【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4~9月)におけるわが国経済は、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。先行きについては、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に留意する必要があるものと考えられます。
当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の主な事業分野である携帯電話等販売市場では、スマートフォン価格の高騰等により端末の買い替えサイクルが長期化しております。また、一部の通信事業者においてはキャリアショップの最適化を進めております。
一方で、通信事業者が提供する通信サービスは、5Gへの移行が進んでおります。スマートフォンは単なる通信機器ではなく、金融、決済、エンターテイメントなどの各種サービスと連携することで、お客様一人ひとりのスマートライフの実現に重要な役割を担っております。このように、当社をはじめ携帯電話等販売代理店業界においても、役割および競争環境が大きく変化しております。
このような事業環境において、当社グループは、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の全社戦略として掲げた「TG Universe(ティーガイア内エコシステム)の実現」および「TGマテリアリティ(8つの重要課題)への取り組み」を着実に進めております。モバイル事業に依存しないバランスの良い事業ポートフォリオへの変革を目指し、ソリューション事業、スマートライフ・クオカード事業を中心に、成長投資を積極的に行っております。
また、キャリアショップを中心に、店舗をお客様主体のビジネスモデルへ変革すべく、2023年4月にプロジェクト組織を発足させました。これを足掛かりに全事業の横連携を促進し、「店舗でのスマートライフ関連サービスの提供」、「中小企業向けDX支援」、「自治体との連携」に取り組んでおります。これまでの物販中心の考え方(プロダクトアウト)から、コンシューマ向け事業および法人顧客向け事業ともに、お客様のご要望に沿ったサービスを提供する考え方(マーケットイン)へ転換していくことで、収益拡大を目指しております。
当社グループの当第2四半期連結累計期間における業績につきましては、売上高は2,028億50百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は25億74百万円(同29.1%減)、経常利益は43億56百万円(同22.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28億40百万円(同31.4%減)となりました。
減収減益の主な要因は、スマートフォン等の回線契約数(以下、「回線契約数」といいます。)減少による受取手数料の減収、インボイス対応一時費用およびシステム投資に伴う償却費の増加であります。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
モバイル
事業
ソリューション
事業
スマートライフ・クオカード事業
その他
四半期
連結業績
売上高
168,667
(△4.8%)
19,388(7.2%)
14,776
(△16.1%)
18
(△49.6%)
202,850
(△4.7%)
親会社株主に帰属
する四半期純利益
1,382
(△13.9%)
331
(△72.4%)
1,105
(△11.8%)
21
(△73.7%)
2,840
(△31.4%)
<参考>営業利益 又は営業損失(△)
2,414
(11.3%)
585
(△54.2%)
△281
(-)
△143
(-)
2,574
(△29.1%)
※ %表示は、対前年同四半期増減率
(モバイル事業)
モバイル事業は、通信事業者各社が提供する通信サービスや各種コンテンツの契約取次とスマートフォン等の販売を行っております。当社グループの全国に広がる店舗は、単なる「販売拠点」ではなく、「地域のICT拠点」として、質の高いサービスとご要望に沿った利用価値の提案により、お客様に感動を体験していただく場となることを目指しております。
モバイル事業における回線契約数は、スマートフォン価格の高騰等による買い替えサイクルの長期化により、144.1万回線(前年同期比:9.2%減)となりました。一方で、当第2四半期会計期間において一部の通信事業者が新料金プランを発表したことなどにより、発表以前と比較して当社直営店舗の来店客数は回復基調にあります。
キャリアショップではリモートで初期設定サポートやスマートフォンの利用説明を行う「スマートオンラインサポート」を導入しており、当社業務の効率化および専門スタッフがお客様に応じたサポートを行うことによるお客様満足度の向上を図っております。また、前連結会計年度を通じて店舗の統廃合を行ったことに加え、ショッピングモールや近隣にキャリアショップがない遠隔地への出張販売等をより一層効果的に行うことで、販売費及び一般管理費を抑制しております。
独自商材については、ガラスコーティングやセキュリティ商材を中心に堅調に推移しており、営業利益の増益に貢献いたしました。
この結果、売上高は1,686億67円(前年同期比4.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億82百万円(同13.9%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益の減益要因には、前年同期に特別利益の計上を行った影響が含まれております。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、法人向けのスマートフォン等の販売や端末・回線管理サービス等のソリューションサービスの提供、法人・個人に対する光回線サービスの販売・契約取次を行っております。当社グループでは、パソコンまで含めたスマートデバイスの調達・提案、導入支援から、環境構築、保守、運用、アップデートまでの一連のライフサイクルの管理・サポートをLCM(Life Cycle Management)事業と呼称しており、お客様のご要望にワンストップで対応すべく、商材・サービスの拡充を行っております。
