【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間の当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症になるなど、活動制限の解除により経済活動の正常化が進むなか、総じて緩やかな回復基調となりました。鉱工業生産は、主力の自動車産業を中心に国内生産が回復基調にあるものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰や、日本銀行と各国中央銀行の金利差を主因とした円安常態化等、先行き不透明な状況が継続しております。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げている人的投資(教育+待遇)を強化して、未来のニーズを創造、より付加価値の高い製品、サービスを提供する事で、収益確保に向けて注力して参りました。今後も、円安・インフレの進行とエネルギー価格高止まりによるコスト上昇が懸念され、予断を許さない状況が続いておりますが、中期経営計画の達成に向け、引き続き機動的な価格戦略、原価低減と製品・サービスの高付加価値化による収益の改善に取り組んで参ります。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は7,397百万円(前年同期比 5.2%増)となりました。利益面につきましては、足元の物価高騰を受けて、給与水準の引き上げ(ベースアップ)を実施した一方、販売単価の見直し、高付加価値案件等への移行に注力した事で営業利益は410百万円(前年同期比 179.7%増)となりました。経常利益は円安の進行により発生した為替差益の影響もあり、691百万円(前年同期比 43.3%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は472百万円(同 86.9%増)となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
① ベントナイト事業 素形材分野は、自動車国内生産台数が回復傾向にあることや、昨年度から引き続き取り組んでいる価格改定の効果により、大幅な増収となりました。環境建設分野は、復興関連事業の需要が一服したこと等により、減収となりました。ペット分野は、PB品の需要が堅調に推移し、増収となりました。この結果、当セグメントの売上高は5,785百万円(前年同期比 9.1%増)、セグメント利益は727百万円(同 248.9%増)となりました。
② クレイサイエンス事業 ファインケミカル分野
クニピアの一般工業用途としての輸出向けの需要が減少した事に加え、製造原価が上昇したことにより、大幅な減収減益となりました。この結果、当分野の売上高は632百万円(前年同期比 8.7%減)、営業損失は25百万円(前年同期は営業利益94百万円)となりました。
③ クレイサイエンス事業 アグリビジネス分野
農薬受託加工において、水稲用除草剤及び殺虫剤・殺菌剤の需要に落ち込みがあったことに加え、販売予定製品の生産時期が一部下期に変更されたことで、売上計上も下期にずれ込んだ為、大幅な減収減益となりました。この結果、当分野の売上高は838百万円(前年同期比 8.7%減)、営業損失は93百万円(前年同期は営業利益32百万円)となりました。
④ クレイサイエンス事業 ライフサイエンス分野昨年の3月より販売を開始した赤潮防除剤の需要が増加し、増収増益となりました。この結果、当分野の売上高は140百万円(前年同期比 21.1%増)、営業利益は2百万円(前年同期は営業損失13百万円)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。総資産は前連結会計年度末に比べ321百万円増加し、24,881百万円となりました。これは主に売却により有価証券が517百万円減少したものの、現金及び預金が276百万円、原材料及び貯蔵品が227百万円、固定資産が213百万円増加したことによるものであります。負債は前連結会計年度末に比べ114百万円増加し、3,325百万円となりました。これは主に買掛金が147百万円増加したことによるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べ206百万円増加し、21,555百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が43百万円、為替換算調整勘定が120百万円増加したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ243百万円減少し、7,672百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、522百万円(前年同期は使用した資金が130百万円)となりました。これは主に、棚卸資産が433百万円減少したものの、税金等調整前四半期純利益692百万円、減価償却費416百万円があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、454百万円(前年同期比44.3%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が410百万円あったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、515百万円(前年同期比63.9%減)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出が498百万円あったことによるものであります。
(3) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、97百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、当第2四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。当社グループを取り巻く環境は、欧米諸国を中心とした金融引き締め、コロナ収束から経済活動再開による需給ひっ迫、地政学リスクの高まり等、海外原鉱を多く取り扱う当社グループにとって大変な向い風であると認識しております。このような見通しの下、当社グループは、2021年度にスタートした中期経営計画の見直しを図り、改めて2023年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画を策定する事といたしました。当中計期間において、ベントナイト本来の性能を最大限に活かした高付加価値製品の開発、生産販売の省人化、デジタル化を通じて、社会課題の解決、顧客の価値創造を実現し、高収益事業構造を構築してまいります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または必要に応じ借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、金融機関とコミットメントライン契約10億円を設定し、資金調達の機動性及び安定性を確保しております。当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備資金を調達していく考えであります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の経営環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループをとりまく経営環境は今後も厳しい状況が続くものと考えられます。このような状況下で、当社グループといたしましては、「(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し」にも記載しましたとおり、戦略的課題に重点的に取り組むことで、他社との差別化を図って、高収益化構造を実現することを最優先課題として考えております。
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