【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和や社会経済活動の正常化が進み、個人消費を中心に緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や円安の進行等に伴う原材料価格の上昇などの影響により、今後の経済の先行きは依然として不透明な状況が続くものと考えられます。
このような状況のなか、当社グループは本年よりスタートした3ヵ年の「JR九州グループ中期経営計画2022-2024」のもと、3つの重点戦略として掲げる「事業構造改革の完遂」及び「豊かなまちづくりモデルの創造」、「新たな貢献領域での事業展開」を推進するとともに、重点戦略の実行を支える「戦略実行・実現を担う人づくり」及び「グループ一体で戦略を推進する基盤づくり」に注力してまいりました。また、本年9月に西九州新幹線が開業し、武雄温泉~長崎間で運行を開始しました。開業効果の最大化に向けて、各種プロモーションによるご利用促進や来年秋開業予定の「新長崎駅ビル」の開発などの取り組みをグループ一丸となって推進しました。
この結果、営業収益は前年同期比20.2%増の1,701億95百万円、営業利益は111億83百万円(前年同期の営業損失は40億72百万円)、EBITDAは前年同期比186.0%増の252億27百万円、経常利益は118億44百万円(前年同期の経常損失は10億64百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は120億2百万円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失は20億25百万円)となりました。
(注) 当第2四半期連結累計期間におけるEBITDAは、営業利益に減価償却費を加えた数値(転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
当社グループの業績をセグメントごとに示すと次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較について、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
(単位:百万円)
セグメントの名称
営業収益
営業利益又は営業損失(△)
EBITDA(注2)
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
増減
前年同期比
増減率
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
増減
前年同期比
増減率
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
増減
前年同期比
増減率
運輸サービス
63,436
16,718
35.8%
377
12,598
-
5,388
13,434
-
不動産・ホテル
52,618
7,366
16.3%
8,492
1,843
27.7%
15,419
1,785
13.1%
不動産賃貸業
30,367
1,778
6.2%
7,461
113
1.5%
13,270
42
0.3%
不動産販売業
15,447
2,312
17.6%
1,327
△ 121
△8.4%
1,338
△ 122
△8.4%
ホテル業
6,804
3,275
92.8%
△ 296
1,851
-
810
1,865
-
流通・外食
25,284
5,616
28.6%
252
1,376
-
879
1,416
-
建設
35,549
△ 1,755
△4.7%
168
△ 1,013
△85.8%
690
△ 978
△58.6%
ビジネスサービス
34,181
1,720
5.3%
1,933
399
26.1%
3,066
701
29.7%
合計
211,070
29,667
16.4%
11,223
15,204
-
25,443
16,359
180.1%
調整額(注1)
△ 40,875
△ 1,093
-
△ 40
51
-
△ 215
47
-
連結数値
170,195
28,574
20.2%
11,183
15,255
-
25,227
16,406
186.0%
(注)1 調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
2 連結EBITDA=営業利益+減価償却費(セグメント間取引消去後、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費除く)、セグメント別EBITDA=各セグメント営業利益+各セグメント減価償却費(セグメント間取引消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費除く)
① 運輸サービスグループ
鉄道事業においては、安全を確保し、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じたうえで収入の確保に努めるとともに、鉄道事業の費用として高い割合を占める固定費を中心に、コスト削減を進めました。
安全面では、安全はすべての基盤との認識のもと、「命を守る!! ~ルールを理解し、正しく実践していますか?~」をスローガンに、安全創造運動に取り組みました。また、車両の新製や老朽設備の取替、防災対策等の安全投資を着実に実施しました。
サービス面では、「私は、お客さまの声に耳を傾け、会社の代表として、とことん考え行動します。」をテーマに掲げ、「サービスを社風へ」と高める取り組みを推進しました。また、お客さまの利便性を高める取り組みとして、本年4月からPayPay株式会社が提供するPayPayアプリで購入できる特急券の通年販売を開始したほか、本年7月から三井住友カード株式会社が提供する「stera transit」を活用したVisaのタッチ決済による実証実験を開始しました。
