【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間の国内経済は、資機材・燃料の価格高騰による影響等があったものの、「ウィズコロナ」への転換により緩やかな持ち直しの動きがみられた。一方、世界的な金融引締め等が続く中で海外景気の下振れが国内経済を下押しするリスクとなっている。当建設業界における受注環境は、公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資は持ち直しの動きが続いたものの、当社を取り巻く経営環境は、各鉄道会社の設備投資の抑制等により厳しい状況が続いている。このような状況の中で、当社グループは前連結会計年度からの豊富な繰越工事の効率的な施工に加え、グループを挙げて新規工事の受注確保に努めた結果、当第3四半期連結累計期間の連結受注高は1,094億円(前年同四半期比105%)となり、連結売上高は1,017億円(前年同四半期比97%)となった。なお、当第3四半期連結累計期間の連結繰越高は1,534億円(前年同四半期比106%)となった。利益については、前年同四半期に比べ採算性の低い大型工事の完成等により、連結営業利益は64百万円(前年同四半期比8%)となったが、営業外収益の増加により連結経常利益は11億23百万円(前年同四半期比72%)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億46百万円(前年同四半期比62%)となった。なお、当社グループの業績の特性として、販売費及び一般管理費等の固定費は1年を通して恒常的に発生するものの、売上高は第4四半期に集中する季節的要因がある。
部門別の状況は次のとおりである。
鉄道電気工事部門当第3四半期連結累計期間は、東日本旅客鉄道株式会社を始めとするJR各社、公営鉄道及び民営鉄道等に対して組織的営業を積極的に展開し受注の確保に努めたが、連結受注工事高は546億52百万円(前年同四半期比96%)となり、連結完成工事高は613億19百万円(前年同四半期比98%)となった。
一般電気工事部門当第3四半期連結累計期間は、建設需要が高い工事等を中心に顧客志向に基づいた営業活動を展開し受注の拡大に努めた結果、連結受注工事高は373億97百万円(前年同四半期比118%)となり、連結完成工事高は238億27百万円(前年同四半期比93%)となった。
情報通信工事部門当第3四半期連結累計期間は、得意先等に対し全社的な営業活動を展開し受注の拡大に努めた結果、連結受注工事高は159億97百万円(前年同四半期比109%)となり、連結完成工事高は144億39百万円(前年同四半期比95%)となった。
その他当第3四半期連結累計期間は、連結受注高は14億40百万円(前年同四半期比129%)となり、連結売上高は21億35百万円(前年同四半期比126%)となった。(注)「その他」の事業には、不動産業及びビル総合管理等の関連事業、ソフトウェアの開発及び電気設備の設計等を含んでいる。
なお、2023年3月期の連結業績予想(2022年4月28日公表)は、売上高1,752億円(前期比101%)、経常利益105億円(前期比121%)である。
(2) 財政状態の状況資産当第3四半期連結会計期間における資産の残高は、2,297億9百万円(前連結会計年度末は2,577億0百万円)となり、279億91百万円減少した。減少した主な要因は、債権の回収に伴い前連結会計年度末に計上した受取手形・完成工事未収入金等が減少したことである。 負債 当第3四半期連結会計期間における負債の残高は、460億93百万円(前連結会計年度末は725億7百万円)となり、264億14百万円減少した。減少した主な要因は、債務の支払いに伴い前連結会計年度末に計上した支払手形・工事未払金等が減少したことである。 純資産当第3四半期連結会計期間における純資産の残高は、1,836億16百万円(前連結会計年度末は1,851億92百万円)となり、15億76百万円減少した。減少した主な要因は、当社が2022年6月24日開催の第80期定時株主総会の決議に基づき株主配当を行ったことに伴い利益剰余金が減少したことである。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、重要な変更又は新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はない。なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めていない。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億60百万円である。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。
(5) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動があったものは次のとおりである。(取得)当社は、賃貸用オフィスビルとして「NDK池之端ビル」を取得した。なお、取得価額は109億18百万円、土地面積は1,120㎡である。