【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績等の状況
① 経営成績
単位:百万円
2022年12月期
第2四半期累計
2023年12月期
第2四半期累計
増減
前年同期比
売上高
61,458
69,849
+8,391
113.7%
営業利益
9,634
10,652
+1,018
110.6%
営業利益率
15.7%
15.3%
△0.4p
-
経常利益
9,645
10,785
+1,140
111.8%
親会社株主に帰属する四半期純利益
7,028
7,446
+418
106.0%
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかながらも持ち直しの動きが継続しました。当社グループを取り巻く事業環境についても、原材料価格の高騰や、金融引締め等による世界的な景気後退懸念などを背景に、一部に保守的な動きが見られたものの、企業のデジタル投資意欲は強く、堅調に推移しました。
かかる状況の下、当社グループは、長期経営ビジョン「Vision 2030」および2024年12月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「ISID X(Cross) Innovation 2024」を推進しております。当中期経営計画では、4つの活動方針「事業領域の拡張」「新しい能力の獲得」「収益モデルの革新」「経営基盤の刷新」のもと、事業成長の加速と自己変革に取り組んでおります。
2年目となる当連結会計年度は、2030年に向けた当社グループの変革をさらに推し進めるため、当社の商号を2024年1月1日付けで、「株式会社電通国際情報サービス」から「株式会社電通総研」に変更すること、ならびに本商号変更にあわせて、コンサルティングを専業とする子会社2社を当社へ統合することを決定しました。加えて、電通グループの日本事業を統括する「dentsu Japan」内のシンクタンク「電通総研」の機能の当社への移管に向けた検討・準備を進めております。
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高69,849百万円(前年同期比113.7%)、営業利益10,652百万円(同110.6%)、経常利益10,785百万円(同111.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益7,446百万円(同106.0%)となりました。
売上高については、4つのセグメントすべてにおいて増収となりました。利益につきましても、人件費および研究開発費を中心に販売費及び一般管理費は増加したものの、増収効果により、すべての段階利益で増益となりました。
報告セグメント別の売上高、営業利益および営業の状況は、以下のとおりであります。
■報告セグメント別売上高および営業利益
単位:百万円
報告セグメント
2022年12月期
第2四半期累計
2023年12月期
第2四半期累計
増減額
売上高
営業利益
営業利益率
売上高
営業利益
営業利益率
売上高
営業利益
金融ソリューション
13,635
1,069
7.8%
14,721
1,416
9.6%
+1,086
+347
ビジネスソリューション
8,723
2,277
26.1%
11,653
3,152
27.0%
+2,930
+875
製造ソリューション
17,339
2,045
11.8%
19,795
2,171
11.0%
+2,456
+126
コミュニケーションIT
21,759
4,242
19.5%
23,678
3,910
16.5%
+1,919
△332
合計
61,458
9,634
15.7%
69,849
10,652
15.3%
+8,391
+1,018
■報告セグメント別営業の状況
金融ソリューション
金融機関をはじめ企業における各種金融業務を支援するITソリューションの提供を主たる事業としております。
当第2四半期連結累計期間は、会計および顧客接点改革領域におけるコンサルティングサービスの提供やソフトウェア商品の販売・導入が銀行業向けを中心に拡大したことにより、増収増益となりました。
ビジネスソリューション
会計・人事を中心に経営管理業務を対象とするITソリューションの提供を主たる事業としております。
当第2四半期連結累計期間は、注力する4つのソリューション、統合人事ソリューション「POSITIVE」、連結会計ソリューション「STRAVIS」、会計ソリューション「Ci*X」、経営管理ソリューション「CCH Tagetik」の販売・導入が商社および製造業を中心に拡大したことにより、増収増益となりました。
製造ソリューション
製造業の製品開発/製造/販売/保守にわたる製品ライフサイクル全般を対象とするITソリューションの提供を主たる事業としております。
当第2四半期連結累計期間は、3次元CAD「NX」、PLMソリューション「Teamcenter」および構想設計ソリューション「iQUAVIS」等が輸送機器および機械業を中心に拡大したことにより、増収増益となりました。
コミュニケーションIT
マーケティングから基幹業務領域まで企業のバリューチェーンやビジネスプロセスの最適化を支援するITソリューションの提供を主たる事業としております。
当第2四半期連結累計期間は、ERPシステムの更新需要を背景としたSAPソリューションの導入案件が製造業を中心に拡大したことにより、増収となりました。利益につきましては、受託システム開発およびアウトソーシング・運用保守サービスの収益性が低下したこと等により、減益となりました。
