【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるエンターテイメント業界は、国内家庭用ゲーム市場におきましては、大型人気タイトルの発売に牽引され、また、ゲーム機本体の品薄に解消の兆しが見られたことで、ハード・ソフトともに前年の市場規模を大きく上回り、好調に推移いたしました。モバイルゲーム市場におきましては、新規参入タイトルにおいて一部ヒット作品が出ましたが、市場が成熟する中、既存タイトルを含めた厳しい競争環境が続いています。国内アミューズメント市場におきましては、プライズ(景品)ゲームを中心に好調に推移し、コロナ禍以前の水準まで市場規模が回復いたしました。音楽映像市場におきましては、巣ごもり需要の縮小により動画配信サービス間の競争が激化いたしました。しかしながら、国内で新規参入サービスの提供が開始されるなど、依然として動画配信市場の拡大が続いています。ライブエンターテイメント市場におきましては、新型コロナウイルス第8波による感染者増加により、公演関係者の感染に伴う公演中止が再度発生し、引き続き厳しい市場環境となりました。
このような状況下、当社グループは、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において様々なデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とした総合エンターテイメント企業として、強力なIPの確立に向けたブランディング戦略・アライアンス戦略・グローバル戦略を積極的に推進し、話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)の経営成績は、売上高18,412百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益3,176百万円(前年同期比20.7%減)、経常利益3,509百万円(前年同期比16.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,410百万円(前年同期比17.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
a.デジタルコンテンツ事業
当事業のコンシューマ部門におきましては、2021年にNintendo SwitchTM向けに発売した『No More Heroes 3』のPlayStation®4/PlayStation®5版、Xbox Series X|S/Xbox One版、Steam®版を10月に発売いたしました。しかしながら、タイトルのラインナップ不足に加え、巣ごもり需要の縮小や経済環境の悪化による欧米市場の販売減により、売上・利益ともに減少いたしました。
オンライン部門におきましては、2022年10月20日に配信を開始した、「閃乱カグラ」シリーズ等を展開する「HONEY PARADE GAMES(ハニーパレードゲームス)」ブランドのスマートフォン向け新作タイトル『ドルフィンウェーブ』が順調に立ち上がり、好調に推移いたしました。また、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』や『ブラウザ三国志』といった長期運営タイトルにおきましても、経年により売上が減少しつつも、堅調に推移いたしました。一方、一部の既存タイトルについては、想定していた収益が見込めないと判断し、評価減を実施いたしました。
この結果、当事業の売上高は10,266百万円(前年同期比9.4%減)、セグメント利益は1,635百万円(前年同期比53.1%減)となりました。
b.アミューズメント事業
当事業におきましては、主力であるキッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』において、2022年9月15日より稼動を開始した「ダブルチェイン2弾」が好調に推移いたしました。また、2022年11月22日より、新弾「ダブルチェイン3弾」の稼動を開始いたしました。海外展開の『ポケモンガオーレ』におきましては、一部地域で新型コロナウイルスによる影響があったものの、その他の地域におきましては順調に推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は6,047百万円(前年同期比28.5%増)、セグメント利益は2,328百万円(前年同期比60.7%増)となりました。
c.音楽映像事業
当事業の音楽映像制作部門におきましては、プリキュアシリーズのライブコンサート『デリシャスパーティ♡プリキュア LIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡』を2022年10月に開催いたしました。また、『遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!』、『デリシャスパーティ♡プリキュア』、『アオアシ』等のTVアニメ作品のパッケージ商品化を行いました。
ステージ制作部門におきましては、「歌劇『桜蘭高校ホスト部』」、「PERSONA5 the Stage」の最新作公演に加え、新規作品として「『ダイヤのA』The MUSICAL」、「音楽劇『まほろばかなた』」の公演を実施いたしました。また、「ミュージカル『新テニスの王子様』」と「ミュージカル『薄桜鬼』」のライブ公演も実施いたしました。しかしながら、新型コロナウイルス第7波の影響を大きく受けた時期の公演が当四半期計上となり、公演関係者の感染による一部公演の中止等の影響により、売上・利益ともに大きな打撃を受けました。一方、当期第1四半期において、コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金等を計上したことで、前年同期比で減収増益となりました。
この結果、当事業の売上高は2,099百万円(前年同期比28.0%減)、セグメント利益は394百万円(前年同期比189.9%増)となりました。
②財政状態の分析
当社グループの当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、資産37,842百万円(前連結会計年度末比1,311百万円増)、負債8,164百万円(前連結会計年度末比606百万円増)、純資産29,678百万円(前連結会計年度末比704百万円増)となりました。
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、売掛金、棚卸資産の増加等により28,609百万円となり、前連結会計年度末に比べ503百万円増加いたしました。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、無形固定資産の増加等により9,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ808百万円増加いたしました。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、買掛金、未払金の増加等により7,825百万円となり、前連結会計年度末に比べ682百万円増加いたしました。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、役員株式給付引当金の減少等により338百万円となり、前連結会計年度末に比べ76百万円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度の配当による利益剰余金の減少があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益2,410百万円を計上したこと等により29,678百万円となり、前連結会計年度末に比べ704百万円増加いたしました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、デジタルコンテンツ事業327百万円、アミューズメント事業63百万円、音楽映像事業18百万円、総額は409百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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