【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や世界的な金融引き締めによる経済成長の減速、それに伴う新興市場・途上国の金融市場等への悪影響が懸念されており、不安定な経済状況が続いております。国内経済においては、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が第5類へ引き下げられたことや各種政策の緩和等を背景に、宿泊・飲食などのサービス消費や訪日外国人の増加によるインバウンド需要を含む国内消費が緩やかな回復基調にあります。一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰や物価上昇などの影響が懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、2022年度から始まった中期経営計画「Next Stage 24」に基づき、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支え、国内外の社会的課題を解決するとともに、コロナ禍後における事業環境変化への適応を推進しております。 当第1四半期連結累計期間の経営成績といたしましては、半導体部品の入手難による影響を一部製品で受けており、受注高は31,383百万円(前年同期比15.5%減)、売上高は14,155百万円(前年同期比1.2%増)となりました。損益面につきましては、「鉄道信号」事業の開発費用増加等により、営業損失は1,521百万円(前年同期は726百万円の営業損失)、経常損失は997百万円(前年同期は126百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,067百万円(前年同期は552百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
事業の概況をセグメント別に申し上げますと、次のとおりであります。
[交通運輸インフラ事業] 「鉄道信号」では、国内市場においては、鉄道事業者各社向けにATC(自動列車制御装置)や電子連動装置等の受注・売上がありました。海外市場においては、台湾やフィリピン等で鉄道信号システムの受注・売上がありました。 道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、交通管制システムや信号灯器、制御機等の受注・売上がありました。 結果といたしましては、受注高は14,973百万円(前年同期比37.2%減)、売上高は6,812百万円(前年同期比13.0%減)となりました。また、損益面につきましては、セグメント損失は840百万円(前年同期は63百万円のセグメント損失)となりました。
[ICTソリューション事業]
駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、券売機や改札機、ホームドアの受注・売上がありました。海外市場においては、ベトナムやバングラデシュ等でホームドアやAFCシステムの受注・売上がありました。 ロボティクスおよびセンシングを中心とする「R&S」では、ホームドアや建機・農機に搭載する3D距離画像センサや各種ロボット製品等の受注・売上がありました。 結果といたしましては、受注高は16,410百万円(前年同期比23.2%増)、売上高は7,343百万円(前年同期比19.2%増)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は213百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(2)財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末における総資産は、棚卸資産の増加5,043百万円、時価の上昇等による投資有価証券の増加2,086百万円、現金及び預金の増加1,713百万円等がありましたものの、受取手形、売掛金及び契約資産の減少20,032百万円等により、前連結会計年度末に比べ10,287百万円減少の135,731百万円となりました。 負債は、短期借入金の減少7,815百万円、支払手形及び買掛金の減少1,273百万円、賞与引当金の減少1,239百万円等により、前連結会計年度末に比べ9,690百万円減少の46,977百万円となりました。 純資産は、その他有価証券評価差額金の計上1,741百万円等がありましたものの、利益剰余金の配当による減少1,247百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上1,067百万円等により、前連結会計年度末に比べ596百万円減少の88,754百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は10,078百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,713百万円の増加となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や法人税等の支払等がありましたものの、主に売上債権の減少により、10,770百万円の資金の増加(前年同期は11,947百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産の取得等がありましたものの、投資有価証券の売却等により、92百万円の資金の増加(前年同期は494百万円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済や配当金の支払等により、9,156百万円の資金の減少(前年同期は8,598百万円の資金の減少)となりました。
(4)研究開発活動当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、516百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)対処すべき課題2022年度から中期経営計画「Next Stage 24」をスタートしており、新商品・新商材の社会実装を加速させ、コロナ禍後におけるお客様との価値共創、国際事業の拡充と収益力向上、ソフトウエアファースト時代の設計力・ものづくり力の強化を図るとともに、ESG経営を推進し、企業価値の向上に努めてまいります。
<重点課題1>「コロナ禍後における顧客との価値共創」 顧客の構造改革を支えるソリューションビジネスの拡大に向け、鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM、駅ホーム監視システム、ロボット等の省力化に資する開発を推進し、本格的な事業化に向けた社会実装の加速に取り組みます。
<重点課題2>「国際事業の拡充と収益力向上」案件履行から保守・メンテナンス、延伸案件と市場開拓による継続的な事業展開へと、メガシティに根付いた事業展開による収益力向上を目指すと共に、海外現地化を進め、グローバル対応力強化を図ります。
<重点課題3>「ソフトウエアファースト時代の設計力・ものづくり力の強化」 脱炭素、ソフトウエアファーストに対応した商材開発の強化とグループベースでの設計・生産体制の確立を図ると共に、標準化・内製化の推進と設備投資による生産性向上などにより、QCD最適化を目指します。
<その他>「持続的な価値創造に向けたESG経営の推進」 脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減やTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures/気候関連財務情報開示タスクフォース)への参画、価値創造の原動力としてのダイバーシティの推進やすべての事業活動を通じたサステナビリティの推進などにより、企業価値向上を目指します。 また、法改正への適切な対応など、コーポレートガバナンスとコンプライアンスの持続的強化、グループリスクマネジメント強化とBCP再構築にも取り組んでまいります。
