【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果により景気の持ち直しの動きがあったものの、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギーや原材料価格の高騰、急激な円安の進行による物価上昇圧力が強まり、コストの増加が企業収益を圧迫するなど、依然として不透明な状況が続いております。そのような状況下、当社グループは、2022年度を新たな三ヵ年のスタートと位置づけ、中期経営計画の最終目標値を達成するため、成長戦略に基づいた施策を実施してまいりました。なお、当連結会計年度より、交通システムビジネスユニットを新設し、交通事業の強化を図るとともに、新たなニーズを迅速・的確に捉え、3つのビジネスユニットそれぞれで事業領域の拡大を推進してまいりました。また、八洲EIテクノロジー㈱は、2022年4月に合併・商号変更し、環境技術と情報技術を融合させ、工事・保守のみならず、より高度な運用・データ分析・管理・運転制御等を含めたワンストップのサービスを展開し、お客様のニーズに即したソリューションの提供等、新しいビジネスを創出してまいりました。当連結会計年度におきましては、売上高は602億70百万円(前年比0.4%増)と微増ではありますが、プラント事業を中心に、老朽設備の更新や設備の維持・保全案件等、付加価値の高いエンジニアリング案件に注力したことにより、営業利益は27億94百万円(前年比31.6%増)、経常利益は29億29百万円(前年比30.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億16百万円(前年比25.5%増)と、各段階利益はいずれも大幅な増益となり、2009年6月の上場以来最高益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメント構成を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。①プラント事業鉄鋼・非鉄分野では、非鉄分野における設備投資の拡大を背景に、生産性向上のための電源設備工事などが進捗し、一方、石油・化学・ガス分野では、安定操業や、設備の更新・増強を目的とした大型の工事案件が前年並みに留まり、事業全体では前年と概ね同水準となりました。その結果、プラント事業の売上高は156億53百万円(前年比0.9%減)となりましたが、付加価値の高いエンジニアリング案件に注力したことにより、営業利益は18億31百万円(前年比72.0%増)と大幅な増加となりました。②産業・設備事業産業機器分野では、堅調な受注に対し部品不足による長納期化や原材料価格高騰の影響はあるものの、設備機械関連セットメーカーの生産量及び国内製造業の設備投資は増加基調となり、売上高は好調に推移しました。一般産業分野では、企業の設備投資計画が順調に進み受注は堅調に推移したものの、大口の設備工事案件が延期となった影響を受け、売上高は低調に推移しました。空調設備分野では、設備工事案件や情報通信分野向け特殊空調、大口の空調機納入案件が順調に進捗したことにより、売上高は堅調に推移しました。その結果、産業・設備事業の売上高は311億40百万円(前年比0.6%増)となりましたが、前年同期に比べ収益性の高い案件が減少したため、営業利益は19億95百万円(前年比5.4%減)となりました。③交通事業交通事業では、鉄道業界での「安全」「安心」「快適」を維持拡大させるための投資が徐々に回復しつつあり、受注は好調に推移するとともに、新型特急車両の納入、列車無線システム工事、新線開通に伴う相互直通運転のための工事等が順調に進捗し、売上高は堅調に推移しました。その結果、交通事業の売上高は134億77百万円(前年比1.3%増)となり、案件の原価低減等コスト管理の強化により、営業利益は11億5百万円(前年比30.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(百万円)
前年比(%)
プラント事業
11,212
△1.7
産業・設備事業
25,623
+1.2
交通事業
11,515
+0.1
合計
48,352
+0.2
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額には、工事に伴う材料費等を含んでおります。
② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年比(%)
受注残高(百万円)
前年比(%)
プラント事業
19,864
△2.1
18,455
+29.6
産業・設備事業
33,725
+3.7
17,494
+17.3
交通事業
13,996
+7.2
15,519
+3.5
合計
67,586
+2.6
51,469
+16.6
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年比(%)
プラント事業
15,653
△0.9
産業・設備事業
31,140
+0.6
交通事業
13,477
+1.3
合計
60,270
+0.4
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末における資産の残高は587億38百万円で、前連結会計年度末に比べ78億3百万円増加しております。主な要因は、現金及び預金(114億50百万円から120億67百万円へ6億16百万円増)、受取手形、売掛金及び契約資産(186億62百万円から239億68百万円へ53億5百万円増)、商品(19億9百万円から20億4百万円へ95百万円増)、その他の流動資産(2億10百万円から10億60百万円へ8億50百万円増)が増加した一方、電子記録債権(44億25百万円から37億87百万円へ6億37百万円減)が減少したことによるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債の残高は343億46百万円で、前連結会計年度末に比べ64億57百万円増加しております。主な要因は、短期借入金(9億90百万円から10億40百万円へ50百万円増)、支払手形及び買掛金(191億63百万円から235億92百万円へ44億29百万円増)、契約負債(16億62百万円から31億94百万円へ15億31百万円増)が増加したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は243億92百万円で、前連結会計年度末に比べ13億46百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金(207億34百万円から221億80百万円へ14億46百万円増)が増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により29億16百万円増加、投資活動により14億87百万円減少、財務活動により6億63百万円減少しました。その結果、現金及び現金同等物は113億32百万円と前連結会計年度と比較して7億65百万円(前年比7.2%増)の増加となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、29億16百万円(前年比69.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益28億28百万円、仕入債務の増加額35億53百万円がキャッシュ・フローのプラスとなった一方、売上債権の増加額29億88百万円、法人税等の支払額8億19百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、14億87百万円(前年度は7億59百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入1億27百万円がキャッシュ・フローのプラスとなった一方、投資有価証券の取得による支出15億円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの支出は、6億63百万円(前年度は2億98百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1億81百万円、配当金の支払額4億69百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金によるものであります。また、キャッシュマネジメントシステムを活用したグループファイナンスを行うことにより、グループ会社全体での資金の効率化に努め、資金管理体制の更なる強化を図っております。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、継続的に営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、重要な経営指標を連結経常利益としております。2023年3月期は29億29百万円(前年比30.1%増)となりました。2023年4月より、引続きプラント事業、産業・設備事業、交通事業の3つのビジネスユニットそれぞれで事業領域の拡大を推進するとともに、経営体制の若返りを図り、活力のある人材をもって、2025年3月期を最終年度とした中期経営計画の目標達成に向けた体制とし、2024年3月期の目標値は連結経常利益30億円としております。
