【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期累計期間における我が国経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、各種行動制限が緩和され With コロナへの移行が進む中、景気は穏やかな持ち直しがみられました。しかしながら、不安定な国際情勢と円安による輸入コストの増加や資源価格の高騰等による物価の上昇が続いており、景気の先行きは依然として不透明な状況です。
臨床検査薬業界においては、施設訪問・対面による直接的な販促活動に、学会・セミナーは通常開催へと戻りつつあります。急拡大した新型コロナウイルス関連の検査需要が継続する一方、患者側から質の高い医療の要求が高まり、診断や治療等に不可欠な正確かつ簡便・迅速な臨床検査試薬及び機器の安定供給が求められています。
このような状況の中、当社におきましては、主力の生化学分野では各種マルチキャリブレーターを活用した重点項目の拡販活動により売上は堅調です。輸血検査分野では、全自動輸血検査装置の新規設置が遅れ気味ですが、定期的なウェブセミナー開催とサーベイ実施による顧客満足度の向上に継続して取り組んでいます。また、海外向けの免疫検査試薬及び新型コロナウイルス関連試薬が業績に寄与しました。以上の結果、当第3四半期累計期間の当社売上高は、37億2千8百万円(前年同期比7.5%増)となりました。営業利益は、6億9千9百万円(前年同期比5.7%増)、経常利益は、7億2千2百万円(前年同期比7.6%増)、四半期純利益は、4億9千7百万円(前年同期比8.7%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期会計期間末における資産合計は、80億8千9百万円となり、前事業年度末と比べ5億1千7百万円の増加となりました。流動資産は52億8千万円となり、前事業年度末と比べ5億9千万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金が2億1千9百万円、受取手形及び売掛金が2億1千3百万円、棚卸資産が1億6千7百万円増加したこと等によります。固定資産は28億8百万円となり、前事業年度末と比べ7千2百万円の減少となりました。その主な要因は、固定資産の取得により4千6百万円増加し、繰延税金資産が2千3百万円、減価償却の進捗に伴い1億5百万円減少したこと等によります。
当第3四半期会計期間末における負債合計は、24億9千2百万円となり、前事業年度末と比べ1億2千1百万円の増加となりました。その主な要因は、未払法人税等が1億1千3百万円、賞与引当金が6千1百万円減少し、支払手形及び買掛金が1億5千7百万円、借入金が6千万円増加したこと等によります。
当第3四半期会計期間末における純資産の額は55億9千6百万円となり、前事業年度末と比べ3億9千6百万円の増加となりました。その主な要因は、配当金の支払いによる減少と、四半期純利益により増加したこと等によります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は1億2千2百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期累計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。
当社は、流動性資金を安定的に確保するための基本方針として、年次資金計画に基づき、事業運営のために必要な資金(主に銀行借入)を調達しております。また、現金及び現金同等物の十分な流動性を確保しながら、事業継続と将来に向けた事業の拡大のため、効率的に資本を投下、運用していくことが経営課題であります。