営業面では、西九州新幹線の開業を地域と一体となって盛り上げるため、市民参加型イベント「私たち、かもめ。」プロジェクトを展開したほか、新D&S列車「ふたつ星4047」の運行や佐賀・長崎の魅力を発信する観光キャンペーンの実施など開業効果の最大化に努めました。また、本年6月に九州新幹線区間へサービスエリアを延伸したネット予約&チケットレス乗車サービス「EXサービス」について、ご利用促進に向けたプロモーションを実施しました。なお、お客さまのご利用状況や「EXサービス」の導入等を踏まえ、在来線特急料金の見直しや一部の割引きっぷの販売終了及び価格改定を実施しました。
輸送面では、駅や車両における感染防止対策を講じつつ、地域の重要な社会インフラである交通ネットワークの維持に努めました。また、お客さまのご利用状況にあわせて、本年9月にダイヤの見直しを実施しました。なお、「平成29年7月九州北部豪雨」の影響により代行輸送を行っている日田彦山線の添田~夜明・日田間については、BRT(バス高速輸送システム)による復旧を進めており、日田彦山線BRT(愛称名:BRTひこぼしライン)として来年夏の開業に向けた準備を推進しました。また、「令和2年7月豪雨」の影響により、鉄道施設に甚大な被害が生じ不通となっている肥薩線の一部区間において代行輸送を行っております。
バス事業においては、感染防止の取り組みを通してお客さまに安心してご乗車いただける環境づくりに努めつつ、ご利用状況に応じた減便等を行いました。また、本年3月から高速バスの一部路線において、直近の予約状況に応じてより幅広い価格帯で柔軟に運賃を変動させるダイナミックプライシング型の運賃体系を導入しました。
船舶事業においては、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策として、日本政府から旅客運送停止要請を受け、2020年3月より定期航路全便の運航を休止しております。定期航路の運航休止中の取り組みとして、新型高速船「QUEEN BEETLE」の国内遊覧運航と国内二点間航路の運航を継続し、本年7月から新たに博多~長崎航路の運航を開始しました。
新たなモビリティサービス(MaaS)の分野においては、サービスを既に導入している福岡・佐賀・大分・宮崎の各県において、各地域の交通事業者と連携し、MaaSアプリ「my route」を活用したシームレスな交通サービスの実現に向けた取り組みを推進しました。長崎県においては、西九州新幹線の開業にあわせて、地域の交通事業者、自治体、観光団体等と連携し、本年8月からサービス提供を開始しました。また、福岡県においては、都心エリアへのおでかけ需要の喚起と街の回遊性向上を目指して、昭和自動車株式会社、西日本鉄道株式会社及び天神・博多地区の15の商業施設と連携し、デジタルチケットをMaaSアプリ上で販売しました。
この結果、営業収益は前年同期比35.8%増の634億36百万円、営業利益は3億77百万円(前年同期の営業損失は122億21百万円)、EBITDAは53億88百万円(前年同期のEBITDAは△80億46百万円)となりました。
② 不動産・ホテルグループ
不動産賃貸業においては、まん延防止等重点措置の解除以降、各駅ビルのテナント売上高が緩やかに回復したほか、保有するオフィスや賃貸マンションの稼働は引き続き堅調に推移しました。また、本年3月に長崎駅高架下に「長崎街道かもめ市場」を開業するなど、来年秋の開業に向けて「新長崎駅ビル」の開発を着実に推進しました。
不動産販売業においては、オフィスビル1棟を売却したほか、分譲マンション「MJRザ・ガーデン香椎」等の引き渡しによる売上を計上しました。また、モデルルームの感染防止対策を講じつつ、分譲マンション「MJR熊本ザ・タワー」や「MJR熊本駅南」、「MJR鹿児島駅パークフロント」等の販売に取り組みました。
ホテル業においては、九州ブロック割等の観光キャンペーンに伴う移動需要の積極的な取り込みを図るとともに、コスト削減を継続し収支改善に取り組みました。また、本年8月に「THE BLOSSOM KYOTO」を開業したほか、「嬉野八十八(うれしのやどや)」、「長崎マリオットホテル」の開発を推進しました。
この結果、営業収益は前年同期比16.3%増の526億18百万円、営業利益は前年同期比27.7%増の84億92百万円、EBITDAは前年同期比13.1%増の154億19百万円となりました。
③ 流通・外食グループ
小売業においては、移動需要や個人消費が緩やかに回復するなか、西九州新幹線開業を記念した「西九州新幹線かもめフェア」の展開などお土産品店等を中心に駅構内店舗の収入回復に努めるとともに、コンビニエンスストア店舗のリニューアルを進めました。また、ロードサイドでの店舗展開を強化するため、当社の子会社であるJR九州リテール株式会社が株式会社シャトレーゼとフランチャイズ契約を締結し、本年4月に第1号店である菓子店「シャトレーゼ早良区原店」を出店しました。
飲食業においては、「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」や「THE OUTLETS KITAKYUSHU」等の郊外型商業施設への出店を進めるとともに、不採算店舗の閉店など一層の経営効率化にも努めました。
この結果、営業収益は前年同期比28.6%増の252億84百万円、営業利益は2億52百万円(前年同期の営業損失は11億24百万円)、EBITDAは8億79百万円(前年同期のEBITDAは△5億37百万円)となりました。
④ 建設グループ
建設業においては、鉄道の専門技術を活かし、鉄道に係る土木・軌道・建築工事やメンテナンス事業、車両機械設備工事業を通して鉄道の安全・安定輸送の確保に取り組みました。鉄道工事については、西九州新幹線や北陸新幹線関連工事、芳賀・宇都宮LRT関連工事等を着実に遂行するとともに、新幹線関連工事等の受注に努めました。また、当社の子会社であるJR九州電気システム株式会社において、本年3月から博多駅~鹿児島中央駅間の新幹線構造物内に、光ファイバケーブルを敷設し、光ファイバ心線を賃貸するサービスを開始しました。そのほか、官公庁工事やマンション等の民間工事の受注及びコスト削減に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比4.7%減の355億49百万円、営業利益は前年同期比85.8%減の1億68百万円、EBITDAは前年同期比58.6%減の6億90百万円となりました。
