【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間末日現在において連結会社が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況連結会社は「デンソーグループ2030年長期方針」を策定し、「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい。」というスローガンの下、「環境」「安心」への企業活動を通じた社会課題の解決と、社会から「共感」していただける新たな価値の提供を通じて、笑顔広がる持続的社会の実現を目指しています。足元では、車両の減産や、部品費・材料費の高騰などの厳しい外部環境状況が続く中、経営基盤や財務体質の強化、「環境」「安心」を軸にした成長戦略の立案に取り組み、仕事のデジタル化による効率化や事業ポートフォリオの組換えによるリソーセス適正化など成果が出始めています。こうした活動を定着させるとともに、従来の強みを活用した製品やソリューションの提供など新たな価値創造への取り組みを進め、事業成長と社会課題の解決を両立させ更なる発展に努めていきます。
当第3四半期連結累計期間の業績は、中国での新型コロナウイルス感染症の拡大や、半導体不足等の影響があるものの、対前年では車両生産は回復途上であること、また、電動化等の注力領域を中心とした拡販の実現や、為替の円安傾向もあり、売上収益は、4兆6,357億円(前年同四半期比6,266億円増、15.6%増)と増収になりました。営業利益は、電子部品を中心とした部材費、物流費の高騰等、外部環境の影響があるものの、車両生産の回復や拡販効果、為替差益、合理化・変動対応力の強化等により、2,679億円(前年同四半期比117億円増、4.6%増)、税引前四半期利益は、2,982億円(前年同四半期比16億円増、0.5%増)、四半期利益は、2,166億円(前年同四半期比50億円増、2.3%増)といずれも増益となりました。また親会社の所有者に帰属する四半期利益については、1,978億円(前年同四半期比44億円増、2.3%増)と増益になりました。
セグメント別の業績については、車両生産の回復や拡販に加え、為替の円安効果もあり、すべての地域で前年比増収となりました。日本では半導体不足による減産影響があったものの、円安もあり売上収益は2兆6,917億円(前年同四半期比1,016億円増、3.9%増)と増収、営業利益は環境悪化に対する費用低減と価格反映を進め1,467億円(前年同四半期比26億円増、1.8%増)となりました。北米地域の売上収益は1兆822億円(前年同四半期比2,396億円増、28.4%増)と増収になりましたが、物流費や材料費の高騰の影響が大きく、合理化努力はあったものの、150億円の営業損失(前年同四半期は営業損失19億円)となりました。欧州地域は車両生産の回復により売上収益は4,907億円(前年同四半期比833億円増、20.5%増)、営業利益は合理化や価格反映が進展し91億円(前年同四半期比58億円増、173.0%増)となりました。アジア地域は、売上収益はASEANを中心とした増収により1兆4,695億円(前年同四半期比2,890億円増、24.5%増)、営業利益は、部材費・物流費高騰、構造改革費用等あるものの1,135億円(前年同四半期比85億円増、8.1%増)と増益になりました。その他地域は、売上収益は768億円(前年同四半期比230億円増、42.7%増)と増収、営業利益は154億円(前年同四半期比38億円増、32.3%増)と増益になりました。
当第3四半期連結会計期間末の資産については、その他の金融資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ3,485億円減少し、7兆837億円となりました。負債については、繰延税金負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,935億円減少し、2兆7,492億円となりました。資本については、有価証券の評価時価の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,550億円減少し、4兆3,346億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況① キャッシュ・フローの状況現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、営業活動により3,882億円増加、投資活動により2,638億円減少、財務活動により3,284億円減少等の結果、当第3四半期連結会計期間末は前連結会計年度末と比べ1,777億円減少し、6,902億円となりました。営業活動により得られた資金は、前年同四半期の2,471億円に対し、3,882億円となり、1,411億円増加しました。この増加は、前年同四半期と比べ運転資金が1,425億円増加したこと等によるものです。投資活動により使用した資金は、前年同四半期の2,050億円に対し、2,638億円となり、588億円増加しました。この増加は、有形固定資産の取得による支出が191億円増加したこと等によるものです。財務活動により使用した資金は、前年同四半期の1,632億円に対し、3,284億円となり、1,652億円増加しました。この増加は、社債の償還による支出が300億円増加した他、配当金の支払いが169億円増加したこと等によるものです。当第3四半期連結累計期間における有形固定資産の取得額は、前年同四半期の2,431億円から7.9%増加し、2,622億円となりました。この増加は、注力分野への投入強化と規律ある事業運営を両立しながら投資を推進したことによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源及び資金の流動性について、連結会社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としています。 当第3四半期連結会計期間は、連結会社の運転資金及び設備投資資金について、自己資金及び借入・社債発行による資金を充当しました。連結会社の資本的支出は、生産拡大対応、次期型化、新製品切替及び新製品開発のための研究開発投資を重点的に推進する予定であり、その財源は、上記基本方針に従ったものとする予定です。連結会社は、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力等により、連結会社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、連結会社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における研究開発費は385,629百万円(資産計上分含む)です。なお、当第3四半期連結累計期間において、連結会社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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