【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念される中、円安やウクライナ情勢を背景とした原材料・エネルギー価格の高止まりが続き、先行きの不透明感が拭えない状態で推移しました。
食品業界におきましては、値上げが繰り返し実施され、生活者の消費マインドを低下させる厳しい状況となりました。
このような環境の中、当グループにおきましては、ブランド価値の強靭化、DXの準備等に取り組みました。年間を通じて一番の繁忙期となる12月は、年末の黒豆を中心に販売に注力いたしました。
売上高は、デザート製品は好調に推移しましたが、その他の製品群の減収により、413億52百万円(前年同四半期比2.8%減)となりました。
利益面では、減収と想定を上回る原材料・エネルギーコストの増加等により、営業利益は12億71百万円(前年同四半期比51.9%減)、経常利益は15億57百万円(前年同四半期比47.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億42百万円(前年同四半期比48.1%減)となりました。
製品分類別の販売状況は、次のとおりであります。
惣菜製品は、中華惣菜を扱う子会社の株式会社フーズパレットが外販チャネルの開拓により堅調に推移し、「おかず畑」ブランドを中心とする包装惣菜は前年並みで推移しましたが、前期より政策的に進めた日配惣菜の減収等を受け、全体では前年実績を下回りました。
昆布製品は、主力のカップ佃煮は好調に推移しましたが、塩こんぶ、とろろ昆布、だし昆布等は前年実績を下回りました。今後の需要喚起に向け、12月より、よろこんぶキャンペーンを実施しております。
豆製品は、「おまめさん丹波黒黒豆」を中心に年末の拡販に注力しましたが、煮豆市場のダウントレンドと水煮・蒸し豆の苦戦により、前年実績を下回りました。今後は、2月に「おまめさん」のTVCMを予定しており、販売数を増やしてまいります。
ヨーグルト製品は、健康意識の高まりや巣ごもり需要で好調に推移した前期からの反動減で前年実績を下回りました。11月から12月にかけては、購買促進を狙って「家族と話したくなるヨーグルト“あのね”が聞こえる朝ごはんキャンペーン」を実施いたしました。
デザート製品は、「フルーツセラピー」シリーズの発売20周年記念キャンペーン等が寄与し、前年実績を大きく上回りました。11月より、期間限定商品「フルーツセラピー ゆず~レモン果肉入り~」を発売いたしました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、株主還元、資本効率を意識した自己株式の取得等を継続して進めたことから、前連結会計年度末に比べ7億86百万円減少し、793億50百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ13億12百万円増加し、331億89百万円となりました。これは、年末にかけての売上高の増加により、売掛金が増加したこと等によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ20億99百万円減少し、461億60百万円となりました。これは主に、自社物件の整理や有形固定資産の減価償却が進んだことによるものです。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ6億47百万円増加し、92億24百万円となりました。これは主に、年末に向けた生産数の増加に伴い、仕入に係る買掛金が増加したこと等によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1百万円増加し、19億26百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ14億35百万円減少し、681億99百万円となりました。これは主に、自己株式の取得と配当金の支払によるものです。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の86.9%から85.9%となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たな発生はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は7億68百万円であります。