【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、旅行や外食など個人消費が堅調に推移し、景気は緩やかな回復が続きました。一方、世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇や金融資本市場の変動等への影響には引き続き注意が必要な状況です。
我が国航空業界におきましては、ゴールデンウイークは帰省や旅行の需要が好調で、コロナ前水準には若干及ばないものの、旅客数は国内線・国際線ともに前期を上回りました。2023年5月より新型コロナウイルスは感染法上季節性インフルエンザと同等の扱いの5類に移行しており、今後、社会経済活動の正常化が一段と進展することで、航空需要の回復基調継続が期待されます。
このような経済情勢のもと、当社グループの連結業績につきましては、2023年2月に売却した賃貸用ホテルと事務所ビルの影響による売上高の減少もありましたが、給排水使用量の回復傾向が続いたこと等により、売上高は6,331百万円(前年同期比2.2%増)となりました。営業利益は1,106百万円(同10.2%増)、経常利益は諸工事の撤去費用引当金繰入額の減少等により、1,089百万円(同15.1%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は681百万円(同12.3%減)となりました。
なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比べ減少しておりますが、この要因については、2022年度の特別利益に、法人税及び消費税の修正申告に伴う還付消費税等が計上されていたことによるものであります。
セグメント別の業績は、次の通りであります。
当第1四半期連結会計期間より、従来「不動産賃貸事業」としていた報告セグメントの名称を「不動産事業」に変更しております。なお、当該名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
①不動産事業
不動産事業は、中長期経営計画で重点施策のひとつに掲げているノンアセット業務への取組み(2023年6月に2号案件として「新宿やわらぎビル」を取得)により取得した事務所ビルによる売上高の増加がある一方、2023年2月に売却した賃貸用ホテルと事務所ビルの影響による売上高の減少等により、売上高は4,822百万円(前年同期比0.7%減)となりました。営業利益は売却施設に関する償却費等の減少により、807百万円(同10.2%増)となりました。
②熱供給事業
連結子会社の東京空港冷暖房㈱における熱供給事業は、前年同期に比べ冷温熱の販売実績は微増となり、売上高は791百万円(同0.2%増)となりました。一方で、冷凍機やボイラに係る定期整備費用の計上により、営業利益は204百万円(同15.6%減)となりました。
③給排水運営その他事業
給排水運営事業は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行等もあり、給排水使用量がコロナ前の計画水量に近づいてきたことや共用通信事業も順調に推移したことで、売上高は717百万円(同32.4%増)、営業利益は94百万円(同241.5%増)となりました。
また、①に記載の既取得ビルにつきましては、今後、バリューアップ工事実施により物件価値の向上を図ってまいります。その他、新たな事業領域拡大への取り組みでは、シンガポールの連結子会社(Airport Facilities Asia社)において、自社保有のエンジン整備工場屋上に太陽光発電設備を設置し、2023年5月より同施設のテナント向け自家消費用電力として売電を開始しております。
今後も引き続きグループ一丸となって、中長期経営計画に基づく各種の事業戦略を着実に進めてまいります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計方針及び見積りの記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、建物や資産除去資産の償却進行等による有形固定資産の減少があるものの、国有財産年間使用料の前払費用計上やノンアセット業務での事務所ビル取得に伴う販売用不動産の増加等により、前連結会計年度末比4,010百万円増加の104,413百万円となりました。
負債は、長期借入金の返済等による減少があるものの、国有財産年間使用料の未払費用計上等により、前連結会計年度末比2,086百万円増加の45,120百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末比1,924百万円増加の59,292百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は54.2%と前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減少しました。