【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 業績の状況当社グループが属する情報サービス産業においては、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、企業のデジタル化への対応やデータ活用に対する取組み等により、データセンター市場、クラウド市場等が拡大しております。 このような環境の下、当社グループは、当社グループが展開するコンピュータプラットフォーム事業、メディアソリューション事業について、事業環境の変化に対応しながら事業運営を行っております。
また、当社グループは、お客様や従業員の新型コロナウイルス感染防止のため、テレワークの導入や時差出勤等の必要な措置を講じております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が当第3四半期連結累計期間(以下、当第3四半期)の業績に与えた影響については限定的でした。当社グループでは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結累計期間の期首から適用しており、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細は、「第4
経理の状況
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四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)(会計方針の変更)」をご参照ください。
当第3四半期におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。なお、当社グループは、従来「コンピュータプラットフォーム事業」、「IoT/AIソリューション事業」、「メディアソリューション事業」の3事業に区分しておりましたが、「IoT/AIソリューション事業」に属していた株式会社エーアイスクエアが前連結会計年度末において連結子会社から持分法適用関連会社に異動したことに伴い、事業セグメントを見直し、第1四半期連結会計期間より「コンピュータプラットフォーム事業」、「メディアソリューション事業」の2事業に変更しております。詳細は、「第4
経理の状況
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四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報 の2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(コンピュータプラットフォーム事業)コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
データセンターでは、新大手町サイトは、本年(2022年)9月末の契約率は90%超、稼働率は約60%となり、売り上げが増加しました。他方、利益率の高い運用受託サービスは売り上げが減少し、また、運用開始から20年が経過した第1サイトは、一部のお客様が新大手町サイトへの利用に切り替えたこと等により売り上げが減少しました。新たに進出するハイパースケールデータセンターについては、複数のパートナー候補と提携の枠組、手法等について協議を継続しております。引き続き、既存顧客との関係強化を図るとともに、新規顧客の開拓を進めてまいります。
クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の拡大を背景に、当社独自のc9サービス、SaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービス等の売り上げは増加しました。
データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案しております。当社の主力プロダクトであるDell Technologies社製の「PowerScale」は概ね堅調な売り上げとなりました。また大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品については、大規模案件の獲得により売上が増加しました。Dell Technologies社製の「PowerScale」に関しては、ランサムウェア対策として、カナダ Superna社が開発したソフトウェア製品群「Eyeglass」の日本国内での提供・サポートを本年5月より開始しました。また、Dell Technologies社が提供するクラウド型データストレージサービス「APEX Data Storage Services」(ADSS)の取扱を9月より開始し、これまでスケールアウト型NAS「Dell PowerScale / Isilon」に加えて、データストレージリソースの更なる提供・サポートを行います。デジタル技術やデジタルサービス等の浸透により、企業のDX(デジタル変革)が加速する中、当社も事業の変革、社内システムの高度化・連携等、引き続きDXへの取組みを推進してまいります。
その他では、株式会社ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っております。ソリューション事業部では、一部サービス解約により売り上げが減少しましたが、独自製品である「パイレーツ・バスター®」、「コプリガード®」等の売り上げは堅調に推移し、情報セキュリティサービスとして提供しているPCデータのクラウドバックアップサービスの売り上げも堅調に推移しました。今後も新たに開始したWebマーケティングの活用等により売り上げ増加に努めてまいります。この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は、主に、データセンターの売り上げ減少により6,951百万円(前年同期比3.6%減)となりました。営業損益は、主に、利益率の高い運用受託サービスの売り上げ減少に伴う利益の減少により307百万円の損失(前年同期は25百万円の営業損失)となりました。
