【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、社会経済活動の正常化が進展し、緩やかな回復基調が続きました。一方で、原材料価格の高騰や急激な為替変動、ウクライナ情勢の長期化といった景気の下振れリスクが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループを取り巻く受注環境は、国内では、高水準の企業収益に支えられた旺盛な設備投資意欲を背景に、受注は好調に推移しました。また、海外向けでは、二次電池業界の設備投資が引き続き活発なことから、同業界向けの受注が好調に推移しました。
主な品目別販売実績は、以下のとおりです。
高性能ソリューションポンプは、国内市場では、当社主力製品の「スムーズフローポンプ」の主要市場となるケミカル業界において、二次電池関連や素材関連を中心に堅調な設備投資需要が継続しており、同製品群の販売は底堅く推移しました。また、カーボンニュートラルやBCP対策、ポートフォリオ転換に取り組む顧客の動向により、環境負荷低減や自動化・効率化など、スムーズフローテクノロジーを駆使したソリューションの採用も広がりつつあります。
海外市場では、韓国企業における二次電池関連の投資計画が順調に推移するなか、「スムーズフローポンプ」の納入が続いていることが主要因となり、前年同期比で売上が大きく増加しました。
汎用型薬液注入ポンプは、工場の再稼働や操業度の回復に伴う需要増加のほか、コロナ禍からの復調が顕著な滅菌・殺菌業界及びプラント向けの水処理関連の動きが国内外ともに活発化しており、売上は増加基調にあります。2023年8月には、札幌ドームで開催された「下水道展2023札幌」に出展し、下水処理工程をメインターゲットにした設備費・維持管理費の削減や制御の簡素化などによる水処理設備の合理化への貢献について訴求しました。
ケミカル移送ポンプは、「ムンシュポンプ(高耐食ポンプ)」が、製造業の回復による鋼材需要の増加を背景として、製鉄プラント向けの案件を受注し順調に売上を伸ばしました。
計測機器・装置は、コロナ禍のリバウンド需要を主因に案件数が底上げされ、水処理設備の増設・更新に伴う「pH中和処理装置」等の案件を多数受注したことにより、売上が増加しました。
ケミカルタンクは、水処理関連で大型タンクやソリューションタンクなどのスポット案件が増加し、好調に推移しました。
以上の結果、売上高は50億43百万円(前年同四半期比17.8%増)と増加しました。利益面につきましては、仕入部材等の価格高騰の影響を受けたものの、増収効果により、売上総利益は22億69百万円(同15.0%増)と増加しました。また、販売費及び一般管理費は増加傾向にありますが、売上総利益の増加により十分に吸収することができたため、営業利益は7億4百万円(同28.4%増)、経常利益は7億25百万円(同30.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億8百万円(同42.9%増)とそれぞれ増益となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1億92百万円増加し、139億6百万円となりました。
流動資産は1億69百万円増加し、95億37百万円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金の減少1億96百万円、売上債権の減少2億5百万円、有価証券の増加1億円、棚卸資産の増加4億21百万円であります。
固定資産は22百万円増加し、43億68百万円となりました。増減内訳は、有形固定資産の増加12百万円、無形固定資産の減少12百万円、投資その他の資産の増加22百万円であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて2億21百万円減少し、45億20百万円となりました。
流動負債は2億7百万円減少し、32億85百万円となりました。主な増減内訳は、仕入債務の減少53百万円、未払法人税等の増加9百万円、賞与引当金の増加8百万円であります。
固定負債は13百万円減少し、12億35百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて4億13百万円増加し、93億85百万円となりました。主な増減内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益5億8百万円から配当金2億16百万円の支払いを差し引いた利益剰余金の増加2億91百万円、その他有価証券評価差額金の増加89百万円、為替換算調整勘定の増加21百万円、退職給付に係る調整累計額の減少10百万円であります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の65.4%から67.5%へと2.1ポイント上昇いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて1億81百万円減少し、34億32百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期に比べて56百万円減少し、3億52百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益7億25百万円、減価償却費1億19百万円、売上債権の減少2億11百万円による資金の増加及び棚卸資産の増加4億21百万円、仕入債務の減少53百万円、未払消費税等の減少20百万円、法人税等の支払2億18百万円による資金の減少によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期に比べて1億40百万円支出が増加し3億31百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2億34百万円、無形固定資産の取得による支出58百万円、投資有価証券の取得による支出55百万円による資金の減少によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同四半期に比べて39百万円支出が増加し、2億21百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払2億17百万円による資金の減少によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は1億61百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。