【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い回復が期待されたものの、物価上昇や為替変動のリスクを抱えたままであり、先行き不透明な状況が続きました。
食品業界においては、相次ぐ値上げによる物価上昇を受け、消費者の生活防衛意識や節約志向が一層強まりました。
このような環境の中、当グループにおきましては、中期3か年計画に基づき、先ずは政策的に進めた製品アイテム削減分の売上高をカバーすべく、主力製品の販売強化に取り組みました。
販売面では、特に昆布製品と惣菜製品が好調に推移したことから、売上高は136億34百万円(前年同四半期比5.7%増)となりました。
利益面では、前期を中心に製品値上げを実施しましたが、原材料やエネルギーコストの上昇基調は変わらず利益を圧迫しております。また、早期の売上回復を図るため、当第1四半期に広告宣伝投資を集中投下したことから、営業利益は1億70百万円(前年同四半期比42.6%減)、経常利益は3億16百万円(前年同四半期比28.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億2百万円(前年同四半期比21.0%減)となりました。
製品分類別の販売状況は、次のとおりであります。
惣菜製品は、日配惣菜、包装惣菜ともに前年実績を上回りました。日配惣菜は、フジッコNEWデリカ株式会社が新規取引先の開拓を進め、株式会社フーズパレットが主力メニューの「青椒肉絲」「酢豚」「八宝菜」について認知拡大のための販促提案を強化しました。包装惣菜は、「おばんざい小鉢」シリーズが売上を牽引しました。5月から7月にかけては、準備の手軽さと丁寧な商品価値を訴求するTVCM(おばんざい小鉢が、あってよかった。篇)を全国の主要都市で放映しました。
昆布製品は、主力の「ふじっ子煮」が大きく伸長しました。白いご飯との相性の良さを訴求するTVCM(ごはんパクパク応援団篇)を全国の主要都市で放映し、次世代ユーザーのトライアル獲得とブランド育成に取り組みました。
豆製品は、水煮・蒸し豆が堅調に推移し、前年実績を上回りました。6月より、「体がよろこぶ Everyday Beans!」活動の一環として、水煮・蒸し豆シリーズを対象に「毎日豆活キャンペーン」をスタートし、日々の生活に取り入れやすい簡単なフィットネスと豆レシピを提案しています。
ヨーグルト製品は、主力の「カスピ海ヨーグルトプレーン400g」は堅調に推移しました。また、カスピ海ヨーグルトのノウハウを活かし、よりまろやかでクリーミーにリニューアルした「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」が順調な出だしとなりましたが、ヨーグルト関連サプリメントの「善玉菌のチカラ」が広告宣伝を抑えた反動で減収となり、全体では前年並みで推移しました。
デザート製品は、前年並みとなりました。「フルーツセラピー」シリーズは、過去の人気商品の復活も視野に入れ、ブランド育成に取り組んでまいります。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億17百万円減少し、787億45百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ23百万円減少し、332億87百万円となりました。これは、売上高の増加に伴う売掛金の増加がある一方で、期末配当金の支払及び法人税等の納税による現金及び預金の減少があったこと等によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ93百万円減少し、454億58百万円となりました。これは、投資有価証券の時価評価による増加がある一方で、有形固定資産の減価償却が進んだこと等によるものです。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ52百万円増加し、84億60百万円となりました。これは主に、売上高の増加に伴い買掛金や未払消費税等が増えたことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ7百万円減少し、19億33百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1億63百万円減少し、683億50百万円となりました。これは主に、剰余金
の配当によるものです。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の86.9%から86.8%となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たな発生はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億72百万円であります。