【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では景気の緩やかな回復基調が継続しているものの、中国では経済活動の再開による景気回復にも鈍化傾向が見られ、また世界的な物価の高止まりや各国における金融引き締めの継続による内需の下振れ、ウクライナ情勢の長期化、足元での原油価格の上昇など、世界経済の成長下振れリスクは依然として高く、先行きが不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループは、積極的な国内外の販売活動を実施するとともに、安全安定生産強化と生産性向上に努めてまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比2億7百万円(1.1%)減の189億9千万円、損益面では、営業利益は同8億2千3百万円(29.4%)増の36億2千2百万円となりました。また、経常利益は同7億6千3百万円(27.7%)増の35億2千1百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同6億4千1百万円(33.2%)増の25億7千3
百万円となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[ヨウ素及び天然ガス事業]
ヨウ素及び天然ガス事業では、販売先における製品在庫調整等の影響を受け、ヨウ素製品の販売数量は前年同期を下回りましたが、ヨウ素の国際市況が引き続き堅調に推移したこと、加えて為替相場が円安になったことにより販売価格が上昇し、売上高は前年同期を上回りました。営業利益につきましては、原燃材料価格の上昇等の減益要因がありましたが、上記売上高の増加要因等により、前年同期を上回りました。
この結果、売上高は前年同期比25億1千4百万円(18.0%)増の164億6千2百万円、営業利益は同15億3千9百
万円(67.0%)増の38億3千7百万円となりました。
[金属化合物事業]
金属化合物事業では、主要製品である塩化ニッケルについて、販売価格は前年同期を上回ったものの、販売先における製品在庫調整の影響を受けて販売数量が大幅に減少したことにより、売上高は前年同期を大きく下回りました。損益面につきましては、販売数量の大幅な減少、原燃材料価格の上昇、操業度の低下等により、営業損失の計上となりました。
この結果、売上高は前年同期比27億2千1百万円(51.8%)減の25億2千7百万円、営業損失は2億1千4百万円(前年同期は営業利益5億1百万円)となりました。なお、この営業損失には、当第3四半期連結会計期間において計上した、塩化ニッケルに係る棚卸資産の評価損2億8百万円(売上原価)が含まれております。
(2)財政状態の状況
(総資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して18億9千1百万円増加の380億3千8百万円となりました。これは主に、棚卸資産が増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比較して1億9千5百万円増加の71億2千1百万円となりました。これは主に、賞与引当金が増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して16億9千5百万円増加の309億1千6百万円となりました。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、1億8千8百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。