【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況当第1四半期における世界経済は、新型コロナウイルス感染による行動制限が緩和される中、経済活動の正常化が進みました。一方、エネルギーや原材料などコストの上昇および為替変動による影響が続いたため、製造業を中心とする設備投資需要に本格的な持ち直しが見られませんでした。昨年度コロナ禍の影響を強く受けた中国では、その後の景気回復に大きな遅れが生じており、需要の低迷が継続しました。一方、その他海外地域および日本においては、不透明な経済状況が続いていましたが、需要は底堅く推移しました。こうした環境において、当社はメーカー事業と流通事業を併せ持つユニークな業態を活かしながら、これを支える事業基盤をグローバルで進化させ、顧客の確実短納期ニーズに応えることで世界の製造業を中心とした自動化関連産業に貢献しています。これまで当社が築いてきたIT、生産、物流の強固な事業基盤やグローバル拠点網を活用して顧客の需要を的確に捉えることに尽力し、持続的な成長に向けて実行した新商品・新サービス開発を含む新事業政策も概ね計画通りに推移しました。一方で、中国の景気回復遅れにより、中国やアジアにおいて工作機械業界同様に需要低迷の影響を大きく受けました。この結果、需要減速の影響を受け、為替効果は一部ありましたが、連結売上高は89,866百万円(前年同期比3.5%減)となりました。利益面につきましては、売上数量や稼働の減少および新基幹システム導入に関わる費用の前倒し等により、営業利益は8,999百万円(前年同期比36.3%減)、経常利益は9,837百万円(前年同期比32.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,087百万円(前年同期比42.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。①FA事業FA事業は、中国を除く地域では成長を確保した一方、景気低迷の中国では設備投資需要が全般的に低調に推移し、売上高は29,093百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は3,639百万円(前年同期比42.1%減)となりました。
②金型部品事業金型部品事業は、中国を除く地域では部材供給制約の緩和などにより自動車関連顧客の稼働が改善傾向にあり、為替効果も一部あったため、売上高は19,569百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は2,083百万円(前年同期比11.7%減)となりました。
③VONA事業VONA事業は、ミスミブランド以外の他社製品も含めた製造・自動化関連設備部品、MRO(消耗品)等間接材を販売するミスミグループの流通事業です。欧州・米州は引き続き成長しましたが、中国やアジアは顧客工場稼働率の低下等による影響が大きく、売上高は41,204百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は3,276百万円(前年同期比40.3%減)となりました。
(資産) 当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ4,081百万円(+1.1%)増加し、382,539百万円となりました。この主な要因は、商品及び製品、原材料及び貯蔵品の増加により流動資産が4,141百万円(+1.5%)増加したこと、および有形固定資産が1,128百万円(+2.3%)増加したことによるものです。
(負債)総負債は、前連結会計年度末と比べ2,291百万円(△3.6%)減少し、61,942百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金、賞与引当金の減少により流動負債が2,580百万円(△5.3%)減少した一方で、固定負債が288百万円(+1.9%)増加したことによるものです。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末と比べ6,373百万円(+2.0%)増加し、320,597百万円となりました。この主な要因は、自己株式の取得により株主資本が6,116百万円(△2.2%)減少した一方で、為替換算調整勘定等のその他の包括利益累計額が12,327百万円(+44.7%)増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度の82.3%から83.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ916百万円増加し、107,556百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、7,645百万円の純収入となりました(前年同期は2,781百万円の純収入)。この主な内訳は、税金等調整前四半期純利益が9,837百万円、減価償却費が4,346百万円、賞与引当金の減少額が1,834百万円、売上債権の減少額が3,744百万円、仕入債務の減少額が3,107百万円、未払金の減少額が1,097百万円、法人税等の支払額が3,024百万円であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、159百万円の純支出となりました(前年同期は3,364百万円の純支出)。この主な内訳は、固定資産の取得による支出が2,933百万円、定期預金の預入による支出が7,817百万円、定期預金の払戻による収入が10,584百万円であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、12,727百万円の純支出となりました(前年同期は4,697百万円の純支出)。この主な内訳は、自己株式の取得による支出が8,808百万円、配当金の支払額が3,511百万円であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は669百万円であります。
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