【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症関連では、第7波、第8波と感染の再拡大はあったものの、通勤通学等の移動需要は回復し、社会生活は平常化が進みました。一方で、ウクライナ情勢の悪化に伴う資源価格の高騰や、円安の進行等からスタグフレーションへの懸念が顕在化しており、個人消費動向や企業収益における不確実性が高い状況となっております。
インターネット関連業界においては、オフィス回帰の動きもあり、テレワークへの関心は相対的に低下したものの、コロナ環境下で広まったデジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドは継続しており、ビジネスモデルの変革や販売、効率化等、多くの側面においてデジタル化への関心は高い状態にあります。
こうした環境下、当社グループは動画ソリューション事業において、各種イベントのインターネットライブ配信や、社内情報共有・教育等のオンデマンド動画配信ニーズに対応し、主力サービスである「ライブ中継サービス」や「J-Stream Equipmedia」を中心に提供を進めました。主力である製薬業界のWEB講演会の他、バーチャル株主総会、社内情報共有の為の動画利用や、コンテンツビジネスを展開する企業等の需要に応える営業活動、技術開発を行いました。
販売面においては、戦略市場を、医薬業界のEVC(Enterprise Video Communication)領域、医薬以外の金融等各業種のEVC領域、放送メディア・コンテンツ業界を中心としたOTT領域と3区分して営業活動を実施しております。
EVC領域(医薬)においては、主力となるWeb講演会用途のライブ配信や、イベント実施に伴う集客や諸手配といった領域において、製薬企業のDX展開推進に伴う受注は継続しております。日本の医薬品市場の成長が諸国のそれを下回る状況が続いている中、主力顧客の販売促進活動のペースダウンが影響し、累計では前年同期に及ばない結果となりました。しかしながら、イベントが多く行われる時期にあたり、繁忙期である第3四半期連結会計期間においては、新たに営業開拓を進めた顧客を含めて、前年同期を大きく上回る受注が得られました。
EVC領域(医薬以外)においては、販売促進用途の売上は、コロナ禍沈静化に伴うリアルイベントの増加に伴い前年同期比若干減少しました。バーチャル株主総会関連は、集中期である第1四半期連結会計期間において、想定には及ばない水準ではありましたが取扱件数が増加しました。その他、金融企業向けウェブ開発案件の大口受注があった他、学会のライブ配信を含む情報共有目的の動画利用が安定して推移した結果、この領域は前年同期を上回る推移となりました。
OTT領域においては、放送業界におけるコンテンツ配信向けシステム開発、ウェブサイト運用や関連するWEB制作業務、配信ネットワーク売上が中心となりました。第3四半期連結会計期間においては、専門チャンネル事業者向けのシステム開発や、放送局向けシステム開発において大口の納品を実施しました。加えて連結子会社においても放送局向けに大口の機器売上があり、累計でも前年度を上回る水準の推移となりました。
費用面においては、サービス開発推進に伴い業務委託費用支出が増加した他、システム開発系の売上が増加したことに伴い外注費が若干増加しました。開発体制充実のための社内制度の充実と採用施策の強化を継続的に行っており、従業員増に伴い労務費や求人費が増加しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、連結売上高9,413百万円(前年同期比0.0%減)、連結営業利益1,354百万円(前年同期比18.5%減)、連結経常利益1,341百万円(前年同期比19.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益829百万円(前年同期比21.0%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は10,353百万円となり、前連結会計年度末に比べ149百万円増加しました。これは主に現金及び預金が減少したものの、預け金、仕掛品、その他に含まれる前払費用の増加によるものであります。
固定資産は2,392百万円となり、前連結会計年度末に比べ155百万円増加しました。これは主にソフトウェア及び投資有価証券の増加によるものであります。
この結果、総資産は12,745百万円となり、前連結会計年度末に比べ305百万円増加しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,647百万円となり前連結会計年度末に比べ178百万円減少しました。これは主に未払法人税等の減少によるものです。固定負債はリース債務の減少等により230百万円となり前連結会計年度に比べ11百万円減少しました。
この結果、負債合計は1,878百万円となり、前連結会計年度末に比べ190百万円減少しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は10,867百万円となり、配当金の支払により372百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益829百万円計上したこと等により前連結会計年度末に比べ495百万円増加しました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社グループでは、当社のプラットフォーム本部が中心となり、新サービス開発の前提となるソフトウェアや技術力のある企業の調査、実証実験、ネットワーク運用実験などを実施してまいりました。当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、47百万円となりました。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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