【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当第2四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりとなりました。 (1)財政状態及び経営成績の状況(財政状態)
資産合計は、前期末に比べ658億円増加の8,050億円となりました。
流動資産は、現金及び現金同等物やその他の金融資産の増加などから579億円増加の3,392億円となりました。
非流動資産は、投資有価証券や無形資産が減少する一方で、その他の金融資産が増加したことなどから79億円増加の4,658億円となりました。負債は、未払法人所得税の増加などから171億円増加の946億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は、剰余金の配当があった一方で、四半期利益の計上などから486億円増加の7,045億円となりました。
(経営成績)(単位:百万円)
2022年3月期第2四半期連結累計期間
2023年3月期第2四半期連結累計期間
対前年同期増減額
対前年同期増減率
売上収益
174,077
216,701
42,624
24.5%
営業利益
58,171
80,270
22,099
38.0%
税引前四半期利益
59,231
81,019
21,788
36.8%
四半期利益(親会社の所有者帰属)
46,290
62,339
16,049
34.7%
[売上収益]
売上収益は、前年同期比426億円(24.5%)増加の2,167億円となりました。・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、競合他社製品との競争が激化する一方、胃がん、食道がんなどでの使用が拡大したことなどにより、前年同期比138億円(24.6%)増加の699億円となりました。・その他の主要新製品では、糖尿病、慢性心不全および慢性腎臓病治療剤「フォシーガ錠」は264億円(前年同期比68.8%増)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は125億円(同11.0%増)、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は117億円(同8.0%減)、多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は44億円(同6.5%増)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は43億円(同5.3%減)、抗悪性腫瘍剤「ベレキシブル錠」は41億円(同43.4%増)、パーキンソン病治療剤「オンジェンティス錠」は24億円となりました。・長期収載品は、薬価改定の影響などにより、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は23億円(前年同期比5.9%減)、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「オノンカプセル」は12億円(同35.3%減)となりました。・ロイヤルティ・その他は、前年同期比169億円(30.8%)増加の718億円となりました。
[営業利益]営業利益は、前年同期比221億円(38.0%)増加の803億円となりました。・売上原価は、製品商品の売上が増加したことなどにより、前年同期比81億円(17.9%)増加の537億円となりました。・研究開発費は、研究に係る費用および早期臨床試験に係る開発費用の増加などにより、前年同期比71億円(21.7%)増加の396億円となりました。・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、フォシーガ錠の売上拡大に伴うコ・プロモーション費用やIT・デジタル関連の情報基盤強化に伴う費用などが増加したことにより、前年同期比53億円(14.0%)増加の429億円となりました。
[四半期利益](親会社所有者帰属)親会社の所有者に帰属する四半期利益は、税引前四半期利益の増加に伴い、前年同期比160億円(34.7%)増加の623億円となりました。
なお、当社グループの事業は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。新型コロナウイルス感染症による事業および業績への影響につきましては、引き続き一定の活動制限が継続されることを想定しておりますが、営業利益に与える影響は軽微と見込んでおります。
(2)キャッシュ・フローの状況(単位:百万円)
2022年3月期第2四半期連結累計期間
2023年3月期第2四半期連結累計期間
対前年同期増減額
現金及び現金同等物の期首残高
61,045
69,112
営業活動によるキャッシュ・フロー
40,369
80,977
40,607
投資活動によるキャッシュ・フロー
△5,385
△37,925
△32,540
財務活動によるキャッシュ・フロー
△14,968
△15,065
△97
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
20,016
27,987
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響額
56
653
現金及び現金同等物の四半期末残高
81,117
97,752
当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は、280億円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権及びその他の債権の増加額117億円などがあった一方で、税引前四半期利益810億円などがあった結果、810億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入121億円などがあった一方で、定期預金の預入による支出501億円などがあった結果、379億円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額137億円などがあった結果、151億円の支出となりました。
