【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢等の地政学リスクや、インフレに伴う金融引き締めが続く中、景気は緩やかな減速が感じられました。先行きにつきましては、グローバルに目を向けますと引き続き景気減速が見込まれ、国内においては物価高による経済の下押し影響が懸念されるところです。当社グループの事業環境は、原燃料価格の高止まりや為替相場の円安基調等、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当社グループは、生産合理化による既存製紙事業の基盤強化に努めるとともに、第6次中期経営計画(2023年度から2025年度の3ヶ年計画)のもと、「営業利益50億円、経常利益80億円、ROE7.0%」の中期経営目標の達成のため、合成繊維(アラミドペーパー)等の成長分野の拡販や、今後成長が見込まれる環境関連事業のリサイクルビジネスの更なる拡大に注力してまいりました。第1四半期においては、環境関連事業を主軸とした事業ポートフォリオの変革を目指して、トーエイホールディングス株式会社の株式を取得いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は42,615万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は783百万円(前年同期比41.4%減)、経常利益は2,949百万円(前年同期比15.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,328百万円(前年同期比26.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①産業素材事業
主力製品である段ボール原紙及びクラフト紙につきましては、日本東海インダストリアルペーパーサプライ株式会社を通じて販売しており、国内の物価高による買い控え等の影響により段ボール等包装材の需要全体が低調に推移したことで、販売数量は前年同期を下回りました。
利益面につきましては、水力発電による売電事業が順調に推移したことにより前年同期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は21,372百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は521百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
②特殊素材事業
特殊印刷用紙につきましては、国内向けの需要減少が続いていますが、価格改定の浸透と海外向けファンシーペーパーの販売増加により、売上は前年同期並みとなりました。特殊機能紙につきましては、国内外の需要は低調に推移し、高耐熱性絶縁紙、環境配慮型製品の市場開拓に努めましたが、売上は前年同期を下回りました。
利益面につきましては、為替水準が引き続き円安基調であることに加え、前年度の高い原燃料で製造された在庫が払い出されたことで売上原価が増加し前年同期比で減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は10,342百万円(前年同期比1.9%減)、営業損失は71百万円(前年同期は営業利益718百万円)となりました。
③生活商品事業
ペーパータオルにつきましては、価格改定の仮需反動や新型コロナウイルス分類変更に伴う使用減、ラミネート等の加工品につきましては、包装用途の継続的な需要低下により、それぞれ販売数量は前年同期を下回りました。一方で、トイレットペーパーを含む生活商品事業全般において価格改定が浸透し、前年同期比で増収増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は9,022百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は258百万円(前年同期比323.7%増)となりました。
④環境関連事業
自然環境活用分野につきましては、建設事業の完成高が前年同期を上回ったこと等により増収となりました。また、資源再活用分野につきましては、新たに連結子会社化したトーエイ株式会社が当第2四半期から売上高に寄与したこと等により、大幅な増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は5,290百万円(前年同期比32.4%増)、営業利益は23百万円(前年同期は営業損失34百万円)となりました。
また、財政状態については次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、130,531百万円となり、前連結会計年度末に比べて7,184百万円の増加となりました。主な要因は、子会社の新規連結に伴う資産の増加によるものであります。
負債は、49,252百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,481百万円の増加となりました。主な要因は、子会社の新規連結に伴う負債の増加によるものであります。
純資産は、81,278百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,702百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものであります。自己資本比率は57.0%となり、前連結会計年度末に比べて1.5ポイント低下しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は9,308百万円となり、前連結会計年度末に比べ666百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,637百万円となり、前年同期に比べ1,483百万円の増加となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益2,742百万円、減価償却費3,023百万円、持分法による投資損益△1,840百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,637百万円(前年同期は290百万円の獲得)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出3,605百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は665百万円となり、前年同期に比べ4,963百万円の減少となりました。主な内訳は、短期借入金の増加額1,599百万円、長期借入れによる収入966百万円、長期借入金の返済による支出2,190百万円であります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は304百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。