【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 業績の状況当第1四半期累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも緩やかに持ち直しており、企業収益や業況感は一部に弱さが見られるものの、全体としては改善をしています。当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においては、個人消費の持ち直しにより、クレジットカード会社の取扱高も、前年の実績を上回って推移しています。
こうした事業環境の中、当社は2025年6月期を最終年度とする3カ年中期事業計画を推進しています。事業構造の変革や事業領域の拡大による事業基盤の強化、拡大を進めるとともに、自らの持続的成長に向けて、人財基盤と共創基盤の確立に取り組んでいます。事業基盤の強化、拡大においては、当社が強みをもつ決済業務に係るシステム開発事業を基礎として、クラウドサービスの成長によるストックビジネスの拡大と、決済データの利活用や顧客のIT戦略支援による決済事業領域の拡大、及び、決済・金融以外の産業の DX に貢献する IT 基盤の提供による事業領域の拡大を進めています。
当第1四半期累計期間の業績は、売上高については、既存顧客のFEPシステム更改によるハードウェア販売の増加やクラウドサービスの利用ユーザー数の増加、クレジットカード会社向けシステム開発の大型案件等により、3,646百万円(前年同期比61.9%増)となりました。営業利益については、クラウドサービスのインフラ環境と運用体制の強化による収益低下があったものの、ハードウェア販売の増加等により、483百万円(前年同期比281.6%増)となりました。この結果、経常利益480百万円(前年同期比284.7%増)、四半期純利益324百万円(前年同期比292.0%増)となりました。
クラウドサービスについては、売上高は434百万円(前年同期比78.7%増)、売上総利益は△4百万円(前年同期△19百万円)となりました。前期に受注が大幅に増加し売上高は伸張しましたが、利用ユーザー数の拡大に対応するインフラ環境や運用体制の強化を進めたため、利益は一時的に悪化しています。利益については、第2四半期以降に改善していく予定です。
当社は、クレジットカード会社を中心とした顧客に対して、主にクレジットカードの決済処理を完遂するために必要なネットワーク接続やカードの使用認証等の機能をもつFEP(Front End Processing)システムの開発業務を行っています。例えば、FEPシステムの新規開発に際しては、システムの中核を構成する「NET+1(ネットプラスワン)」の販売による売上と、製品をカスタマイズして顧客の機能要件に合わせる開発業務による売上、開発したソフトウェアを搭載するサーバーの販売による売上、ソフトウェアとハードウェアで構成されたシステムの保守業務による売上のそれぞれが計上されます。また、セキュリティでは、企業組織の内部情報漏えいを防ぐ当社製品と、サイバーセキュリティ対策のための他社製品の開発・販売を行っています。
(2) 財政状態の分析(資産)当第1四半期会計期間末における資産の残高は、前事業年度末に比べ140百万円減少し、12,599百万円となりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ525百万円減少し、7,749百万円となりました。これは主に、現金及び預金が743百万円増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が1,134百万円減少したためです。固定資産は、前事業年度末に比べ384百万円増加し、4,850百万円となりました。これは主に、有形固定資産に含まれる、工具、器具及び備品の購入による105百万円の増加及びソフトウェアの増加196百万円の増加があったためです。
(負債)当第1四半期会計期間末における負債の残高は、前事業年度末に比べ14百万円減少し、4,686百万円となりました。これは主に、前受金68百万円の増加及び賞与引当金198百万円の増加がありましたが、支払手形及び買掛金が334百万円の減少したためです。
(純資産)当第1四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ125百万円減少し、7,913百万円となりました。この要因は、利益剰余金が、剰余金処分による配当財源への割当てにより446百万円減少した一方で、四半期純利益の計上により324百万円増加した等によるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期累計期間の研究開発費の総額は1百万円です。主な内容としては、特殊詐欺防止システムに関する調査や、ハイパフォーマンスコンピューティング・分散処理に関するコア技術の調査活動を行いました。
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