(3)経営方針・経営戦略等 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補化合物をはじめ、自己免疫疾患や神経系疾患の治療薬候補などがあり、開発を進めています。なかでも、がん治療の領域は医療ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけています。創薬研究においては、医療ニーズの高いがんや免疫、神経、スペシャリティ領域を重点領域に定め、それぞれの領域でヒト疾患バイオロジーを掘り下げ、医療ニーズを満たし得る新薬の創製を目指して、創薬力の強化に努めています。そのために、当社が得意とするオープンイノベーションを積極的に推進することで、独創的な創薬シーズを見出し、インフォマティクスやヒト疾患モデル作製、新薬候補化合物作製など、様々な社内外の最新技術を利用して、医療インパクトのある画期的新薬の創製を目指します。重点領域において8つの新薬候補化合物が臨床ステージに移行しており、今後さらに創薬のスピードと成功確率を向上させるために、基礎と臨床の橋渡しを担うトランスレーショナル研究も強化しています。研究早期段階からヒトゲノム情報やヒトiPS細胞などの研究ツールとインフォマティクスを有機的に活用することで、標的分子の疾患との関連性を解析し、新薬候補化合物のヒトにおける有効性をより正確に予測・評価できる生理学的指標(バイオマーカー)を見出せるよう努めています。開発のスピードと成功確率を向上させるために、蓄積した臨床試験データを用いて、有効性、安全性の予測精度を向上させる取り組みを行っています。また、新薬候補化合物の価値を最大化するために、研究段階から研究本部と連携して早期に開発戦略の立案に着手し、複数の疾患を対象に早期臨床試験を実施することを目指しています。欧米の臨床開発の機能の充実を図ることで、今後は、日本、米国、欧州で柔軟に早期臨床試験を実施できる体制を構築していきます。また、ライセンス活動による有望な新薬候補化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は39,749百万円であります。
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の主な成果(第2四半期連結会計期間末以後のものを含む)は、以下のとおりであります。
[開発品の主な進捗状況]<がん領域>「オプジーボ/ニボルマブ」非小細胞肺がん・本年4月、化学療法との併用療法について、国内で「切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法」を効能・効果とした承認申請を行いました。腎細胞がん・本年5月、武田薬品工業株式会社のキナーゼ阻害剤「カボメティクス錠/カボザンチニブリンゴ酸塩」との併用療法について、台湾で「未治療の進行腎細胞がん」を効能・効果とした承認を取得しました。食道がん・本年5月、「ヤーボイ」との併用療法および化学療法との併用療法について、国内で「根治切除不能な進行・再発の食道がん」を効能・効果とした承認を取得しました。・本年7月、「ヤーボイ」との併用療法および化学療法との併用療法について、台湾で「進行または転移性食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しました。尿路上皮がん/膀胱がん・本年4月、台湾で「根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法」を効能・効果とした承認を取得しました。胆道がん・本年4月、国内で「胆道がん」を対象としたフェーズⅡ試験を実施していましたが、戦略上の理由により申請を断念したため、開発パイプラインから削除しました。
膵がん・本年7月、「オプジーボ」について、国内で「膵がん」を対象としたフェーズⅡ試験を実施していましたが、開発を中止しました。ウイルス陽性・陰性固形がん・本年7月、「オプジーボ」と「ヤーボイ」との併用療法について、日韓台で「ウイルス陽性・陰性固形がん」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。「ONO-7018」・本年8月、MALT1阻害薬「ONO-7018」について、米国で「非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。「ONO-7911」・本年4月、「オプジーボ」とPEG化IL-2「ONO-7911」との併用療法について、国内で「固形がん」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。「ONO-7475」・本年9月、Axl/Mer阻害薬「ONO-7475」について、米国で「急性白血病」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。
<がん領域以外>「オノアクト点滴静注用/ランジオロール塩酸塩」・本年8月、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト点滴静注用」について、国内で「小児の心機能低下例における頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)」を効能・効果とした承認を取得しました。「ベレキシブル錠/チラブルチニブ塩酸塩/ONO-4059」・本年4月、BTK阻害剤「ベレキシブル錠」について、国内で「天疱瘡」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。「ONO-2020」・本年7月、エピジェネティクス制御薬「ONO-2020」について、米国で「神経変性疾患」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。「ONO-2909」・本年10月、プロスタグランジン受容体(DP1)拮抗薬「ONO-2909」について、国内で「ナルコレプシー」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、期待された有効性が確認できなかったため開発を中止しました。
[創薬/研究提携活動の状況]・本年4月、仏国Domain Therapeutics社、カナダMontréal大学と、独自のGタンパク質共役受容体(以下、GPCR)創薬プラットフォームとGPCR創薬に対する医薬品化学および薬理学における専門知識を応用して、代謝性疾患領域において当社が選択したGPCRを標的とした新規低分子化合物の創製を目的とする創薬提携契約を締結しました。・2018年9月に締結した米国Fate Therapeutics社とのiPS細胞由来のキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞治療薬の創製を目的とする創薬提携について、本年6月、iPS細胞由来のキメラ抗原受容体(CAR)-NK細胞治療薬の創製も含めた提携に拡大する契約を締結しました。・本年8月、ナレッジパレット社とナレッジパレットの大規模トランスクリプトーム解析技術を活用した、データ駆動型の新薬創出基盤の構築を目的とする共同研究を拡大する契約を締結しました。
(6)主要な設備当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
