【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第2四半期会計期間末における総資産は前事業年度末比5,599百万円減少し、34,488百万円となりました。
その主な要因は、現金及び預金が1,847百万円増加した一方、棚卸資産が1,669百万円、売上債権が1,027百万円、グループ預け金が4,200百万円、有形固定資産が655百万円減少したことによるものであります。
負債は、前事業年度末比7,042百万円減少し、18,388百万円となりました。
その主な要因は、仕入債務が5,877百万円、長期借入金が750百万円減少したことによるものであります。
純資産は、四半期純利益を計上したこと等により前事業年度末比1,442百万円増加し、16,100百万円となり、自己資本比率は46.7%となりました。
②経営成績の状況
当第2四半期累計期間における二次電池業界は、世界的な脱炭素社会への流れの中で、生産コストを抑えた安定的な供給の実現という課題を抱えつつも、各国のEV普及率は着実に上昇し、今後も需要の拡大が見込まれております。
このような市場環境の中、当社の足下の業績をみますと、主要顧客の生産調整の長期化や増産時期の遅れに加え、減価償却費及び労務費を中心にコストが先行する状況が継続しております。また、コスト上昇の一因となっている電気料金や重油、苛性ソーダなどの各種原材料費等の高騰については、前年に引き続き高い水準となっており、適正な価格転嫁の実現に向けた取り組みを続けております。一方で、2019年10月に契約締結いたしましたノースボルトに対する技術支援については第1四半期に10億円の収益計上をしております。加えて、当第2四半期累計期間における営業利益には、相場関連損益が7億円含まれております。
以上の結果、売上高24,614百万円(前年同四半期比18.1%減)、営業利益1,777百万円(前年同四半期比2.5%減)、経常利益1,691百万円(前年同四半期比2.8%増)、四半期純利益は1,431百万円(前年同四半期比4.2%減)となりました。
主要な製品用途別の販売数量の概況は以下のとおりです。なお、当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
「リチウムイオン電池向け製品」
前年同四半期比で16.7%の減少となりました。用途別の増減は次のとおりです。
・車載用途(割合93%)は、顧客ごとの販売数量の増減の影響により、前年同四半期比で5.7%の減少となりました。
・民生用途(割合7%)は、最終製品の需要減少により前年同四半期比で67.0%の減少となりました。
「ニッケル水素電池向け製品」
前年同四半期比で30.3%の増加となりました。用途別の増減は次のとおりです。
・車載用途(割合100%)は、前年同四半期は世界的な半導体や部品不足による自動車減産の影響で主要顧客からの受注が減少したものの、足下においては一定の需要が回復してきたことから前年同四半期比で30.3%の増加となりました。
(ご参考)
(ニッケル国際相場:円換算) (単位:円/kg)
4~6月平均
7~9月平均
10~12月平均
1~3月平均
2024年3月期
3,095
2,961
-
-
2023年3月期
3,781
3,075
3,601
3,475
(コバルト国際相場:円換算) (単位:円/kg)
4~6月平均
7~9月平均
10~12月平均
1~3月平均
2024年3月期
4,966
5,717
-
-
2023年3月期
10,997
8,169
7,746
5,368
※ ニッケル LME(ロンドン金属取引所)月次平均×TTS月次平均
コバルト LMB(ロンドン発行メタルブリテン誌)月次平均×TTS月次平均
(相場関連損益)
営業利益に含まれている、主原料の購入から製品の払出までの期間の主原料の相場変動等に由来する相場関連利益(損失は△)は、以下の通りです。
(単位:億円)
第67期
第2四半期累計期間
第68期
第2四半期累計期間
第67期
16
7
18
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末比2,352百万円減少し、3,454百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少による運転資本の増加等により、1,548百万円の支出(前年同四半期は5,214百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、117百万円の支出(前年同四半期は1,361百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等により、753百万円の支出(前年同四半期は1,588百万円の支出)となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期累計期間の研究開発費の総額は609百万円(売上高比2.5%)となっております。(四半期損益計算書上は試作品売却収入394百万円を控除した214百万円を計上しております。)
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。