(メディアソリューション事業)メディアソリューション事業では、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)はコンテンツ配信プラットフォーム事業を行っており、JCCの子会社である沖縄ケーブルネットワーク株式会社(以下、沖縄ケーブル)は地域メディア事業を行っております。
JCCにおいては、主力サービスであるデジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」は、ケーブルテレビ事業者のC-CASからACAS(注1)への移行及び専門多チャンネル放送サービスの高画質化を支援しております。
ケーブルテレビのコミュニティチャンネル向けデータ放送サービス「JC-data」は、地域に密着した安心・安全・防犯・防災情報の提供を行っております。本年新たに3社のケーブルテレビ事業者が「JC-data」を活用し地域情報の配信を開始しました。
自治体からのお知らせや各種緊急情報を伝達する「地域DXソリューション」では、新規取組みとして、JCCと北海道テレビ放送株式会社(以下「HTB」)が、放送通信連携型データ放送サービスのHybridcast(注2)を活用し、HTBのデータ放送画面を通じて道内自治体の各種情報を配信するサービスの事業化に向け準備を進めております。 今後もJCCでは、ケーブルテレビを通じたサービス提供にとどまらず、課題の多い地域の暮らしを便利にするサービスを、自治体と共創して提供に努めてまいります。
沖縄ケーブルにおいては、昨今高まるインターネット等の高速通信需要に対応するため、光回線(FTTH(注3))化工事を進め、那覇市の一部及び宜野湾市全域で超高速インターネットサービス「ヒカリにらい」の提供を開始しており、今後さらにサービスエリアのインフラを順次更新してまいります。また本年3月、昨年来より株式会社地域ワイヤレスジャパン、沖縄テレビ放送株式会社等と共同で実施した「沖縄県初ローカル5Gを活用した災害時におけるテレビ放送の応急復旧に関する実証実験(令和3年度総務省開発実証請負)」が完了いたしました。加えて、本年6月より沖縄県における小売電気事業(取次販売)「にらいでんき」を開始し、7月からは、日本初の4Kスローテレビチャンネル「ナチュラルウィンドウチャンネル」の放送を開始しました。このチャンネルは、自然風景などの超高精細・高品質4K映像(Natural Window®(注4))をJCCが編成・ACAS方式で配信しております。なお、沖縄ケーブルは、株式譲渡に伴い、2022年12月期第4四半期連結会計期間において、持分法適用関連会社へ移行するものの、今後もJCCとの業務関係を保ちながら、地域の発展とケーブルテレビ加入者数の増加に努めてまいります。この結果、メディアソリューション事業の売上高は、主に、JCC地域DXソリューションの案件獲得遅れにより3,990百万円(前年同期比1.5%減)となり、営業利益は、JCC地域DXソリューションの案件獲得遅れ、沖縄ケーブルにおける減価償却費や新サービス加入者獲得に向けた販売促進費の増加等により139百万円(同31.8%減)となりました。
以上の活動により、当第3四半期における当社グループの売上高は10,962百万円(前年同期比5.5%減)、営業損失は265百万円(前年同期は118百万円の営業利益)となりました。経常利益は営業外収益に投資有価証券売却益を計上したことにより592百万円(同581.7%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は486百万円(前年同期は140百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
(注1)ACASとは、4K8K放送で新たに採用されたCAS方式。CASとは、限定受信方式「CONDITIONAL ACCESS SYSTEM」の略語。(注2)Hybridcastとは、放送波の中にインターネット上のコンテンツの取得を指示する制御信号を組み込み、テレビ放送とHTML5で記述されたWebコンテンツとの融合を可能とする次世代放送サービス。(注3)FTTHとは、「Fiber To The Home」の略語で、光ファイバーを利用した家庭用の高速データ通信サービス。(注4)Natural Window®とは、凸版印刷株式会社が提供する超高精細・高品質 4K映像コンテンツを活用した超臨場感環境ソリューション。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における総資産は、売掛金及び有形固定資産の減少、投資有価証券の売却に伴う減少等により、前連結会計年度末に比べ1,700百万円減少し22,702百万円となりました。負債合計は、買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,025百万円減少し10,012百万円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等はありましたが、投資有価証券の売却に伴うその他有価証券評価差額金の減少、非支配株主持分の減少等により、前連結会計年度末に比べ674百万円減少し12,690百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の38.9%から1.3ポイント増加し40.2%となりました。なお、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当第3四半期連結会計期間末の本契約に基づく借入金残高は30億円です。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。なお、当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は91百万円であります。
(7) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第3四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性に重要な変更はありません。
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