【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における世界経済は、一部の地域で足踏みが見られたものの、経済活動の正常化が進んだことで、緩やかな回復が続きました。日本経済については、個人消費や設備投資、雇用情勢は持ち直し、景気は緩やかに回復しています。海外においては、米国経済、中国経済、アジア他のその他新興国経済で緩やかな回復の動きが続きましたが、欧州経済はエネルギー情勢や金融引き締めなどの影響で足踏み状態にありました。また、世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢やエネルギー情勢、物価上昇などの影響、また世界的な金融引き締め等がある中、世界経済は不透明な状況が続いています。
かかる状況下、2021年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase 2で掲げた諸施策を着実に実行し、事業構造の変革(Transformation)を加速すると共に、財務体質・組織体制を強化し、経営環境の変化にしなやかに対応できる企業体質の構築を目指します。
当第1四半期連結累計期間の売上高は200,768百万円(前年同期比16.3%増)となりました。損益につきましては、鋼材価格の上昇や固定費の増加などはありましたが、売価転嫁などにより、営業利益は1,490百万円(前年同期は783百万円の営業損失)、経常利益は1,925百万円(前年同期は10百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,641百万円(前年同期は2,487百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの経営成績につきましては、以下のとおりであります。
①日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで減少しました。産業機械市場向けは変減速機向けで増加し、自動車市場向けは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高は86,111百万円(前年同期比0.6%減)となりました。セグメント損益は売価転嫁などはありましたが、鋼材価格上昇や固定費の増加などがあり、1,543百万円のセグメント利益(前年同期比72.8%減)となりました。
②米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け及び自動車補修向けともに減少しました。産業機械市場向けは建設機械向けや農業機械向けなどで減少し、自動車市場向けは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高65,119百万円(前年同期比18.9%増)となりました。セグメント損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加に伴う売価転嫁の推進などはありましたが、1,983百万円のセグメント損失(前年同期は3,277百万円のセグメント損失)となりました。
③欧州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで減少し、自動車補修向けで増加しました。産業機械市場向けは航空機向けなどで増加しましたが、農業機械向けなどで減少し、自動車市場向けは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高は47,542百万円(前年同期比18.9%増)となりました。セグメント損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加に伴う売価転嫁の推進などはありましたが、1,001百万円のセグメント損失(前年同期は1,483百万円のセグメント損失)となりました。
④アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは風力発電向けなどで増加しましたが、農業機械向けなどで減少し、自動車市場向けは前年同期に中国都市封鎖の影響があったことにより増加しました。全体としては、売上高は40,515百万円(前年同期比16.2%増)となり、セグメント損益は売価転嫁などにより、2,562百万円のセグメント利益(前年同期比22.0%増)となりました。
(補足情報)
1)事業形態別損益
前第1四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) (単位:百万円)
補修市場向け
産業機械市場向け
自動車市場向け
合計
外部顧客への売上高
32,341
34,120
106,152
172,614
営業利益
又は営業損失(△)
4,617
1,237
△6,638
△783
当第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) (単位:百万円)
補修市場向け
産業機械市場向け
自動車市場向け
合計
外部顧客への売上高
35,458
32,884
132,426
200,768
営業利益
又は営業損失(△)
4,769
851
△4,131
1,490
①補修市場向け
客先需要の拡大などにより売上高は35,458百万円(前年同期比9.6%増)となりました。営業損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加などはありましたが、売価転嫁などにより4,769百万円の営業利益(前年同期比3.3%増)となりました。
②産業機械市場向け
建設機械向けや農業機械向けの減少などにより売上高は32,884百万円(前年同期比3.6%減)となりました。営業損益は売価転嫁などはありましたが、鋼材価格の上昇や固定費の増加、規模の影響などにより851百万円の営業利益(前年同期比31.2%減)となりました。
③自動車市場向け
客先需要の回復などにより売上高は132,426百万円(前年同期比24.8%増)となりました。営業損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加に伴う売価転嫁の推進などはありましたが、4,131百万円の営業損失(前年同期は6,638百万円の営業損失)となりました。
2)地域別売上高
前第1四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) (単位:百万円)
日本
米州
欧州
アジア他
合計
44,327
55,352
36,087
36,846
172,614
当第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) (単位:百万円)
日本
米州
欧州
アジア他
合計
50,808
64,919
43,033
42,007
200,768
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.地理的近接度により、複数の国又は地域を括った地域に区分しております。
3.各区分に属する主な国又は地域…………米州 :アメリカ、カナダ、中南米
欧州 :ドイツ、フランス、イギリス等
アジア他:中国、タイ、インド等
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は16,762百万円(前年同期比8,654百万円、106.7%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費10,330百万円、売上債権の減少額8,283百万円の収入に対して、為替換算調整差額/為替差損益5,969百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は4,692百万円(前年同期比74百万円、1.6%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出4,478百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は9,678百万円(前年同期は106百万円の支出)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出38,175百万円に対して、長期借入れによる収入26,001百万円、短期借入金の増加額4,819百万円であります。
これらの増減に換算差額3,958百万円及び新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額184百万円を算入しました結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は117,209百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,532百万円(5.9%)の増加となりました。
(3)経営の基本方針、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、会社の支配に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営の基本方針、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等及び会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は4,738百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。