【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年1月~6月)における日本国内の経済環境は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による経済活動の正常化に伴い、観光業や飲食業などが個人消費の回復を牽引しました。しかしながら、人手不足の問題の深刻化、資源価格や為替の変動による物価の上昇、人件費の高騰などが与える様々な価格への影響も懸念されており、社会全体が依然として先行きが不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは“We make people happy.”「アイスクリームを通じて、人々に幸せをお届けします。」を企業理念に、全てのお客様に高品質で美味しいアイスクリームと“FUN(楽しいこと、嬉しいこと、感動すること)”に満ちたひとときを提供し、日本で最も愛され親しまれるチェーンを目指すとともに、企業の継続的成長の維持と、企業価値の増大に努めております。また、引き続き、先ずお客様や従業員の安全を第一に考えた衛生管理の徹底として工場・店舗における感染防止に取り組むとともに、当社グループの長期経営計画(ブランドパワー強化・デジタル化・スマート31・販売拠点拡大)を推進しています。
<ブランドパワー強化>ブランドパワー強化として、お客様のデマンドに合わせたマーケティングを行う中、他業種では出来ないサーティワンらしいプロモーションを行いました。具体的には、毎月の「新作フレーバー」として専門店ならではの魅力的なアイスクリームを新発売し、選ぶ楽しさを提供するとともに、商品ラインナップを強化いたしました。また、お子様をターゲットにした「サーティワンパスポート」、日本上陸50周年を記念した「サーティワン BOX」、テイクアウト需要に応える「フレッシュパック」も「Happiness Box」と合わせて発売しました。さらに、当社同様に日本上陸50周年の「キットカット」とのブランドコラボレーションを実現しました。新店舗デザインでは「F1(Flavor 1st)」、「MOMENTS」導入による店舗イメージの刷新を進めるため、店舗の全面改装を74店実施し、新店舗を含め新デザインの導入店舗数を361店舗としました。また、新デザインのユニフォームも既に900店舗で導入しております。
<デジタル化>デジタル化施策としては、予約受付も取り入れたモバイルオーダーを推進するとともにPOSシステムのリニューアルも実施したことで、お客様の利便性向上に応えています。コミュニケーションツールの会員制アプリ「31Club」の会員数は、670万人を超えております。会員の購入額は売上全体の31%を占めており、会員でない方に比べ購入額も30%多くなっています。
<スマート31>スマート31施策として、サプライチェーン・マネジメントの最適化で昨今のコスト上昇を抑制しお客様がお買い求めし易い価格の維持に努めています。組織に関しては、引き続きリモートによる就業やペーパーレス、従業員福利厚生の拡充など働き方改革による最適化を行っています。また、オフィスや生産工場、そして店舗でも、エネルギーの効率的な使用に努めております。店舗においては、包装材料の見直しによるスプーンの軽量化を実施いたしました。
<販売拠点拡大>店舗戦略として、新規商業施設への出店強化を継続するとともに、立地や利用シーンの多様化に着目した持ち帰り専門店『To Go 専門店』を昨年3月に出店し、現在、主要都市を中心に10店舗出店しております。また、大学のカフェテリア、野球場や行楽地、水族館やサービスエリアへの出店など、消費者の購入機会を増やすよう積極的に取り組んだ結果、当四半期末販売拠点数は国内外合わせて1,347ヶ所と、前年同期末に比べ76ヶ所増加となっています。
当社グループにおける当第2四半期連結累計期間の売上高は、同期間過去最高の小売売上高を記録したことに牽引され、112億62百万円(前年同期比112.1%)となりました。売上原価は55億円(前年同期比116.4%)となりました。売上の大幅な伸びと原料費の高騰並びに円安の影響に伴う売上原価の増加がありましたが、サプライヤーと協同して品質を保ちつつ原料調達コストを抑制したことと、工場での製造管理の最適化や生産スピード向上による製造原価低減を進めたことにより、前年同期間と比較して2億円ほどのコスト増に留めることができました。その結果、売上の伸長に比べて売上原価の抑制が図られ、売上総利益は57億61百万円(前年同期比108.2%)となりました。販売費及び一般管理費については、まん延防止等重点措置発令下にあった2022年上半期と比較して積極的な売上獲得のためデジタル広告の出稿を増加したこと、さらに日本上陸50周年記念のキャンペーンを展開したことにより、広告宣伝費が増加しましたがその効果もあり店舗小売売上高を前年比111.9%と伸ばすことが出来ております。また、売上が増加したことによる物流費等の販売費の増加、販売拠点拡大のための活動費の増加、新規に出店した直営店の管理費の増加など将来の売上獲得につながる活動を行ったことで、前年同期間と比べて7億59百万円増加したことにより、49億56百万円となりました。その結果、営業利益は8億5百万円(対前年同期3億20百万円の減少)となりました。これは、外的要因とビジネス成長に伴うコスト上昇を加味した連結業績予想に沿うものです。また、経常利益は8億46百万円(対前年同期3億6百万円の減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億56百万円(対前年同期1億82百万円の減少)となり、こちらも連結業績予想に沿っております。なお、当社グループはアイスクリーム製品の製造及び販売等を行う単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比べ6億81百万円増加の206億42百万円となりました。これは主に、毎年の傾向ではありますが夏の最盛期に向けてと昨今の売上好調を加味したことにより製品在庫が7億74百万円増加したことによるものであります。総負債は前連結会計年度末に比べ1億43百万円増加の87億6百万円となりました。これは主に、預り金3億15百万円の増加、未払金1億74百万円の減少によるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べ5億37百万円増加の119億36百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上5億56百万円があったことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は57億52百万円となり、期首残高からの減少額は44百万円でありました。営業活動から得られた資金は、11億48百万円(前年同期は10億63百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益8億37百万円、減価償却費が7億42百万円、棚卸資産の増加額が10億30百万円、売上債権の減少額が4億88百万円あったことによるものです。投資活動に使用した資金は、9億48百万円(前年同期は5億32百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が6億71百万円、無形固定資産の取得による支出が2億16百万円あったことによるものです。財務活動に使用した資金は、2億59百万円(前年同期は2億59百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が1億15百万円、配当金の支払いが1億44百万円あったことによるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動当社は、バスキン・ロビンス・フランチャイジング エルエルシーと“ライセンスおよび技術援助契約”を締結しており、アイスクリーム研究開発については同社で実施しているため、研究開発費は発生しておりません。
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