【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4~6月)におけるわが国経済は、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。先行きについては、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に留意する必要があるものと考えられます。
当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の主な事業分野である携帯電話等販売市場では、スマートフォン価格の高騰等により、端末の買い替えサイクルが長期化しております。また、一部の通信事業者においては中長期的にキャリアショップの統廃合を進める方針を掲げております。
一方で、通信事業者が提供する通信サービスは、5Gへの移行が進んでおります。スマートフォンは単なる通信機器ではなく、金融、決済、エンターテイメントなどの各種サービスと連携することで、お客様一人ひとりのスマートライフの実現に重要な役割を担っております。このように、当社をはじめ携帯電話等販売代理店業界においても、役割および競争環境が大きく変化しております。
このような事業環境において、当社グループは、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の全社戦略として掲げた「TG Universe(ティーガイア内エコシステム)の実現」および「TGマテリアリティ(8つの重要課題)への取り組み」を着実に進めております。モバイル事業に依存しないバランスの良い事業ポートフォリオへの変革を目指し、ソリューション事業、スマートライフ・クオカード事業を中心に、成長投資を積極的に行っております。
また、キャリアショップを中心に、店舗をお客様主体のビジネスモデルへ変革すべく、2023年4月にプロジェクト組織を発足させました。これを足掛かりに全事業の横連携を促進し、「店舗でのスマートライフ関連サービスの提供」、「中小企業向けDX支援」、「自治体との連携」に取り組んでおります。これまでの物販中心の考え方(プロダクトアウト)から、コンシューマ向け事業および法人顧客向け事業ともに、お客様のご要望に沿ったサービスを提供する考え方(マーケットイン)へ転換していくことで、収益拡大を目指しております。
当社グループの当第1四半期連結累計期間における業績につきましては、売上高は964億31百万円(前年同期比11.1%減)、営業利益は10億39百万円(同54.2%減)、経常利益は18億68百万円(同42.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億17百万円(同53.2%減)となりました。
減収減益の主な要因はモバイル事業におけるスマートフォン等の回線契約数(以下、「回線契約数」といいます。)減少による受取手数料の減収であります。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
モバイル
事業
ソリューション
事業
スマートライフ・クオカード事業
その他・
調整額
四半期
連結業績
売上高
79,569(△13.2%)
9,400(9.3%)
7,443(△9.5%)
18
(△16.0%)
96,431(△11.1%)
親会社株主に帰属
する四半期純利益
302(△71.4%)
153(△75.6%)
575(△12.0%)
85
(82.7%)
1,117(△53.2%)
<参考>営業利益
657
(△56.3%)
288
(△43.4%)
38
(△81.2%)
55
(2.6%)
1,039
(△54.2%)
※ %表示は、対前年同四半期増減率
(モバイル事業)
モバイル事業は、通信事業者各社が提供する通信サービスや各種コンテンツの契約取次とスマートフォン等の販売を行っております。当社グループの全国に広がる店舗は、単なる「販売拠点」ではなく、「地域のICT拠点」として、質の高いサービスとご要望に沿った利用価値の提案により、お客様に感動を体験していただく場となることを目指しております。
モバイル事業における回線契約数は、スマートフォン価格の高騰等による買い替えサイクルの長期化により70万回線(前年同期比:15.7%減)となりました。
店舗ではリモートで初期設定サポートやスマートフォンの利用説明を行う「スマートオンラインサポート」を導入しており、当社業務の効率化および専門スタッフがお客様に応じたサポートを行うことによるお客様満足度の向上を図っております。また、前連結会計年度を通じて店舗の統廃合を行ったことに加え、ショッピングモールや近隣にショップがない遠隔地への出張販売等をより一層効果的に行うことで、販売費及び一般管理費の抑制に努めております。
独自商材については、ガラスコーティングやセキュリティ商材を中心に堅調に推移しており、前年同期の実績を上回りましたが、回線契約数の減少に伴う受取手数料の減収を補うには至りませんでした。
この結果、売上高は795億69百万円(前年同期比13.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億2百万円(同71.4%減)となりました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、法人向けのスマートフォン等の販売や端末・回線管理サービス等のソリューションサービスの提供、法人・個人に対する光回線サービスの販売・契約取次を行っております。当社グループでは、パソコンまで含めたスマートデバイスの調達・提案、導入支援から、環境構築、保守、運用、アップデートまでの一連のライフサイクルの管理・サポートをLCM(Life Cycle Management)事業と呼称しており、お客様のご要望にワンストップで対応すべく、商材・サービスの拡充を行っております。
ソリューション事業における回線契約数は6.8万回線(前年同期比:3.9%減)となりました。
LCM事業については、商材・サービスを拡充しており、回線管理サービス(movino star)やヘルプデスク等の管理ID数は前年同期を上回りました。また、エッジ機能を活用したネットワークの構築、運用保守等の新たな事業領域の提案に加え、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」を背景に、自治体営業にも引き続き注力しております。一方で、営業システムの機能拡充を行ったことにより、償却費等が前年同期に比して増加しております。
固定回線系商材においては、独自ブランドの光アクセスサービス「TG光」の累計保有回線数が堅調に推移しております。
この結果、売上高は94億円(前年同期比9.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億53百万円(同75.6%減)となりました。
(スマートライフ・クオカード事業)
スマートライフ・クオカード事業は、全国の主要コンビニエンスストア等を通じての「PIN(プリペイドコード)」、「ギフトカード」および「スマートフォンアクセサリー」の販売等のほか、再生可能エネルギー、ヘルスケア、子ども向けICTスクール、eスポーツ等のESGに関連した事業を行っております。また、当社の連結子会社である㈱クオカードでは、「QUOカード」および「QUOカードPay」の発行・精算業務およびカード関連機器の販売ならびに保守業務等を行っております。
なお、2023年5月1日付「報告セグメントの変更に関するお知らせ」に記載のとおり、当第1四半期連結累計期間より、セグメント名称を変更しております。
スマートライフ事業については、PIN・ギフトカードの取扱高は前年同期と比べ減少しました。ゲームや音楽・動画配信等の様々なデジタルコンテンツの需要は落ち着きつつあります。コンビニエンスストア等を中心としたスマートフォンアクセサリーの卸売りについては、販売が堅調に推移しており、ウェアラブルディバイス「Fitbit」の販売も好調に推移しております。
また、2023年4月よりヨーロッパ渡航者向けデータ通信用 eSIM「VOYAGEESIM for Europe」(ヴォヤージーシム)の提供を開始するなど、新事業にも取り組んでおります。
クオカード事業については、「QUOカード」および「QUOカードPay」の発行高が前年同期に比べ増加しました。「QUOカードPay」は東京都の「東京都出産・子育て応援事業」にて、育児用品や子育て支援サービスの提供商品の一つとして採用されております。
この結果、売上高は74億43百万円(前年同期比9.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億75百万円(同12.0%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ55億50百万円減少し、1,948億69百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が41億12百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ11億3百万円減少し、445億45百万円となりました。これは主に連結の範囲の変更により投資有価証券が12億29百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ66億53百万円減少し、2,394億15百万円となりました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ50億9百万円減少し、1,611億90百万円となりました。これは主に未払金が22億81百万円、買掛金が20億80百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億40百万円減少し、42億40百万円となりました。これは主に長期借入金が9億30百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ57億50百万円減少し、1,654億30百万円となりました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ9億3百万円減少し、739億84百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益11億17百万円を計上し、剰余金の配当を20億92百万円支払ったことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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