ソリューション事業における回線契約数は15.2万回線(前年同期比:2.8%減)となりました。また、スマートデバイス等の販売不振などにより、売上高および受取手数料が減収しておりますが、当社グループ全体で人財育成に取り組むなど営業力の強化を図るとともに、販路の拡大に注力しております。
LCM事業については、商材・サービスを拡充しており、回線管理サービス(movino star)やヘルプデスク等の管理ID数は前年同期を上回りました。また、エッジ機能を活用したネットワークの構築、運用保守等の新たな事業領域の提案に加え、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」を背景に、自治体営業にも引き続き注力しております。一方で、営業システムの機能拡充を行ったことにより、償却費等が前年同期に比して増加いたしました。
固定回線系商材においては、独自ブランドの光アクセスサービス「TG光」の累計保有回線数が堅調に推移しておりますが、販売不振等による売上高、受取手数料の減収を補うにはいたりませんでした。
この結果、売上高は193億88百万円(前年同期比7.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億31百万円(同72.4%減)となりました。
(スマートライフ・クオカード事業)
スマートライフ・クオカード事業は、全国の主要コンビニエンスストア等を通じての「PIN(プリペイドコード)」、「ギフトカード」および「スマートフォンアクセサリー」の販売等のほか、再生可能エネルギー、ヘルスケア、子ども向けICTスクール、eスポーツ等のESGに関連した事業を行っております。また、当社の連結子会社である㈱クオカードでは、「QUOカード」および「QUOカードPay」の発行・精算業務およびカード関連機器の販売ならびに保守業務等を行っております。
スマートライフ事業については、PIN・ギフトカードの取扱高は前年同期と比べ減少しました。ゲームや音楽・動画配信等の様々なデジタルコンテンツの需要は生活様式の変化に伴い落ち着きつつあります。コンビニエンスストア等を中心としたスマートフォンアクセサリーの卸売りについては、販売が堅調に推移しており、ウェアラブルディバイス「Fitbit」の販売も好調に推移いたしました。
また、2023年4月よりヨーロッパ渡航者向け、8月より台湾・東南アジア向けにデータ通信用 eSIM「VOYAGEESIM」(ヴォヤージーシム)の提供を開始するなど、新事業にも取り組んでおります。
クオカード事業については、「QUOカード」および「QUOカードPay」の発行高が前年同期に自治体向けの大型施策があった影響により前年同期に比して減少いたしました。2023年7月より大手コンビニエンスストアが「QUOカードPay」の加盟店に加わるなど、加盟店の拡大に努めております。また、サービスの普及と利便性の向上を目的に、2023年9月30日基準日の当社株主優待品の選択品目に「QUOカードPay」を追加いたしました。
この結果、売上高は147億76百万円(前年同期比16.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億5百万円(同11.8%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ41億43百万円減少し、1,962億77百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が16億97百万円、棚卸資産が29億4百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ14億5百万円減少し、442億42百万円となりました。これは主に連結の範囲の変更により投資有価証券が12億70百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ55億48百万円減少し、2,405億20百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ49億40百万円減少し、1,612億59百万円となりました。これは主にカード預り金が30億2百万円、買掛金が15億16百万円、未払金が12億57百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ15億45百万円減少し、34億36百万円となりました。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ64億85百万円減少し、1,646億95百万円となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ9億36百万円増加し、758億24百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益28億40百万円を計上し、剰余金の配当を20億97百万円支払ったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ114億45百万円減少し、459億52百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、48億18百万円(前年同四半期は157億98百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益を44億80百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、13億39百万円(前年同四半期は18億19百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12億85百万円、ソフトウエア等の取得による支出9億1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、40億29百万円(前年同四半期は129億68百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出19億59百万円、および配当金の支払額20億97百万円によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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