【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、資源価格上昇等による物価への影響はあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで、個人消費は緩やかに増加しております。一方で、当社グループの主たる商品であるペットフードやペット用品は犬猫の日常生活に必要な消費財であるため、景気による影響を受けにくい商品であります。当社グループが属するペット業界におきましては、犬の飼育頭数が減少傾向、猫の飼育頭数は増加傾向でありますが、1年以内新規飼育者の飼育頭数は、新型コロナウイルス感染症拡大前と比較して、犬猫ともに増加傾向にあります。また、医療技術の進歩やペットオーナーのペットに対する意識が変化しており、ペットの平均寿命が長くなると同時に、総世帯平均のペット関連年間支出額も増加傾向となっており、「新規飼育頭数の増加」、「ペット関連支出の増加」及び「犬猫の平均寿命の伸長」により、ペット市場は今後も堅調に推移していくことが予想されます。このような状況の中、当社グループは「ハッピーペットライフ・ハッピーワールド~ペットライフを幸せに・世の中を幸せに」という当社のスローガンを実現すべく事業に取り組んで参りました。ペット用品においても、原材料価格の高騰や円安等を起因として、数多くのナショナルブランド商品の値上げが行われた状況の中で、D2Cブランド製品への戦略投資を強化するとともに、自社オンラインサイトの決済方法拡充や販促投資を継続して実施した結果、2023年3月末のアクティブ購入者数(*1)は58万人、累計ユニーク購入者数(*2)は224万人となりました。サブスクコマースは、お客様の利便性向上に向けた機能改善を継続して実施した結果、自社オンラインサイトに占める定期購入の比率は50%まで増加しております。D2Cブランド製品は、新規製品の上市による品揃えの拡充や広告販促投資を継続して実施した結果、D2Cブランド製品の売上高は大きく成長しました。また、関西に物流センターを開設し外部に業務委託することによって、増加する取り扱い物量に対応するとともに、物流業務の安定性及び生産性の向上を図って参りました。以上の結果、売上高は10,025,636千円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は236,143千円(前連結会計年度比43.0%増)、経常利益は230,470千円(前連結会計年度比50.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は153,301千円(前連結会計年度比45.8%増)となり、増収増益となりました。なお、当社グループは、ペットヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、自社オンラインサイトと他社オンラインモール等別の売上高、自社オンラインサイト内の都度購入及び定期購入の売上高は以下のとおりとなります。・自社オンラインサイトと他社オンラインモール等別の売上高(単位:千円)
販売経路別
第18期
第19期
増減
自社オンラインサイト
2,388,013
3,182,868
794,855
他社オンラインモール等
7,262,223
6,842,768
△419,455
合 計
9,650,237
10,025,636
375,399
・自社オンラインサイト内の都度購入及び定期購入の売上高(単位:千円)
購入形態別
第18期
第19期
増減
都度購入
1,408,060
1,595,623
187,563
定期購入
979,953
1,587,245
607,292
自社オンラインサイト合計
2,388,013
3,182,868
794,855
② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して、587,702千円増加し、3,075,734千円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末と比較して、581,928千円増加し、2,993,327千円となりました。これは主に、売上の増加に伴い商品が383,834千円増加したことによるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末と比較して、5,773千円増加し、82,406千円となりました。これは主に、一時差異の増加により繰延税金資産が11,234千円増加したことによるものであります。
(負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して、107,097千円増加し、2,140,339千円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末と比較して、260,150千円増加し、2,049,698千円となりました。これは主に、資金需要に応じて調達を行ったことにより短期借入金が182,665千円、課税所得の増加によって未払法人税等が57,632千円とそれぞれ増加したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末と比較して、153,052千円減少し、90,640千円となりました。これは主に、資金需要に応じて調達を行ったことにより長期借入金が153,324千円減少したことによるものであります。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して、480,604千円増加し、935,394千円となりました。これは、主に公募増資と第三者割当増資によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ163,698千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益153,301千円を計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末と比べ61,175千円増加し、844,062千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、244,264千円の支出(前連結会計年度は220,673千円の支出)となりました。これは主に、増加要因として、税金等調整前当期純利益の計上230,470千円(前連結会計年度比77,668千円増加)があった一方で、減少要因として、棚卸資産の増加額385,715千円(前連結会計年度は棚卸資産の増加額248,193千円)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、11,883千円の支出(前連結会計年度は6,360千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11,233千円(前連結会計年度は有形固定資産の取得による支出5,460千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、317,322千円の収入(前連結会計年度は147,959千円の収入)となりました。