【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における世界経済は、一部の地域で足踏みが見られたものの、経済活動の正常化が進んだことで、緩やかな持ち直しが続きました。日本経済については、国内企業物価、消費者物価は上昇しているものの、個人消費は緩やかに持ち直しました。海外においても、米国経済、欧州経済、アジア他のその他新興国経済で持ち直しの動きが続きましたが、中国経済は新型コロナウイルス感染の再拡大の影響により、持ち直しの動きに足踏みがみられました。一方、世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢やエネルギー情勢などの影響、また世界的な金融引き締め等がある中、世界経済は不透明な状況が続きました。
かかる状況下、2021年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase 2で掲げた諸施策を着実に実行し、事業構造の変革(Transformation)を加速すると共に、財務体質・組織体制を強化し、経営環境の変化にしなやかに対応できる企業体質の構築を目指します。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、569,422百万円(前年同期比21.6%増)となりました。損益につきましては、現時点では欧米の自動車市場向けを中心に売価転嫁より鋼材価格上昇や固定費の増加などが先行しておりますが、規模や為替の影響などにより営業利益は9,891百万円(前年同期比289.1%増)、経常利益は7,411百万円(前年同期比316.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純損失は754百万円(前年同期は1,508百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの経営成績につきましては、以下のとおりであります。
①日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高は273,415百万円(前年同期比14.0%増)となりました。セグメント損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加などはありましたが、売価転嫁や規模、為替の影響などにより14,356百万円のセグメント利益(前年同期比157.8%増)となりました。
②米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加し、自動車補修向けで減少しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで増加しましたが、風力発電向けで減少し、自動車市場向けは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高は178,895百万円(前年同期比39.4%増)となりました。セグメント損益は規模の影響などはありましたが、現時点では売価転嫁より鋼材価格上昇や固定費の増加などが先行しており、7,230百万円のセグメント損失(前年同期は6,902百万円のセグメント損失)となりました。
③欧州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加し、自動車補修向けで減少しました。産業機械市場向けは航空機向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、ウクライナ情勢の影響等はありましたが、売上高は122,790百万円(前年同期比18.1%増)となりました。セグメント損益は規模の影響などはありましたが、現時点では売価転嫁より鋼材価格上昇や固定費の増加などが先行しており、3,577百万円のセグメント損失(前年同期は3,720百万円のセグメント損失)となりました。
④アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで減少し、自動車市場向けは客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は126,049百万円(前年同期比16.2%増)となり、セグメント損益は中国の都市封鎖に伴う操業停止や稼働率低下の影響などにより、9,784百万円のセグメント利益(前年同期比7.4%減)となりました。
(補足情報)
1)事業形態別損益
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日) (単位:百万円)
補修市場向け
産業機械市場向け
自動車市場向け
合計
外部顧客への売上高
82,069
92,381
293,675
468,126
営業利益
又は営業損失(△)
10,544
2,708
△10,710
2,542
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日) (単位:百万円)
補修市場向け
産業機械市場向け
自動車市場向け
合計
外部顧客への売上高
99,020
102,848
367,553
569,422
営業利益
又は営業損失(△)
15,704
4,930
△10,743
9,891
①補修市場向け
客先需要の拡大などにより、売上高は99,020百万円(前年同期比20.7%増)となりました。営業損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加などはありましたが、売価転嫁や規模、為替の影響などにより15,704百万円の営業利益(前年同期比48.9%増)となりました。
②産業機械市場向け
建設機械向けや航空機向けの増加などにより、売上高は102,848百万円(前年同期比11.3%増)となりました。営業損益は鋼材価格の上昇や固定費の増加などはありましたが、売価転嫁や規模、為替の影響などにより4,930百万円の営業利益(前年同期比82.1%増)となりました。
③自動車市場向け
客先需要の回復などにより、売上高は367,553百万円(前年同期比25.2%増)となりました。営業損益は規模や為替の影響などはありましたが、現時点では売価転嫁より鋼材価格上昇や固定費の増加などが先行しており、10,743百万円の営業損失(前年同期は10,710百万円の営業損失)となりました。
2)地域別売上高
前第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日) (単位:百万円)
日本
米州
欧州
アジア他
合計
133,441
130,198
91,704
112,781
468,126
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日) (単位:百万円)
日本
米州
欧州
アジア他
合計
148,135
181,339
109,687
130,259
569,422
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.地理的近接度により、複数の国又は地域を括った地域に区分しております。
3.各区分に属する主な国又は地域…………米州 :アメリカ、カナダ、中南米
欧州 :ドイツ、フランス、イギリス等
アジア他:中国、タイ、インド等
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は29,166百万円(前年同期比24,934百万円、589.2%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費31,543百万円、売上債権の減少額18,081百万円の収入に対して、棚卸資産の増加額25,169百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は13,751百万円(前年同期比4,621百万円、50.6%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出14,048百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は33,146百万円(前年同期比2,350百万円、7.6%の増加)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入15,540百万円に対して、長期借入金の返済による支出34,487百万円、短期借入金の減少額12,622百万円であります。
これらの増減に換算差額1,541百万円を算入しました結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は105,270百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,190百万円(13.3%)の減少となりました。
(3)経営の基本方針、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、会社の支配に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営の基本方針、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等及び会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は14,007百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。