【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 業績の状況当第3四半期累計期間における国内経済は、企業収益の改善が緩やかになるなど一部に弱さが見られましたが、全体としては緩やかに持ち直しました。当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においては、個人消費の持ち直しにより、クレジットカード会社の取扱高も、前年の実績を引き続き上回り推移しています。
こうした事業環境の中、当社は2025年6月期を最終年度とする3カ年中期事業計画を推進しています。事業構造の変革や事業領域の拡大による事業基盤の強化、拡大を進めるとともに、自らの持続的成長に向けて、人財基盤と共創基盤の確立に取り組んでいます。事業基盤の強化、拡大においては、当社が強みをもつ決済業務に係るシステム開発を基礎として、クラウドサービスの成長によるストックビジネスの拡大と、決済データの利活用や顧客のIT戦略支援による決済事業領域の拡大、及び、決済・金融以外の産業の DX に貢献する IT 基盤の提供による事業領域の拡大を進めています。
当第3四半期累計期間の業績は、売上高については、既存顧客のFEPシステム※更改によるハードウェア販売やクラウドサービスの利用ユーザー数の増加、クレジットカード会社向けシステム開発の大型案件等により、9,896百万円(前年同期比26.3%増)となりました。営業利益については、ハードウェア販売やシステム開発の売上増加等により、1,136百万円(前年同期比20.4%増)となりました。この結果、経常利益1,157百万円(前年同期比19.9%増)、四半期純利益780百万円(前年同期比18.5%増)となりました。
クラウドサービスについては、売上高は1,351百万円(前年同期比70.4%増)、売上総利益は69百万円(前年同期比27.4%減)となりました。売上高は大幅に伸張しましたが、利益は一部サービスにおいて利用ユーザー数拡大による体制強化の費用が増加し、前年同期を下回りました。現在、運用体制を抜本的に見直し、早期の収益改善に取り組んでいます。
当社は、決済領域では主にクレジットカード会社のFEP(Front End Processing)システムや不正検知システムの開発を行っています。システムの中核は「NET+1(ネットプラスワン)」「ACEPlus(エースプラス)」等の自社製品で構成しており、例えば、FEPシステムの開発では、自社製品販売と、顧客の機能要件に合わせてカスタマイズするシステム開発、開発したソフトウェアを搭載するハードウェア販売の売上がそれぞれ計上されます。また、セキュリティ領域では、企業組織の内部情報漏えいを防ぐ自社製品と、サイバーセキュリティ対策のための他社製品の開発・販売を行っています。
※ FEPシステム:クレジットカード決済処理に必要なネットワーク接続やカード使用認証等の機能をもつハードウェア、及びソフトウェア
(2) 財政状態の分析(資産)当第3四半期会計期間末における資産の残高は、前事業年度末に比べ74百万円増加し、12,815百万円となりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ1,014百万円減少し、7,259百万円となりました。これは主に、現金及び預金が240百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が807百万円減少したためです。 固定資産は、前事業年度末に比べ1,089百万円増加し、5,556百万円となりました。これは主に、有形固定資産 250百万円、無形固定資産460百万円、投資有価証券249百万円の増加があったためです。
(負債)当第3四半期会計期間末における負債の残高は、前事業年度末に比べ291百万円減少し、4,410百万円となりました。これは主に、賞与引当金214百万円の増加がありましたが、支払手形及び買掛金523百万円の減少があったためです。
(純資産)当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ366百万円増加し、8,405百万円となりました。これは主に、利益剰余金333百万円の増加によるものです。
(3)
事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)
研究開発活動当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は19百万円です。主な内容としては、ハイパフォーマンスコンピューティング・分散処理に関する新たなコア技術獲得に向けた調査や、クラウド鍵管理サービスのプロトタイプ開発等を行いました。
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