【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、欧米を中心としたインフレの長期化や資源価格の高止まりなどから、不安定感が継続しております。また、中国においては不動産不況の深刻化など景気の減速感が色濃く、内需・外需ともに低迷しました。一方、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢に代表される地政学的なリスクはさらに高まり、サプライチェーンの混乱やさらなる資源価格の高騰、為替相場への影響などが懸念されております。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、スマートフォンなどを含む民生用機器や産業用機器を中心とした在庫調整が継続し、回復の時期については期初の情報よりも後倒しされ、当期末から来期を見込んでおります。また、ⅹEV化と電装化が進む自動車向けの需要は、一部で在庫調整の影響による生産の不安定感が残りながらも、比較的堅調に推移しております。
このような状況下、当社グループは世界的な需要拡大局面にあるパワー半導体用リードフレーム及び高度な金属と樹脂の複合加工技術を必要とするマイクロコネクタ用部品の生産技術力と、メッキ工程における技術力や生産能力の強化に特に注力し収益力の向上に努めて参りましたが、当社の参入市場における在庫調整の影響は想定以上に強く、長期間に亘るものとなりました。
a.財政状態
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億7千9百万円減少し、328億5千9百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億4千3百万円減少し、116億円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億6千3百万円増加し、212億5千8百万円となりました。
b.経営成績
当第2四半期連結累計期間の売上高は130億2千万円(前年同四半期比11.1%減)、営業利益は1億3千7百万円(同85.3%減)、経常利益は1億9千万円(同83.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8千7百万円(同88.7%減)となりました。
製品群別の業績は、次のとおりであります。
① パワー半導体用リードフレーム
当製品群は自動車向けや産業用機器向け及び民生用機器向けが主なものとなります。自動車向けではxEV化の進行やADAS技術の発展と普及による追い風を受けましたが、産業用機器向け及び民生用機器向けの在庫調整により成長は鈍化しました。その結果、当製品群の売上高は59億9千6百万円(前年同四半期比9.3%増)となりました。
② オプト用リードフレーム
当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。海外の交通インフラ向けや大型ディスプレイ向けなどが在庫調整局面に入ったことにより減少しました。その結果、当製品群の売上高は13億7千4百万円(同29.1%減)となりました。
③ コネクタ用部品
当製品群は、自動車向け、モバイル端末向けが主なものであります。スマートフォン向け及びウェアラブル端末向けの在庫調整が継続しました。その結果、当製品群の売上高は54億8百万円(同21.6%減)となりました。
④ その他
その他の製品群としては、リレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は2億4千1百万円(同25.3%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前第2四半期連結会計期間末に比べ3億2千1百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末には41億7千6百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8億9千7百万円(前年同四半期は11億3千7百万円の取得)となりました。これは主に売上債権の減少16億2千9百万円及び減価償却費の計上9億6千8百万円、棚卸資産の減少5億7千8百万円による資金増加、仕入債務の減少19億8千5百万円による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7億2千1百万円(前年同四半期は12億3千3百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出7億6千4百万円による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2億3千4百万円(前年同四半期は2億5千5百万円の使用)となりました。これは主に配当金2億4百万円の支払による資金の減少によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4千7百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループを取り巻く事業環境は、コスト面ではエネルギー価格をはじめとする物価の高騰と賃上げによる人件費の増加、需要面では中国の景気減速の影響を強く受けております。
当社グループのリードフレーム、コネクタ用部品の受注環境は依然として市場の長期的な成長トレンドの中にありますが、足下においては過年度のサプライチェーン混乱に起因する在庫調整が長期化しております。需給正常化の時期は期初の情報よりも後倒しされ、当期末から来期になるものと見込んでおります。当社業績の先行指標となる金型受注は非常に旺盛であり、金型製作部門の支援や量産移行後の生産体制強化が喫緊の課題となっていることから先行費用が発生しており、利益を押し下げる要因となっております。
このような環境下、当社グループは当社の強みである金属と樹脂の精密複合加工技術をベースとして過去の枠組みにとらわれない新たな顧客の開拓を積極的に行い、全社一丸となって収益の更なる向上に努めて参ります。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは生産活動に必要な運転資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては生産性向上のための機械装置等固定資産購入によるものであります。
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接現地金融機関等より調達を行っております。