【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の食品流通業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然厳しい状況が続いておりましたが、3月下旬のまん延防止等重点措置の解除後は、行動制限も緩和される中で、一般消費者もウィズコロナを意識した消費・行動スタイルへ変化しつつ、経済、消費行動も徐々に回復の傾向となってまいりました。一方で、昨年来からエネルギー資源や穀物相場の高騰、円安の影響などから商品価格の値上げラッシュが続き、10月にはビール類をはじめ多くの商品価格の一斉値上げが実施されました。年間を通して食品や酒類だけでなく、あらゆる生活必需品の値上げが続いたことから一般消費者の物価上昇に対する生活防衛意識が一層高まり、依然先行きが見通せない状況となっております。このような状況の下、前連結会計年度よりスタートした5か年のグループ長期戦略に基づき、「アクセル2025 新しい時代における最適流通の創造 ― 顧客と地域を支える信頼度№1グループへ ―」を長期ビジョンとして販売戦略・物流戦略の両輪での取組みを進めてまいりました。営業面について、各販売チャネルに対する活動は次の通りとなります。スーパーマーケットに対しては、各得意先が惣菜で差別化を図りたいニーズに対して銘店弁当や東海エリア地場商材など催事・販促企画の提案活動を強化してまいりました。新規開拓及び既存得意先売上拡大については、愛知三河・静岡・三重エリアを重点エリアとし、各エリアの得意先のニーズに対する商品提案を進めてまいりました。外食・中食・給食に対しては、給食事業での物流受託に加え、既存得意先への販促提案やフードロス削減に向けた取組みを進めてまいりました。コンビニエンスストアに対しては、得意先の日商向上に向け、従来から推進している売場検証に基づくマーチャンダイジング活動において、デジタルコンテンツを活用した情報発信及び各種販促提案を進めてまいりました。ドラッグストアに対しては、既存得意先への継続的な収益改善への取組みに加え、新商品及び差別化商品の提案も継続的に行ってまいりました。その他販売チャネルではEC事業者向けへの取引拡大を進めてまいりました。物流面では、従来から推進しているカイゼン活動に加えて、販売チャネル政策と連動した物流網構築や物流「2024年問題」に向けた検討・対応を進めてまいりました。その他の取組みとしては、事業会社の国分中部株式会社において、三重県松阪市と国分グループ本社株式会社3者で包括連携協定を10月に締結し、地元の食材や地域資源を掘り起こし地域の魅力を生かした商品開発や販路開拓などを通じて、同市の活性化と持続的な発展のために協力していくことや、岐阜県高山市の地元酒造メーカーと協業し地酒の販路拡大に向けたギフト商品を開発するなど地域創生に繋がる取組みを進めております。また株式会社トーカンでは、自然の甘味にこだわった芋・栗・柿を中心としたスイーツを展開するブランド「東甘堂(とうかんどう)」の確立と発信を行うためのアンテナショップとして10月に2店舗目となる「マルエイガレリア店」(名古屋市中区マルエイガレリア内)をオープンいたしました。このような結果、当連結会計年度の業績につきましては、前連結会計年度に国分フードクリエイト株式会社から譲り受けた低温事業並びに連結子会社化した三給株式会社の寄与に加えて、卸売業における業務用商材の回復、及びコンビニエンスストア、EC事業者向けへの取引拡大などにより売上高は3,126億49百万円となりました。利益面では売上拡大の寄与に加えて、各種改善活動により営業利益は16億22百万円(前年同期比40.7%増)、経常利益は19億17百万円(前年同期比32.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は12億68百万円となりましたが、前連結会計年度にて特別利益に計上した関係会社清算益などの計上がないことにより前年同期比は20.6%増となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首より適用しております。当連結会計年度の売上高は、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前期増減率は記載しておりません。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)の(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
当社グループは、食品酒類卸売事業及びこれらの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ3億63百万円(1.9%)増加し、当連結会計年度末には193億62百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの増加は、13億37百万円(前年同期は31億75百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益19億9百万円の計上、減価償却費5億17百万円の計上となった一方で、法人税等の支払額が5億49百万円、棚卸資産の増加額が5億14百万円となったことなどによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの減少は、4億23百万円(前年同期は6億13百万円の減少)となりました。これは、主に固定資産の取得による支出が3億22百万円、長期預金の預入による支出が1億円となったことなどによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの減少は、5億50百万円(前年同期は5億15百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額が2億81百万円、長期借入金の返済による支出が1億56百万円、リース債務の返済による支出が1億12百万円となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績生産、受注及び販売の状況について、当社グループは、食品酒類卸売事業及びこれらの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、前年同期比は記載しておりません。