これは主に、減少要因として、長期借入金の返済による支出191,950千円(前連結会計年度は長期借入金の返済による支出217,410千円)があった一方で、増加要因として、短期借入金の増加額182,665千円(前連結会計年度は16,049千円の増加)及び株式の発行による収入327,397千円(前連結会計年度は株式の発行による収入なし)があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b. 受注実績当社グループは、受注に該当する事項がありませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c. 仕入実績当社グループは、ペットヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
事業の名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
ペットヘルスケア事業
7,587,581
103.4
(注)金額は、仕入価格によっております。
d. 販売実績当社グループは、ペットヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
事業の名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
ペットヘルスケア事業
10,025,636
103.9
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。(売上高、売上原価、売上総利益)一部ナショナルブランド商品の値上げが影響した一方、主力商品である食事療法食及び動物用医薬品のD2Cブランド製品に対して戦略投資を行うとともに、自社オンラインサイトの定期購入の利便性向上に対する施策及び適切な販売促進の施策を実施した結果、売上高は10,025,636千円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。また、売上の増加により仕入高が増加したため、売上原価は7,178,271千円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。その結果、売上総利益は2,847,365千円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)自社オンラインサイトの売上高増加及び他社オンラインモール等の売上高減少に比例して、運賃及び荷造費が856,366千円(前連結会計年度比0.8%増)、販売手数料が412,021千円(前連結会計年度比11.2%減)、決済手数料が276,639千円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。結果として販売費及び一般管理費は2,611,222千円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。その結果、営業利益は236,143千円(前連結会計年度比43.0%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)一部敷地の転貸による受取賃貸料23,606千円(前連結会計年度比1.9%増)を計上した結果、営業外収益は25,322千円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。金融機関に対する支払利息7,233千円(前連結会計年度比0.0%増)及び一部敷地の転貸のための支払賃料22,778千円(前連結会計年度比2.0%増)を計上した結果、営業外費用30,995千円(前連結会計年度比19.5%減)となりました。その結果、経常利益は230,470千円(前連結会計年度比50.8%増)となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)課税所得の増加による法人税増加により法人税等合計は77,168千円(前連結会計年度比61.9%増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は153,301千円(前連結会計年度比45.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、持続的な成長を図るための投資を行っており、これらに必要な資金については金融機関からの借入を中心として調達しております。運転資金の主要な使途としては、仕入代金、人件費、運賃及び荷造費、販売手数料、支払家賃等があります。持続的な成長を図るための投資としては、広告宣伝費及び研究開発費があります。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は844,062千円であり、借入金残高は873,298千円で短期借入金と1年内返済予定の長期借入金の合計は809,988千円のため、流動性を確保しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高、営業利益、アクティブ購入者数、累計ユニーク購入者数としております。当社グループが継続的に成長をするためには、また、新規でのペットヘルスケアサビースを展開するにも顧客基盤が必要不可欠となるため、累計ユニーク購入者数を重要な経営指標としております。また、業績の進捗を図るため売上高、営業利益及びアクティブ購入者数を重要な経営指標としております。当該指標に対する今後の方針としては、「マルチコマース」、「サブスクコマース」、「D2Cブランド」の3つの戦略をそれぞれ強化していくことで、アクティブ購入者数及び累計ユニーク購入者数を拡大し、その結果として売上高、営業利益の成長に繋げていきたいと考えております。
決算情報等
第18期連結会計年度
第19期連結会計年度
(自
2021年4月1日
至
2022年3月31日)
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
売上高(千円)
9,650,237
10,025,636
営業利益(千円)
165,148
236,143
アクティブ購入者数(人)
608,720
584,996
累計ユニーク購入者数(人)
1,997,981
2,235,525
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。