【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)における当社グループをとり巻く環境は、ウクライナ情勢の悪化、長期化に起因する資源、エネルギー価格の高止まり、物価上昇圧力に対する各国における政策金利の引き上げ、中国のゼロコロナ政策継続等による成長鈍化により、世界経済の回復ペースが大幅に減速し、経済成長の下振れリスクが高まるなど、先行きが不透明な状況が継続しております。
新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループの業績への影響につきましては、2020年12月期の後半より一部の用途向けヨウ素の需要に影響が出ましたが、前連結会計年度の上半期の後半以降、需要は回復しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比43億9千9百万円(29.7%)増の191億9千7百万円、損益面では、営業利益は同8億4千4百万円(43.2%)増の27億9千8百万円となりました。また、経常利益は同8億2千万円(42.3%)増の27億5千8百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同6億4千5百万円(50.2%)増の19億3千1百万円となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[ヨウ素及び天然ガス事業]
ヨウ素及び天然ガス事業では、前述のとおり新型コロナウイルス感染拡大による一部用途向けヨウ素の需要への影響は無くなり、ヨウ素製品の販売数量が堅調に推移したこと、またヨウ素の国際市況が引き続き堅調に推移したこと、加えて為替相場が前年同期よりも大幅な円安になったことにより、売上高は前年同期を上回りました。営業利益につきましても、上記要因により前年同期を上回りました。
この結果、売上高は前年同期比22億1千2百万円(18.9%)増の139億4千8百万円、営業利益は同5億3千2百万
円(30.2%)増の22億9千7百万円となりました。
[金属化合物事業]
金属化合物事業では、主要製品である塩化ニッケルの販売数量が堅調に推移するとともに、金属相場が上昇したことにより、売上高は前年同期を上回りました。営業利益につきましても、上記要因により前年同期を上回りました。
この結果、売上高は前年同期比21億8千6百万円(71.4%)増の52億4千9百万円、営業利益は同3億1千1百万円(164.9%)増の5億1百万円となりました。
(2)財政状態の分析
(総資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して24億7百万円増加の358億2千2百万円となりました。これは主に、売掛金及び棚卸資産が増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比較して8億1千7百万円増加の71億1百万円となりました。これは主に、買掛金が増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して15億8千9百万円増加の287億2千万円となりました。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前連結会計年度の有価証券報告書「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営目標」に記載のとおり、翌連結会計年度以降の経営目標については、積極的な設備投資が継続する状況も踏まえ、今後の取締役会で議論を行う予定としておりましたが、2022年度以降の経営目標につきまして、中期計画の積極的投資継続を踏まえ、キャッシュ・フローをより重視し、EBITDAを新たな経営目標に採用するとともに、資本効率の指標としてROE(自己資本利益率)を継続採用し、以下のとおり設定いたしました。
・EBITDA額は、40億円超
・ROE(自己資本利益率)は、6%超
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、2億7百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。