⑤ ビジネスサービスグループ
建設機械販売・レンタル事業や広告業においては、積極的な営業活動を行い収益の確保に努めました。そのほか、情報システムの分野でのアライアンス戦略の一環として、当社の子会社であるJR九州システムソリューションズ株式会社が、クラウド・データセンターサービスの共創に向けて本年4月にキーウェア九州株式会社と、未来の働き方実現の支援など新たなサービスの提供に向けた取り組みを推進するために本年6月にOCH株式会社と、それぞれ業務提携契約を締結しました。
この結果、営業収益は前年同期比5.3%増の341億81百万円、営業利益は前年同期比26.1%増の19億33百万円、EBITDAは前年同期比29.7%増の30億66百万円となりました。
(注) セグメント別のEBITDAは、各セグメントにおける営業利益に減価償却費を加えた数値(セグメント間取引
消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
(参考)当社の鉄道事業の営業実績
①輸送実績
区分
単位
第36期第2四半期累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
前年同期比(%)
営業日数
日
183
100.0
営業キロ
新幹線
キロ
358.5
124.1
在来線
〃
1,984.1
100.0
計
〃
2,342.6
103.1
輸送人員
定期
千人
103,173
103.6
定期外
〃
46,382
135.1
計
〃
149,556
111.7
輸送人キロ
新幹線
定期
千人キロ
100,029
108.7
定期外
〃
572,735
172.0
計
〃
672,765
158.3
在来線
幹線
定期
〃
1,632,901
103.8
定期外
〃
972,581
148.8
計
〃
2,605,482
117.0
地方
交通線
定期
〃
243,568
103.4
定期外
〃
91,228
139.5
計
〃
334,796
111.2
計
定期
〃
1,876,469
103.8
定期外
〃
1,063,809
147.9
計
〃
2,940,279
116.3
合計
定期
〃
1,976,499
104.0
定期外
〃
1,636,545
155.5
計
〃
3,613,045
122.4
②収入実績
区分
単位
第36期第2四半期累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
前年同期比(%)
旅客運輸収入
新幹線
定期
百万円
1,343
105.7
定期外
〃
17,391
173.0
計
〃
18,735
165.5
在来線
定期
〃
13,522
104.1
定期外
〃
23,143
148.6
計
〃
36,665
128.3
合計
定期
〃
14,865
104.2
定期外
〃
40,535
158.2
計
〃
55,401
138.9
荷物収入
〃
2
186.1
合計
〃
55,403
138.9
鉄道線路使用料収入
〃
202
84.4
運輸雑収
〃
7,213
118.1
収入合計
〃
62,819
135.9
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ1.4%減少し、9,388億45百万円となりました。流動資産は、有価証券の償還等により前連結会計年度末に比べ21.3%減少し、1,626億23百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の取得等により前連結会計年度末に比べ4.2%増加し、7,762億21百万円となりました。
一方、負債の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ2.5%減少し、5,489億6百万円となりました。流動負債は、未払金や買掛金の支払等により前連結会計年度末に比べ7.3%減少し、1,688億30百万円となりました。固定負債は、1年内償還予定の社債への振替による社債の減等により前連結会計年度末に比べ0.2%減少し、3,800億75百万円となりました。
また、純資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ0.2%増加し、3,899億39百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金の増等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前四半期純利益が増加したこと等により前年同期に比べ51億26百万円増加し、267億95百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、固定資産の取得による支出が減少したこと等により前年同期に比べ23億48百万円減少し、496億58百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、コマーシャル・ペーバーの償還による支出が増加したこと等により、63億66百万円となりました。(前年同期は59億31百万円の収入)
以上の結果、現金及び現金同等物の当第2四半期連結累計期間末残高は、前連結会計年度末に比べ291億7百万円減少し、496億2百万円となりました。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億39百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
