【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、世界的な政情の悪化、資源価格の高騰や、アメリカの金融引き締め等に伴う急速な円安の進行等から物価高が顕在化しており、景況の回復が続いているものの、個人消費動向や企業収益における不確実性が高い状況となっております。新型コロナウイルス感染症については、夏季に感染者数の増加はあったものの社会活動への影響は限定的でした。インターネット業界においては、生成AIやそのビジネス利用が注目され、各種コンテンツ生成に加え、そのデジタルトランスフォーメーション(DX)における活用から関連市場が広がっております。
こうした環境下、当社グループは動画ソリューション事業において、各種イベントのインターネットライブ配信や、社内情報共有・教育等のオンデマンド動画配信ニーズに対応し、主力サービスである「ライブ中継サービス」や「J-Stream Equipmedia」、コンテンツ配信サービスに関連するシステム開発、運用受託等を中心に提供を進めました。
販売面においては、戦略市場を医薬業界のEVC(Enterprise Video Communication)領域、金融およびその他の業種のEVC領域、放送業界を中心としたOTT領域、と3区分して営業活動を展開しました。
EVC領域(医薬)においては、主力となるWeb講演会用途のライブ配信や、イベント実施に伴う集客や諸手配といった領域において、製薬企業のDX展開推進に伴う受注は継続しております。しかしながら、薬価改定への対応や円安に伴う日本市場の相対的な地位低下等の要因から、一部企業を除いて、注力の度合いがコロナ期に比べれば低下する傾向が継続しております。また、より効果測定を重視する傾向が全般に強まっております。当社の主要顧客である企業においても、予算の制限からライブイベントの絞り込みの動きがある一方、よりマーケティング効果を重視した広告、集客に関する需要の比率が高まる結果となりました。ライブ配信、関連するWEB制作、映像制作等のサービス全般を含めた、この領域全体での売上は、製薬企業を主顧客とする連結子会社を含め、前年には及ばない結果となりました。
EVC領域(医薬以外)においては、5月に実施された新型コロナウイルス感染症に関する制限緩和が、企業活動の各側面におけるリアルへの回帰を後押ししました。6月に需要が集中するバーチャル株主総会関連の売上については、新型コロナウイルス感染症に関する制限緩和に伴う実開催重視の動きと、各案件内における当社の実施業務範囲の縮小に伴い、想定を下回る結果となりました。各種情報の配信インフラとしての機能を持つ主力サービスである「J-Stream Equipmedia」や「J-Stream CDNext」等の事業インフラや、社内教育等向けの定常的な利用は底堅く推移しましたが、販売促進のためのウェブセミナーや、企業や団体内でのライブイベント等のスポット的利用に向けた需要に減退が見られ、これに伴い、ライブイベント実施やネットワーク流量に伴う売上も低調なものとなりました。同様の要因から、WEB制作、映像制作等の需要も低水準となりました。
OTT領域においては、放送業界におけるシステム開発、サイト運用や関連するWEB制作業務、配信ネットワーク売上が中心となりました。コロナ環境下での巣ごもり消費で根付いたネット視聴習慣や、視聴端末、動画配信サービスの普及を背景に、同領域におけるサービス開発には高い需要があります。当社グループにおいても、放送局のネット配信サービスメニューの拡充に伴うシステム開発や、前年度において大口のコンテンツ配信システム開発納品があった専門チャンネル事業者に対する運用サービス提供が継続的な売上要因となっており、この領域全体の売上は順調に推移しました。
費用面においては、売上連動で外注費が減少しました。足元の営業見通しを鑑み、採用計画を抑制したほか、その他の経費についても大幅な見直しを実施し、経費の節減を図っておりますが、前年同期比では人員、労務費ともに増加傾向は継続しています。販売費及び一般管理費については、業務の効率化等の削減策実施に伴い、前年同期比1%程度減少しました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、連結売上高5,581百万円(前年同期比5.5%減)、連結営業利益294百万円(前年同期比61.9%減)、連結経常利益309百万円(前年同期比59.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益152百万円(前年同期比66.9%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は9,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円減少いたしました。これは主に配当金支払及び子会社株式取得に伴う現金及び預金の減少によるものであります。固定資産は2,912百万円となり、前連結会計年度末に比べ509百万円増加いたしました。これは主にのれんの増加及びソフトウエアの取得等によるものであります。
この結果、総資産は12,464百万円となり、前連結会計年度末に比べ499百万円減少いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は1,626百万円となり、前連結会計年度末に比べ192百万円減少いたしました。これは主に未払金、未払法人税等が減少したことによるものであります。固定負債は145百万円となり前連結会計年度末に比べ67百万円減少いたしました。
この結果、負債合計は1,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ260百万円減少いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は10,692百万円となり、前連結会計年度末に比べ238百万円減少いたしました。これは主に配当金の支払により397百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益152百万円を計上したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前第2四半期連結会計期間末に比べ225百万円減少し、6,888百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、377百万円の収入(前年同期比45.4%減)となりました。これは主に法人税等の支払が273百万円あったものの、税金等調整前四半期純利益309百万円の計上、減価償却費301百万円の計上などの資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、885百万円の支出(前年同期比112.1%増)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出が432百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が453百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、454百万円の支出(前年同期比0.9%増)となりました。これは主に配当金の支払が396百万円、リース債務の返済による支出が34百万円あったことによるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当社グループでは、当社のプラットフォーム本部が中心となり、新サービス開発の前提となるソフトウエアや技術力のある企業の調査、実証実験、ネットワーク運用実験などを実施してまいりました。当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、18百万円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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