② 財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,459百万円増加し、128,351百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末時点の売上債権の回収が進んだこと以外に、主に契約負債の増加により預け金が増加したほか、顧客向けサービスのためのサブスクリプション契約・保守契約に係る前渡金が増加したことにより、前連結会計年度末と比較して7,278百万円増加し、110,377百万円となりました。固定資産は、主に繰延税金資産の減少により、前連結会計年度末と比較して819百万円減少し、17,974百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間における総負債は、前連結会計年度末と比較して1,756百万円増加し、49,777百万円となりました。流動負債は、未払法人税等の支払いがあったものの、保守・サブスクリプション型サービス提供に伴う契約負債の増加を主因として、1,596百万円増加し、47,283百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末と比較して161百万円増加し、2,494百万円となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、剰余金の配当があったものの、主に当社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加した結果、前連結会計年度末と比較して4,702百万円増加し、78,573百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して5,876百万円増加し、59,181百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
法人税等の支払等による資金の減少を税金等調整前四半期純利益および減価償却費等が上回り、資金は10,136百万円増加しました。
前年同期との比較においては、税金等調整前四半期純利益の増加、売上債権及び契約資産の減少等により5,778百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
ソフトウェア等の固定資産の取得等により、資金は1,130百万円減少しました。
前年同期との比較においては、主にソフトウェア等の固定資産の取得による支出の減少、投資有価証券の売却による収入により546百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払およびリース債務の返済等により、資金は3,376百万円減少しました。
前年同期との比較においては、主に配当金支払額の増加により515百万円の支出増となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、2024年12月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「ISID X(Cross) Innovation 2024」において、目標とする経営指標のうち業績指標について、以下のとおり見直しました。
<業績指標>
項目
2024年12月期目標
当初計画
(2022年2月9日発表)
見直し後
(2023年7月31日発表)
売上高
1,500億円
1,500億円
営業利益
180億円
225億円
営業利益率
12%
15%
ROE
15%
18%
上記を除き、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は991百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産実績および受注実績が著しく増加しました。これは、主にビジネスソリューションおよび製造ソリューションセグメントの事業が好調に推移したことによるものです。詳細については、「(1)財政状態及び経営成績等の状況 ① 経営成績 報告セグメント別営業の状況」をご参照ください。
なお、各報告セグメント別の生産及び販売の実績は以下のとおりであります。
① 生産実績
報告セグメント
生産高(百万円)
前期比(%)
金融ソリューション
11,799
106.0%
ビジネスソリューション
7,799
146.8%
製造ソリューション
5,089
115.6%
コミュニケーションIT
11,872
106.8%
合計
36,561
114.4%
(注)金額は、販売価格に換算して表示しております。
② 受注実績
報告セグメント
受注高
(百万円)
前期比
(%)
受注残高
(百万円)
前期比
(%)
金融ソリューション
15,251
100.4%
8,312
93.2%
ビジネスソリューション
11,576
122.0%
10,156
169.9%
製造ソリューション
25,609
128.1%
23,915
131.5%
コミュニケーションIT
27,904
101.8%
19,757
111.7%
合計
80,341
111.5%
62,141
122.4%
③ 販売実績
報告セグメント
販売高(百万円)
前期比(%)
金融ソリューション
14,721
108.0%
ビジネスソリューション
11,653
133.6%
製造ソリューション
19,795
114.2%
コミュニケーションIT
23,678
108.8%
合計
69,849
113.7%
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年6月30日)
当連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年6月30日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
株式会社電通グループ及びそのグループ会社
11,877
19.3
11,031
15.8
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