス及び抗体検出キットの販売に関しても、2021年3月期第2四半期以降での売上・利益計上が期待されます。
連結子会社株式会社サンマールにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言の発令に伴い、店舗の臨時休業や営業時間の短縮、移動の自粛といった影響により、売上は大きく落ち込む結果となりました。自社EC販売強化や更なる経費削減に取組んでまいります。
連結子会社株式会社Sanko Advanceが展開するエンターテイメント事業におきましては、新型コロナウイルスの感染症拡大により、コンサート開催が厳しい環境下ではありますが、エンターテイメント業界に精通したメンバーが新たなエンターテイメントの在り方やブランディングに関して、コンサルティング業務を積極的に行った結果、一部収益を当第1四半期連結累計期間に計上しております。
以上の結果、当社グループ全体の当第1四半期連結累計期間の売上高は、14億51百万円(前年同四半期比4.0%減)、営業損失は24百万円(前年同四半期は営業損失30百万円)、経常損失は21百万円(前年同四半期は経常損失34百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は30百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失33百万円)となり、各段階利益においては、前年同四半期に比べ改善いたしました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(卸売事業)
売上高は、14億17百万円(前年同四半期比4.1%減)、営業利益は28百万円(同27.9%減)となりました。
(小売事業)
東京都内で小売事業を営む株式会社サンマールの売上高は14百万円(同59.7%減)、営業損失は6百万円(前年同四半期は営業利益2百万円)となりました。
(エンターテイメント事業)
前連結会計年度末に連結の範囲に含めましたエンターテイメント事業を営む株式会社Sanko Advanceの売上高は20百万円、営業利益は9百万円となりました。
b. 財政状態
当第1四半期連結会計期間末における総資産は34億85百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億15百万円増加いたしました。これは主として受取手形及び売掛金が1億76百万円、商品が1億54百万円それぞれ増加する一方で、現金及び預金が2億59百万円減少したことによるものであります。 負債合計は25億64百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億33百万円増加いたしました。これは主として買掛金が1億4百万円、短期借入金が1億円それぞれ増加する一方で、事業構造改善引当金が42百万円、未払金が6百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産は9億21百万円となり、前連結会計年度末に比べて17百万円減少いたしました。これは主としてその他有価証券評価差額金が6百万円、新株予約権が6百円それぞれ増加する一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が30百万円減少したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 資金の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は16億円となっております。また、当第1四半期連結会計期間末における現金及び預金の残高は6億83百万円となっております。
(6) 継続企業の前提に関する重要事象等について当社グループは、「第2 事業の状況 1 事業のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していることを認識しております。当社グループは、当該事象または状況を早期に解消するため、基本戦略として下記の経営戦略を徹底しております。Ⅰ 総合衣料卸売事業とグループ子会社による連結での黒字安定化Ⅱ 新規事業である「美と健康事業」に拡大Ⅲ プラットフォーム事業への挑戦
具体的には、以下の事業構造改革と新たな施策に取組んでおります。
1.総合衣料卸売事業
①特販事業部による、ウイルス対策関連商材の拡充 ②売場及び展示会場の拠点集約、服飾雑貨カテゴリー拡充による売上の回復とコスト最適化
③レディースアパレルを中心に、付加価値の高いプライベートブランドやOEM生産の拡充 ④不採算取引の徹底管理による販売管理費の削減
⑤自社オンラインストアの売上拡大とBtoBプラットフォームの構築
2.美と健康事業 ①カラタスブランド製品の国内シェア拡大と中国市場への本格展開
②ヘアケア商品を中心とした新規ブランドの導入 ③株式会社マイクロブラッドサイエンスの有する微量採血デバイスの海外総代理店及び国内展開④塩野義製薬株式会社が日本国内で研究用試薬として販売する新型コロナウイルス抗体検出キットに関して産業医を選任している企業や医療機関等に対しての販売
3.エンターテイメント事業 ①高い知名度を有するアーティストのコンサートグッズの製造管理
②アーティストのブランディングやプロモーション及びイベント・グッズ企画立案等に関するコンサルティング業務
これらの諸施策等に当社グループ一丸となって取組んでおり、経営基盤の強化に努め、収益体質への転換と企業価値の向上を目指してまいります。加えて、事業資金面につきましても、取引金融機関と良好な関係にあり、当面の事業資金の確保もできていることから、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。