【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間(以下、当第2四半期)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和し、行動制限や海外渡航制限も緩和される等社会活動の正常化が進み、景気の持ち直しが見られたものの、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、円安傾向の定着、原材料の高騰や物価上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループが属する情報サービス産業においては、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応やデータ活用に対する取組み等により、データセンター市場、クラウド市場等は今後も中長期的に拡大していくと見込んでおります。 このような環境の下、当社グループは、当社グループが展開するコンピュータプラットフォーム事業とメディアソリューション事業について、事業の変化に対応しながら事業運営をおこなっております。
当第2四半期におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。
(コンピュータプラットフォーム事業)コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
データセンターでは、既存事業領域の新大手町サイトは、本年(2023年)6月末の契約率が約90%超、稼働率は約66%となり売り上げが増加しました。他方、利益率の高い運用受託サービスが終了し、一部顧客が第1サイトから新大手町サイトに移行する等、データセンター事業全体の収益構造が大きく変化し、第1サイトの売り上げが減少しました。昨今の電気料金の変動に対しては、引き続き、お客様と密にコミュニケーションをとりながら価格見直しを実施しており、利益の改善を図っております。また、データセンターの事業領域を拡大すべく、ハイパースケールデータセンター事業の立ち上げに関して、複数のパートナー候補と引き続き協議を重ねており、本年5月には、合同会社石狩再エネデータセンター第1号と北海道石狩市における再生可能エネルギー100%で運用するデータセンターの事業化に関する基本合意書を締結しました。
この結果、データセンターの売上高は2,542百万円(前年同期比4.7%減)となりました。
クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の拡大を背景に、当社独自のc9サービス、SaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービス等の売り上げは増加しました。 この結果、クラウド・ソリューションの売上高は765百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案しております。当社では、主力であるDell Technologies社製の「Dell PowerScale / Isilon」の提供及びランサムウェア対策としてカナダSuperna社が開発したソフトウェア製品群の日本国内での提供・サポートを行っており、主力プロダクトである「Dell PowerScale / Isilon」は本年5月に大型案件を受注しました。また当社は、Dell Technologies社の製品の長年積み重ねてきた販売・サポート活動の成果として、去る6月には、米国Dell Technologies Inc.より「2023 Partner of the Year Awards」の「Rising Star」を受賞いたしました。 この結果、データ・ソリューションの売上高は1,623百万円(前年同期比70.1%増)となりました。
なお、デジタル技術やデジタルサービス等の浸透により、企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、当社も事業の変革、社内システムの高度化・連携等、引き続きDXへの取り組みを推進してまいります。 その他では、株式会社ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っております。去る6月に大型案件の受注があったものの、第1四半期での売り上げ減少が影響し、結果として、その他の売上高は74百万円(前年同期比9.4%減)となりました。
以上の結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高の合計は、データセンターにおける第1サイトや利益率の高い運用受託サービスの終了に伴う売り上げ減少があったものの、新大手町サイトの売り上げ増加やデータ・ソリューションの大規模案件受注により5,005百万円(前年同期比13.8%増)となりました。営業損益は、主にデータセンター関連の売上原価が前年同期比で減少し85百万円の損失(前年同期は189百万円の損失)となりました。
(メディアソリューション事業)メディアソリューション事業では、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)がケーブルテレビ事業者向けデジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」を中心としたコンテンツプラットフォーム事業、ケーブルテレビ事業者のコミュニティチャンネル向けデータ放送配信サービス「JC-data」、地方自治体向けに「地域防災DXソリューション」を中心としたインフォメーションプラットフォーム事業を行っております。 「JC-HITS」を中心としたコンテンツプラットフォーム事業は、ケーブルテレビ局の多チャンネル放送サービスの加入者数の減少が影響し、売り上げ減少となりました。インフォメーションプラットフォーム事業である「JC-data」及びHybridcast(注1)技術を活用した関連サービスについて、「JC-data」機器の売り上げが増加しております。加えて「地域防災DXソリューション」では、新しい取組としてJCCと北海道テレビ放送株式会社とで北海道内の各自治体の各種情報を配信するサービスを本年4月より開始しました。 この結果、メディアソリューション事業の売上高は、主に沖縄ケーブルネットワーク株式会社の持分法適用関連会社への移行に伴う売上高の減少、自治体DX案件の受注不足により1,808百万円(前年同期比33.4%減)、営業利益は自治体DX案件の受注不足による売り上げ減少により、51百万円(同66.3%減)となりました。
以上の活動により、当第2四半期における当社グループの売上高は6,847百万円(前年同期比4.0%減)、営業損益はメディアソリューション事業の減益により89百万円の損失(前年同期は105百万円の損失)となりました。経常損益は営業損失の計上等により97百万円の損失(前年同期は758百万円の利益)となり、親会社株主に帰属する四半期純損益は87百万円の損失(前年同期は563百万円の利益)となりました。
(注1)Hybridcastとは、放送波の中にインターネット上のコンテンツの取得を指示する制御信号を組み込み、テレビ放送とHTML5で記述されたWebコンテンツとの融合を可能とする次世代放送サービス。
(2) 財政状態の分析 当第2四半期連結会計期間末における総資産は、保有株式の時価上昇等に伴うその他有価証券評価差額金の増加により投資有価証券は増加したものの、現金及び預金の減少、減価償却による有形固定資産及び無形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ393百万円減少し20,129百万円となりました。負債合計は、買掛金、未払法人税等、長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ529百万円減少し8,196百万円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金は減少したものの、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ135百万円増加し11,933百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の39.9%から1.3ポイント増加し41.2%となりました。 なお、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当第2四半期連結会計期間末の本契約に基づく借入金残高は26億25百万円であります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して505百万円減少し、6,496百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失の計上、仕入債務の減少等があったものの、非現金支出費用である減価償却費の計上等により263百万円の収入(前年同期は615百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により352百万円の支出(前年同期は489百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入はあったものの、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額等により417百万円の支出(前年同期は167百万円の支出)となりました。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。なお、当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は36百万円であります。
(8)生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第2四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性に重要な変更はありません。
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