【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績当連結会計年度の業績は、売上高は199億36百万円(前年同期比12.2%減)、営業利益は17億57百万円(前年同期比37.9%減)、経常利益は16億93百万円(前年同期比40.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億99百万円(前年同期比44.0%減)となりました。売上高は、Synopsys社との販売代理店契約終了の影響により減収となりました。営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、減収の影響により減益となりました。なお、当社グループでは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益、その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。
また、当連結会計年度より、報告セグメントの名称及び区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいております。詳細は、2022年5月11日公表の「報告セグメントの変更に関するお知らせ」をご参照ください。
各セグメントの経営成績は、次のとおりです。(シミュレーションソリューションサービス事業)国内では、主力製品であるマルチフィジックス解析ツールは、保守契約の更新が堅調に推移いたしました。また、サービスは、設計業務の解析支援に関するエンジニアリングサービスやAIやAR関連のエンジニアリングサービス等が好調に推移しました。しかし、Synopsys社との販売代理店契約終了の影響が大きく、減収となりました。 海外では、販売子会社はSynopsys社との販売代理店契約終了の影響により、減収となりました。開発子会社ではSTEM※コンピューティング・プラットフォーム、公差解析マネジメントツールの販売と技術サポートサービスが、売上高・セグメント利益に寄与しております。※STEM:Science Technology Engineering and Mathmatics (科学、技術、工学、数学)という総合的な分野の総称。以上の結果、売上高は157億84百万円(前年同期比15.5%減)、営業利益は26億28百万円(前年同期比35.6%減)となりました。
(ITソリューションサービス事業)市場における在宅勤務(テレワーク)等の新しい働き方の定着・浸透に伴い、ゼロトラストセキュリティ実現のための基本要素である次世代型エンドポイントセキュリティの販売が好調に推移いたしました。また、クラウド環境向けセキュリティソリューションの販売が好調に推移いたしました。以上の結果、売上高は41億52百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は5億25百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
仕入、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。
①仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
シミュレーションソリューションサービス事業
5,945,970
△22.4
ITソリューションサービス事業
2,863,777
3.9
合計
8,809,747
△15.5
(注)1.金額は、仕入価格によっております。2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
シミュレーションソリューションサービス事業
16,177,920
△12.9
5,454,445
△0.2
ITソリューションサービス事業
4,307,477
△0.3
2,597,599
21.2
合計
20,485,398
△10.5
8,052,044
6.2
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
シミュレーションソリューションサービス事業
15,784,926
△15.5
ITソリューションサービス事業
4,151,478
3.5
合計
19,936,405
△12.2
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、241億55百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億84百万円増加しました。流動資産は222億31百万円と、前連結会計年度末比7億5百万円増加しました。主として、親会社とのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)契約の終了により短期貸付金が減少し、収益認識会計基準等の適用に伴って受取手形、売掛金及び契約資産(売掛金)が減少した一方で、現金及び預金、有価証券が増加したことに加えて収益認識会計基準等の適用に伴って前渡金が増加したことによるものです。固定資産は19億24百万円と、前連結会計年度末比1億79百万円増加しました。主として、社内利用ソフトウエアへの設備投資により、無形固定資産におけるその他(ソフトウエア)が増加したことによるものです。負債は、94億5百万円となり、前連結会計年度末に比べて18億67百万円増加しました。流動負債は83億59百万円と、前連結会計年度末比18億87百万円増加しました。主として、未払法人税等、賞与引当金が減少した一方で、収益認識会計基準等の適用により、前受金が増加したことによるものです。固定負債は10億46百万円と、前連結会計年度末比19百万円減少しました。純資産は、147億49百万円となり、前連結会計年度末に比べて9億82百万円減少しました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方で、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の利益剰余金の期首残高が減少したこと、及び剰余金の配当によるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.3から60.3%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物は127億50百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億10百万円増加しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、7億73百万円のプラスとなりました(前年同期比12億33百万円減)。主に、税金等調整前当期純利益及び売上債権の減少を計上した一方で、法人税等の納税、賞与支給に伴う賞与引当金の減少及び仕入債務の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、6億54百万円のプラスとなりました(前年同期比25百万円増)。主に、有価証券の取得による支出を計上した一方で、親会社とのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)契約の終了に伴う親会社への貸付金の回収によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、13億21百万円のマイナスとなりました(前年同期比4億48百万円減)。自己株式取得による支出及び配当金の支払によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの資金需要は、運転資金のほか、ソフトウエア開発費用、企業価値向上への貢献が見込める成長分野への事業投資等があります。これらの資金需要に対しては、自己資本または必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施致します。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は127億50百万円となり、当社グループの事業活動を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。なお、当連結会計年度において、親会社とのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)契約を終了しております。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2018年12月期
2019年12月期
2020年12月期
2021年12月期
2022年12月期
自己資本比率(%)
66.3
64.7
64.2
66.3
60.3
時価ベースの自己資本比率(%)
89.9
131.7
136.9
98.0
129.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
-
-
-
-
-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
-
-
-
-
-
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算定しております。 3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。 4.有利子負債は該当ありません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、繰延税金資産の回収可能性等の資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているため、これらの見積及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。繰延税金資産の回収可能性については、最新の中期経営計画、タックス・プランニング等に基づいて将来の課税所得を見積もった上で、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかにより判断しております。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しておりますので、記載は省略しております。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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