【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症がもたらした経済ならびに社会の混乱が十分に解消しない中、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う経済制裁及び物流ルートの制限、中国の「ゼロコロナ」政策下における活動制約などがサプライチェーンの混乱に拍車をかけました。また、高まるインフレ率を抑制するため、金融引き締め政策が主流となり、世界的な景気減速への懸念が高まりました。当社グループの主要顧客である自動車産業におきましては、長引くサプライチェーンの混乱を受けて自動車メーカー各社では計画比で減産を余儀なくされましたが、中国における一時的な減税措置を支えに当第2四半期連結会計期間には改善が見られ、2022年の世界ライトビークルの累計販売台数は、前年同期比で2.0%減となりました。当社グループにおきましては、自動車排ガス浄化触媒、酸素センサー、ブレーキなどの車載用途で引き続き自動車減産の影響を受けたものの、二次電池材料、歯科材料、産業用構造部材などは堅調に推移しました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、販売数量が前年同期比で9.0%減少したものの、原材料価格の高騰に伴う販売価格上昇や円安による為替影響等により16,900百万円(前年同期比14.5%増、業績予想34,500百万円に対して進捗率49.0%)、営業利益は、前期に戦略的に積み増しをおこなった原料市況や為替の影響を受けていない価格上昇前の在庫を販売した効果や為替影響等により3,440百万円(前年同期比64.3%増、業績予想4,800百万円に対して進捗率71.7%)、経常利益は、外貨建資産における為替差益の計上等により5,244百万円(前年同期比79.2%増、業績予想4,800百万円に対して進捗率109.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,462百万円(前年同期比57.0%増、業績予想3,900百万円に対して進捗率88.8%)となりました。
用途別の販売状況は、次のとおりであります。(触媒用途)当社グループの主力製品である自動車排ガス浄化触媒材料は、半導体不足に端を発した部材・部品の不足による自動車減産の影響に加え、中国の「ゼロコロナ」政策下における活動制約の影響を受け、販売数量は前年同期を下回ったものの、原料価格の高騰に伴う販売価格上昇や円安による為替影響を受け、増収となりました。その結果、触媒用途の当第2四半期連結累計期間の売上高は、10,534百万円(前年同期比19.5%増、業績予想21,370百万円に対して進捗率49.3%)となりました。
(電子材料・酸素センサー用途)二次電池材料は、中国市場を中心に正極タイプの二極化とロックダウンによる在庫調整の影響を受けたものの、新規採用による販売数量の増加がそれを上回り、前年同期比で増収となりました。電子材料は、圧電素子や積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの電子部品用途、及び光学材料の販売数量が前年同期に届かなかったものの、コロナ禍以前を上回る水準で推移しました。酸素センサー材料は、自動車減産の影響を受け、販売数量は前年同期を下回ったものの、当第2四半期連結累計期間では、同第1四半期連結会計期間に比べ、マイナス幅が縮小しました。これらの結果、電子材料・酸素センサー用途の当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,584百万円(前年同期比1.4%増、業績予想3,320百万円に対して進捗率47.7%)となりました。
(ファインセラミックス用途)歯科材料ならびに産業用構造部材は、経済正常化が進む先進主要国が需要を牽引し、コロナ禍以前を上回る水準で推移しました。キッチンセラミックス材料は、インバウンド需要の回復には時間を要するものの、最終製品の販路拡充等により、販売数量の増加が続いております。燃料電池材料は、サプライチェーン内の在庫調整の影響を受け、販売数量は前年同期を下回りました。これらの結果、ファインセラミックス用途の当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,877百万円(前年同期比2.7%増、業績予想3,740百万円に対して進捗率50.2%)となりました。
(耐火物・ブレーキ用途)耐火物材料は、世界粗鋼生産量が需要を上回り在庫過多となった2021年の影響を受け、サプライチェーン内の在庫調整が行われた結果、販売数量は前年同期を下回りました。ブレーキ材は、自動車減産の影響を受け、販売数量は前年同期を下回ったものの、原料価格の高騰に伴う販売価格上昇により、増収となりました。これらの結果、耐火物・ブレーキ用途の当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,849百万円(前年同期比20.8%増、業績予想3,910百万円に対して進捗率47.3%)となりました。
(その他用途)その他用途は、アルミ配管ろう付け用フラックスの販売数量及び売上高が前年同期並みで推移したことに加え、フラックス以外についても、販売数量は前年同期並みとなりました。これらの結果、その他用途の当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,054百万円(前年同期比2.3%増、業績予想2,160百万円に対して進捗率48.8%)となりました。
なお、2022年5月13日公表の中期経営計画「DK-One Next」では、2026年3月期の売上高構成で、「戦略分野」22.5%、「自動車排ガス浄化触媒」55.0%、「基盤分野」22.5%、売上高40,000百万円を目指しており、当第2四半期連結累計期間は、「戦略分野」14.7%、「自動車排ガス浄化触媒」65.9%、「基盤分野」19.4%、売上高16,900百万円となりました。また、2022年10月28日に公表いたしました通期の連結業績予想では、売上高36,200百万円を見込んでおります。
分野
用途
戦略分野
半導体・エレクトロニクス(電子部品、光学、半導体など)エネルギー(二次電池、燃料電池、水素関連など)ヘルスケア(歯科材料など)
自動車排ガス浄化触媒
自動車排ガス浄化触媒、酸素センサー
基盤分野
工業用触媒、構造部材、耐火物、ブレーキ、ブレージング、表面処理、関連事業
(2) 財政状態の分析①資産、負債及び純資産の状況 当第2四半期連結会計期間末における総資産は66,495百万円で、前連結会計年度末に比べ8,452百万円増加しました。これは主に、原材料及び貯蔵品の増加(2,530百万円)、有形固定資産の増加(2,449百万円)、現金及び預金の増加(1,244百万円)によるものです。 当第2四半期連結会計期間末における負債は30,966百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,739百万円増加しました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加(4,506百万円)によるものです。 当第2四半期連結会計期間末における純資産は35,529百万円で、前連結会計年度末に比べ3,713百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加(3,219百万円)によるものです。 この結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末53.7%から52.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが997百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが1,841百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが3,695百万円の収入となり、これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)残高は、前連結会計年度末に比べ1,750百万円増加し、10,084百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、得られた資金は997百万円(前年同期比は2,619百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益5,243百万円、棚卸資産の増加3,395百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、使用した資金は1,841百万円(前年同期比は1,664百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,029百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、得られた資金は3,695百万円(前年同期比は952百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,793百万円、長期借入金の返済による支出1,620百万円、配当金の支払額239百万円によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は524百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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