【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染防止と経済活動の両立が進み、経済活動は活性化の動きが見受けられました。一方で、電子部品の需給逼迫や原材料価格の高騰、急激な為替の変動等、先行き不透明な状況が継続いたしました。また、海外におきましても、電子部品の需給逼迫、原材料価格の高騰、高インフレ、金利上昇等、先行き不透明な状況が継続いたしました。
①財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は686億9千6百万円(前連結会計年度末694億5千3百万円)となり7億5千6百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が103億4千2百万円減少、棚卸資産が63億円増加、土地が25億9千万円増加したことによるものです。
負債は114億6千5百万円(前連結会計年度末135億2千3百万円)となり20億5千8百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が15億3千万円減少、未払費用が11億6千8百万円減少、賞与引当金が5億9千9百万円増加したことによるものです。
純資産は572億3千1百万円(前連結会計年度末559億2千9百万円)となり13億2百万円増加いたしました。これは主に、為替換算調整勘定が8億3千6百万円増加、利益剰余金が2億7千5百万円増加したことによるものです。
②経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は364億9千9百万円(前年同四半期連結累計期間比4.0%減)、営業利益は22億6百万円(同52.9%減)、経常利益は24億5千4百万円(同50.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、18億4千3百万円(同52.2%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
会社名
日本
アイホン株式会社
北米
アイホンコーポレーション
欧州
アイホンS.A.S.、アイホンUK
タイ
アイホンコミュニケーションズ(タイランド)
ベトナム
アイホンコミュニケーションズ(ベトナム)
その他
アイホンPTY、アイホンPTE.
(日本セグメント)
国内の住宅市場につきましては、戸建住宅におきまして、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数全体が前年同期から減少するとともに、部品の供給不足による主力テレビドアホンの供給制限が継続したことから、売上は大幅に減少いたしました。リニューアルではワイヤレステレビドアホンシリーズの販売は引き続き好調に推移したものの、その他のテレビドアホンにおいては部品の供給不足が大きく影響したことにより、量販店等への売上は大幅に減少いたしました。この結果、戸建住宅市場全体といたしましては、売上は大幅に減少いたしました。
集合住宅におきましては、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が前年同期から増加する中、賃貸マンション向け主力商品の販売が好調に推移いたしました。しかしながら、昨年度の当社への一時的な需要の増加が終息し市場競争環境の正常化が進んだことにより、売上は前年同期から減少いたしました。一方、リニューアルでは部品の供給不足による一部商品の供給制限が継続し、分譲マンション、賃貸マンションともに売上が大幅に減少いたしました。この結果、集合住宅市場全体といたしましては、売上は大幅に減少いたしました。
ケア市場につきましては、新築では病院や高齢者施設等の着工数は減少傾向が継続する中、これまでの受注活動が奏功し病院や高齢者住宅への販売が好調に推移したことにより、売上は増加いたしました。リニューアルでは部品の供給不足により一部商品に供給制限が継続しているものの、ソリューション提案活動による病院等への販売が好調に推移したことにより、売上は大幅に増加いたしました。この結果、ケア市場全体といたしましては、売上は大幅に増加いたしました。
業務市場につきましては、引き続き鉄道の駅等の「省人化・無人化」の需要が増加傾向であるとともに、物流施設の設備投資が堅調に推移したことにより、IPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移いたしました。この結果、業務市場全体といたしましては、売上は増加いたしました。
これらの結果、日本セグメントの売上高は317億6千2百万円(前年同四半期連結累計期間比5.4%減)となりました。また、営業利益につきましては、円安の影響や経費増加等もあり13億8千2百万円(同62.1%減)となりました。
(北米セグメント)
アメリカの販売子会社であるアイホンコーポレーションにつきましては、集合住宅市場におきまして住宅ローン金利の上昇に伴い、売上の基盤である中古住宅市場が大きく低迷したことにより、販売は大きく減少いたしました。しかしながら、学校案件等の業務市場におきましては部品の供給不足により主力テレビドアホンに供給制限が生じたものの、IPネットワーク対応インターホンシステムの堅調な需要を背景に積極的な営業活動を進めたことにより、販売は増加いたしました。
これらの結果、北米セグメントの売上高は70億2千5百万円(前年同四半期連結累計期間比22.9%増)となりました。また、営業利益につきましては、インフレに伴う経費の増加やグループ間取引価格の変更の影響等もあり1億7千5百万円(同59.1%減)となりました。
(欧州セグメント)
フランスの販売子会社であるアイホンS.A.S.につきましては、集合住宅市場におきましてコロナ禍からの市況の回復に伴い、販売は好調に推移いたしました。しかしながら、戸建住宅市場におきまして部品調達が一部で回復傾向となったことに伴い、徐々に商品供給も増加したものの、上半期の商品の供給制限が大きく影響したことから、販売は大幅に減少いたしました。また、業務市場におきましてもコロナ禍からの市況の回復は見られるものの、一部商品の供給制限が長引くなど販売に大きく影響が生じた結果、売上は減少いたしました。
イギリスの販売子会社であるアイホンUKにつきましても、一部商品の供給制限が大きく影響し、戸建住宅市場、業務市場の販売が減少したことにより、売上は大幅に減少いたしました。
これらの結果、欧州セグメントの売上高は27億7千2百万円(前年同四半期連結累計期間比9.6%減)となりました。また、営業損失につきましては、売上高の減少等もあり3千5百万円(前年同四半期連結累計期間は営業利益6千8百万円)となりました。
(タイセグメント)
当社グループ向けの製品等を生産・出荷している生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(タイランド)につきましては、電子部品等の供給が回復傾向となったことにより、第3四半期は前年同期並みに生産いたしました。しかしながら、上半期における部品の供給不足が大きく影響したことにより、累計生産量は前年同期を大きく下回りました。
これらの結果、タイセグメントの売上高は、為替の影響により64億9千5百万円(前年同四半期連結累計期間比13.0%増)となりました。また、営業利益につきましては、2億9千2百万円(同18.0%増)となりました。
(ベトナムセグメント)
当社グループ向けの製品等を生産・出荷している生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(ベトナム)につきましては、電子部品等の供給が回復傾向となったことにより、第3四半期は大幅に増産いたしました。しかしながら、上半期における部品の供給不足が大きく影響したことにより、累計生産量は前年同期を下回りました。
これらの結果、ベトナムセグメントの売上高は、為替の影響により55億2千2百万円(前年同四半期連結累計期間比24.9%増)となりました。また、営業利益につきましては、グループ間取引価格の変更の影響等もあり3億5千2百万円(同83.9%増)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない販売子会社といたしまして、オーストラリアの販売子会社であるアイホンPTYにつきましては、引き続き部品の供給不足による一部商品の供給制限の影響はあるものの、集合住宅市場を中心に新商品等の販売が好調に推移し、売上は大幅に増加いたしました。
シンガポールの販売子会社であるアイホンPTE.につきましても、引き続き一部商品に供給制限が生じたものの、コロナ禍における営業活動の規制が緩和されたことにより集合住宅市場を中心に販売が好調に推移し、売上は大幅に増加いたしました。
これらの結果、セグメントに含まれない販売子会社におきましては、売上高は8億5千5百万円(前年同四半期連結累計期間比24.3%増)となりました。また、営業利益につきましては、7千8百万円(同265.0%増)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、23億2千6百万円であります。