a.生産実績
区分
金額(百万円)
前年同期比(%)
惣菜
3,299
―
農産加工品
820
―
合計
4,119
―
(注)
金額は製造原価により算出しております。
b.受注状況当社グループは受注当日又は翌日に製造・出荷を行っておりますので、受注高及び受注残高の記載は省略しております。
c.仕入実績
区分
金額(百万円)
前年同期比(%)
商品
加工食品
132,328
―
チルド・冷凍類
56,951
―
酒類
71,854
―
非食品
7,320
―
小計
268,455
―
その他
11,540
―
合計
279,995
―
d.販売実績
区分
金額(百万円)
前年同期比(%)
製品
惣菜
3,882
―
農産加工品
796
―
小計
4,679
―
商品
加工食品
145,712
―
チルド・冷凍類
64,448
―
酒類
77,463
―
非食品
7,571
―
小計
295,196
―
その他
12,773
―
合計
312,649
―
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
株式会社ファミリーマート
35,491
11.9
38,482
12.3
ユニー株式会社
32,871
11.0
31,807
10.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
チャネル別売上高の状況
チャネル
2022年12月期(百万円)
対前年増減率(%)
スーパーマーケット
129,290
3.6
外食・中食・給食
50,408
4.1
コンビニエンスストア
43,450
7.0
ドラッグストア
40,443
△2.3
卸売業
36,592
8.0
その他
12,462
37.7
合計
312,649
4.8
(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首より適用しており、2022年12月期に係る売上高については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。2.対前年増減率は、前連結会計年度に係る売上高について当該会計基準等の適用による影響額が軽微であるため、当該会計基準等の適用前の前年実績にて対比した参考数値となります。
売上高の状況スーパーマーケットについては、前連結会計年度に国分フードクリエイト株式会社から譲り受けた低温事業の寄与により増収となりました。外食・中食・給食については、前連結会計年度に連結子会社化した三給株式会社の寄与に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により増収となり、卸売業についても新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により増収となりました。また、コンビニエンスストア及びその他については、主力得意先との取引拡大により増収となりました。ドラッグストアについては、一部得意先における取引変更により減収となりました。全体としては前連結会計年度に比べ144億12百万円増収の3,126億49百万円(前年同期比4.8%増)となりました。
利益の状況売上高増加による売上総利益の増加に加え、各種改善の取組みによる物流コスト抑制等により営業利益は16億22百万円(前年同期比40.7%増)、経常利益は19億17百万円(前年同期比32.1%増)と増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は12億68百万円となりましたが、前連結会計年度にて特別利益に計上した関係会社清算益などの計上がないことにより前年同期比20.6%増の増益となりました。
b.財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて5億40百万円増加し、1,115億94百万円となりました。これは主に現金及び預金が9億62百万円、商品及び製品が5億16百万円、未収入金が2億78百万円それぞれ増加した一方、預け金が5億95百万円、建物及び構築物が1億52百万円、差入保証金が1億31百万円、受取手形及び売掛金が99百万円、無形固定資産が96百万円それぞれ減少したことによるものであります。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて2億46百万円減少し、822億62百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が1億1百万円、繰延税金負債が86百万円、未払金が75百万円それぞれ減少したことによるものであります。当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて7億87百万円増加し、293億32百万円となりました。これは主に利益剰余金が9億87百万円増加した一方、退職給付に係る調整累計額が1億34百万円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入及び製品製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は主に物流センター等にかかる設備投資等によるものであり、「第3 設備の状況」に詳細を記載しております。運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金、リース契約により資金調達することとしております。当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
なお、当社グループは、食品酒類卸売事業及びこれらの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5
経理の状況
1
連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項
(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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