【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染による影響が継続している中、グローバルで景気後退の傾向が強まり、自動化関連の設備投資に慎重さが見られました。中国では期初のロックダウンやその後の感染急拡大などにより、需要低迷の状況が続きました。中国を除く海外地域でも景気減速やインフレなどの影響を受け、需要が次第に減速しました。一方、日本においては期の後半から自動車関連を中心に持ち直しの兆しが見えはじめたものの、本格的な需要回復には至りませんでした。こうした環境において、当社はメーカー事業と流通事業を併せ持つユニークな業態を活かしながら、これを支える事業基盤をグローバルで進化させ、顧客の確実短納期ニーズに応えることで世界の製造業を中心とした自動化関連産業に貢献しています。これまで当社が築いてきたIT、物流、製造の強固な事業基盤やグローバル拠点網を活用し、顧客の需要を的確に捉えることに尽力しましたが、中国や日本を中心にグローバルで設備投資需要が低迷した影響を強く受けました。この結果、需要減速の影響を受けましたが、為替効果もあったため、連結売上高は281,995百万円(前年同期比2.9%増)となりました。利益面につきましては、売上数量減および新基幹システム導入に関わる費用の増加により、営業利益は38,306百万円(前年同期比8.6%減)、経常利益は39,208百万円(前年同期比6.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28,641百万円(前年同期比4.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。①FA事業FA事業は、中国や日本において需要が低調に推移したものの、他地域では成長が継続し、売上高は91,788百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は17,294百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
②金型部品事業金型部品事業は、グローバルで自動車関連の設備投資や工場稼働の低下により総じて弱く推移し、売上高は59,936百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益は7,022百万円(前年同期比7.4%減)となりました。
③VONA事業VONA事業は、ミスミブランド以外の他社製品も含めた製造・自動化関連設備部品、MRO(消耗品)等間接材を販売するミスミグループの流通事業です。中国や日本を中心に工場稼働の低下および上期まで続いた販売中止などの影響に加え、一部商品の供給困難も本格的に解消されない中、売上高は130,270百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は13,989百万円(前年同期比11.3%減)となりました。
(資産)当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ19,603百万円(+5.6%)増加し、366,994百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金、商品及び製品の増加により流動資産が20,993百万円(+8.3%)増加した一方で、有形固定資産が431百万円(△0.9%)減少したこと、無形固定資産が808百万円(△2.3%)減少したことによるものです。
(負債)総負債は、前連結会計年度末と比べ7,843百万円(△11.6%)減少し、59,586百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金、未払法人税等及び賞与引当金の減少により流動負債が8,209百万円(△15.7%)減少した一方で、固定負債が366百万円(+2.4%)増加したことによるものです。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末と比べ27,447百万円(+9.8%)増加し、307,407百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加により株主資本が19,771百万円(+7.7%)増加したこと、および為替換算調整勘定等のその他の包括利益累計額が7,446百万円(+39.0%)増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度の79.8%から83.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ597百万円減少し、100,846百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、20,443百万円の純収入となりました(前年同期は42,663百万円の純収入)。この主な内訳は、税金等調整前四半期純利益が39,073百万円、減価償却費が12,344百万円、賞与引当金の減少額が2,765百万円、棚卸資産の増加額が10,664百万円、未払金の減少額が1,718百万円、法人税等の支払額が13,897百万円であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、14,528百万円の純支出となりました(前年同期は14,634百万円の純支出)。この主な内訳は、固定資産の取得による支出が8,529百万円、定期預金の預入による支出が14,145百万円、定期預金の払戻による収入が8,445百万円であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、10,722百万円の純支出となりました(前年同期は9,142百万円の純支出)。この主な内訳は、配当金の支払額が9,244百万円であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,013百万円であります。
(5) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
#C9962JP #ミスミグループ本社 #卸売業セクター