【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)の世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に一定の落ち着きが見られましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等に起因する世界的なエネルギー価格の高騰及びインフレ圧力の高まり、中国のゼロコロナ政策による経済活動の減速など懸念材料が払拭しきれない状況で推移いたしました。国内経済においては、政府による旅行支援策や新型コロナウイルス感染症の水際対策緩和に伴い、インバウンド需要や個人消費の増加、企業の収益持ち直しなどの動きを見せております。一方で、物価上昇による実質所得の低下や原材料価格の高騰など、依然として先行きの見通しは不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、2022年度から始まった第2期中期経営計画「Next Stage 24」に基づき、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることによって、国内外の社会的課題を解決するとともに、Withコロナ時代における事業環境変化への適応を推進しております。また、本計画の取り組みの一つとして、2022年11月に海外で4拠点目となる新会社をバングラデシュの首都ダッカに設立いたしました。今後も旺盛なインフラ投資が見込まれる同国でのビジネス展開を長期的に行い、更なる事業拡大を図ってまいります。なお、半導体部品の入手難による生産工程への影響に対しては、引き続き設計変更等の対応に努めております。当第3四半期連結累計期間の経営成績といたしましては、受注高は79,313百万円(前年同期比52.2%増)、売上高は53,711百万円(前年同期比1.6%減)となりました。損益面につきましては、営業利益は1,213百万円(前年同期比22.2%増)、経常利益は1,985百万円(前年同期比1.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は789百万円(前年同期比24.7%減)となりました。
事業の概況をセグメント別に申し上げますと、以下のとおりであります。
[交通運輸インフラ事業]「鉄道信号」では、国内市場において、鉄道事業者各社向けにATC(自動列車制御装置)や電子連動装置に加え、CTC(列車集中制御装置)等の受注・売上がありました。将来に向けた取り組みとしては、Withコロナにおける顧客の構造改革を支えるソリューションの製品開発も進めており、鉄道沿線の設備状態を監視するシステム「Traio」の社会実装に向けた事業活動を加速させております。海外市場においては、フィリピンやインド、中国でSPARCS(無線式列車制御システム)等の受注・売上がありました。運転時隔短縮や省電力化に寄与するシステムを構築し、交通インフラによる快適で安全な街づくりに貢献してまいります。道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、全国展開を行っているMVNO(回線提供サービス)や交通管制システム更新等の受注・売上がありました。 将来に向けた取り組みとしては、自動運転実証実験の各種プロジェクトへも積極的に参画しており、品質、コスト面で優れた製品の提供ができるよう、引き続き取り組んでまいります。結果といたしましては、受注高は50,151百万円(前年同期比78.2%増)、売上高は28,588百万円(前年同期比6.1%減)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は1,685百万円(前年同期比15.0%減)となりました。
[ICTソリューション事業]駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、各種ホームドアや券売機等の受注・売上がありました。 将来に向けた取り組みとしては、国土交通省の鉄道駅バリアフリー化を加速する計画を背景にしたホームドア導入、シームレスな移動を支えるソリューションである乗車券のデジタル化や電子決済化にも対応した製品・サービス等の展開に取り組んでまいります。海外市場においては、バングラデシュやエジプトでのAFCシステムやホームドア等の受注・売上がありました。セキュリティソリューションシステムを中心とする「スマートシティ」では、ホームドアや建機・農機に搭載する3Dセンサを中心に、各種セキュリティ製品やロボット製品の受注・売上がありました。 将来に向けた取り組みとしては、2021年3月から鉄道における高所作業用人型ロボット「多機能鉄道重機」の開発を進めており、社会課題としての「現場の重労働・危険作業」解消を目標に掲げ、社会実装に向けて取り組んでおります。結果といたしましては、受注高は29,161百万円(前年同期比21.6%増)、売上高は25,123百万円(前年同期比3.9%増)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は2,085百万円(前年同期比49.7%増)となりました。
(2) 財政状態の状況 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少9,484百万円等がありましたものの、棚卸資産の増加8,253百万円、現金及び預金の増加2,697百万円、時価の上昇等による投資有価証券の増加2,291百万円等により、前連結会計年度末に比べ4,757百万円増加の138,844百万円となりました。 負債は、支払手形及び買掛金の減少1,232百万円等がありましたものの、短期借入金の増加5,419百万円等により、前連結会計年度末に比べ4,581百万円増加の51,927百万円となりました。 純資産は、利益剰余金の配当金による減少1,684百万円等がありましたものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上789百万円、その他有価証券評価差額金の計上1,089百万円等により、前連結会計年度末に比べ176百万円増加の86,916百万円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は9,053百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,708百万円の増加となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加等がありましたものの、主に売上債権の減少により、1,523百万円の資金の増加(前年同期は3,566百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産及び投資有価証券の取得により、2,397百万円の資金の減少(前年同期は1,575百万円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等がありましたものの、主に短期借入れによる資金の増加により、3,592百万円の資金の増加(前年同期は7,740百万円の資金の減少)となりました。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,795百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 対処すべき課題長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION100」の第2期中期経営計画として2022年度から始まった「Next Stage 24」のコンセプトは、コロナ禍により創り出され、すでに定着しつつある新たな社会経済活動や生活様式に対し、社会インフラを提供する企業グループとして、デジタル・AIの力を駆使し、高度なソリューションを送り出すことで、安心・安全な交通インフラと持続可能な社会を創り出すことであります。当社グループ理念の私たちの使命「安全と信頼の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献する」の実践を通じて、コロナ禍でも、安心・安全・快適に生活ができ、これまでの当たり前を取り戻すことに貢献したいと考えています。中期経営計画「Next Stage 24」では、当社の変わらない価値観・基盤としてのグループ理念、及び足元の環境変化を踏まえ、以下の3つの重点課題を設定すると共に、持続的な価値創造に向け、ESG経営を推進します。
<重点課題1>「コロナ禍後における顧客との価値共創」顧客の構造改革を支えるソリューションビジネスの拡大に向け、鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM、駅ホーム監視システム、ロボット等の省力化に資する開発を推進し、本格的な事業化に向けた社会実装の加速に取り組みます。
<重点課題2>「国際事業の拡充と収益力向上」 案件履行から保守・メンテナンス、延伸案件と市場開拓による継続的な事業展開へと、メガシティに根付いた事業展開による収益力向上を目指すと共に、海外現地化を進め、グローバル対応力強化を図ります。
<重点課題3>「ソフトウェアファースト時代の設計力・ものづくり力の強化」 脱炭素、ソフトウェアファーストに対応した商材開発の強化とグループベースでの設計・生産体制の確立を図ると共に、標準化・内製化の推進と設備投資による生産性向上などにより、QCD最適化を目指します。
<その他>「持続的な価値創造に向けたESG経営の推進」 脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減やTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures/気候関連財務情報開示タスクフォース)への参画、価値創造の原動力としてのダイバーシティの推進やすべての事業活動を通じたサステナビリティの推進などにより、企業価値向上を目指します。 また、法改正への適切な対応など、コーポレートガバナンスとコンプライアンスの持続的強化、グループリスクマネジメント強化にも取り組んでまいります。
