【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種が浸透し、行動制限や水際対策の緩和など、正常な経済活動が戻りつつあります。一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の上昇や、外国為替市場での急激な円安・ドル高による影響で、景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが属するセキュリティ業界においては、ランサムウェア・Emotetに加え、キーボード操作などから機密情報を窃取する遠隔操作型のマルウェアであるAgent Tesla等、多様化するサイバー攻撃被害が激化していることを背景としてセキュリティ製品に対する需要が拡大しており、大規模企業のみならず、相対的にセキュリティ対策が遅れている中堅・中小企業においても新規導入需要が拡大しております。さらに、昨今のサイバー攻撃が高度化しており、マルウェアの侵入経路はVPNの脆弱性やリモートデスクトップ、Webアクセス、メール経由など多岐にわたります。このようなサイバー攻撃からの被害を最小化するために、SOC(Security Operation Center)やEDR(Endpoint Detection and Response)といったインシデントの検知や対応を行う重要性が高まっていることを受け、当社は、人材の確保やセキュリティコストへの課題を抱えているお客様向けに低コストでインシデントの迅速な検知を実現する新オプション「i-FILTER@Cloud Dアラート発信レポートサービス」の提供を開始いたしました。また、昨今は未知の脅威や悪性ファイルだけでなく、メールなどからフィッシングサイトに誘導するフィッシングの被害も増加しております。フィッシングサイトは金融機関や通販などのWebサイトを模倣しており、判別は非常に困難であります。このようなフィッシングサイトの脅威を防ぐため、弊社独自の技術により安全性を確認したURLのみ認証情報の送信を許可し、安全性を確認できなかったWebサイトへの認証情報の送信をブロックする「クレデンシャルプロテクション」機能を「i-FILTER@Cloud」に新しく追加する等、総合セキュリティメーカーへ向けて、顧客ニーズを追求し、製品の付加価値を向上させる様々な施策を行っております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は7,658百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益は3,228百万円(同6.7%増)、経常利益は3,241百万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,235百万円(同7.4%増)となりました。
各市場の業績は次の通りです。
企業向け市場企業向け市場においては、トータルセキュリティニーズへの対応として「i-FILTER」及び「m-FILTER」それぞれにアンチウイルス機能やサンドボックス機能などの新機能を追加したことにより新規案件を獲得しました。また、PPAP(ファイルをパスワード付きZIPファイルにしてメールで送付し、パスワードを別送するファイルのやり取り)対策やEmotet等の標的型攻撃に対応した機能が評価され、「m-FILTER」を順調に拡販することができました。加えて、セキュリティコンサルティングサービスを提供している子会社デジタルアーツコンサルティングが、企業のサイバーセキュリティとDXにおけるコンサルティング需要の高まりを受けて、新規顧客の獲得を進め、売上高が増加しました。以上の結果、企業向け市場の売上高は、3,847百万円(前年同期比15.5%増)となりました。
公共向け市場公共向け市場においては、前期以前から続く「GIGAスクール構想」案件の売上計上及び当期より本格化している自治体向けのセキュリティ対策強化に対応したソリューションの提案に注力した結果、地方自治体の受注獲得が好調に推移し、「i-FILTER」、「m-FILTER」の売上高が増加しました。以上の結果、公共向け市場の売上高は、3,482百万円(前年同期比15.1%増)となりました。
家庭向け市場家庭向け市場においては、携帯電話事業者やMVNO事業者等との連携、1つのシリアルIDで複数OSでの利用が可能な「i-フィルター for マルチデバイス」の販売に注力しました。以上の結果、家庭向け市場の売上高は、327百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ498百万円増加し、19,840百万円となりました。これは主として、現金及び預金が299百万円、受取手形及び売掛金が209百万円それぞれ増加したことによるものであります。当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ688百万円減少し、6,492百万円となりました。これは主として、前受金が357百万円、未払法人税等が331百万円それぞれ減少したことによるものであります。当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,187百万円増加し、13,347百万円となりました。これは主として、配当金の支払いによる減少を上回る親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は18百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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