【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。(1) 経営成績 当第2四半期連結累計期間における世界経済は、欧米の金融引き締めによる影響やウクライナ侵攻の長期化によって食料品や資源の高騰、中国で対中輸出規制や不良債権問題の顕在化によるゼロコロナ解除後の回復が遅れるなどの影響により、総じて弱含みに推移しました。 国内経済は、半導体や電動化関連投資、脱炭素やデジタル化投資などの設備投資計画に増加の兆しがみられ、消費財を中心とした物価高という下振れ要因はあったものの、賃金上昇による個人消費の回復、インバウンド需要の回復などにより堅調に推移しました。 当社グループの取引に関する業界は、産業機器市場で一部在庫調整の局面がみられ、また工事現場や生産現場における人手不足が顕在化したものの、省力化投資などの設備投資や自動車生産が回復基調で推移したことに加え、サプライチェーンも回復し、さらにはリバウンド需要に対する供給も堅調に推移しました。 このような状況下、当社グループは、来年度が最終年度となる中期経営計画で掲げた代理店・商社の枠を超えた事業創出会社として「成長事業のビジネスモデルの確立」「基幹中核事業の生産性向上」及び「事業推進基盤の強化」への取り組みを加速し、2023年4月には会社名を「菱電商事株式会社」から「株式会社RYODEN」に変更、新生RYODENとして新たな価値を創造すべく取り組んでまいりました。その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高1,298億43百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益42億36百万円(前年同期比11.1%減)、経常利益43億13百万円(前年同期比8.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益29億00百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
増減率(%)
FAシステム
売 上 高
22,376
25,555
14.2
営業利益
691
1,229
77.9
冷熱ビルシステム
売 上 高
12,370
14,256
15.2
営業利益
362
644
77.8
X-Tech(クロステック)
売 上 高
2,759
2,568
△6.9
営業損失(△)
△97
△238
–
エレクトロニクス
売 上 高
89,555
87,502
△2.3
営業利益
4,024
2,788
△30.7
①FAシステム半導体製造装置向けの販売は海外需要の落ち込みを受け低調に推移しましたが、サプライチェーンの回復、自動車関連のEV化に伴う新規設備投資需要の取り込み、自動化・省人化・製造業DXなど新分野の需要獲得にも注力したことで、堅調に推移しました。その結果、FAシステムの売上高は255億55百万円、営業利益は12億29百万円となりました。
②冷熱ビルシステム冷熱分野では、設備投資や民間消費の回復とともに暑熱対策ニーズの高まりによる商業施設向けの業務用エアコンや低温設備機器の販売が好調に推移しました。ビルシステム分野では、建設市場における資材の高騰、人手不足による新規建設計画長期化の影響を受けましたが、昇降機や電源設備の販売及び既存設備の更新案件が順調に推移したことにより好調に推移しました。その結果、冷熱ビルシステムの売上高は142億56百万円、営業利益は6億44百万円となりました。
③X-Techヘルスケア分野では、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う医療関連設備投資が減少したことにより、IT関連機器をパッケージ化して提供するサブスクリプションサービス「トータルパックIT」、大型検査装置・画像システム等の販売が低調に推移しました。ICT分野では、ビデオマネジメントシステム「FlaRevo」やRFIDを活用した資産管理システム案件は低調に推移しましたが、IT関連機器の販売は堅調に推移しました。スマートアグリ分野では、電気代の高騰、資材高騰の影響を受け低調に推移するなか、植物工場野菜の研究開発・生産・販売・ブランディングを提供するバリューチェーン機能を事業基盤とする体制は整いました。今後は次世代農業やフードテック市場へ参入する企業向けに独自のサービスを提供し、データドリブンで収益性の高いスマート農業の構築に取り組んでまいります。以上の結果、X-Techの売上高は25億68百万円、営業損失は2億38百万円となりました。
④エレクトロニクス国内では、車載市場は自動車メーカーの生産回復に伴い、インフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ、センサーIC等の販売が堅調に推移しました。産業機器市場ではパワーデバイス等の販売が堅調に推移しました。海外子会社では、欧米地域の車載関連向け販売が低調に推移しましたが、中国地域の産業機器関連向けアナログ半導体、東南アジア地域の車載関連向けメモリ等の販売が堅調に推移しました。その結果、エレクトロニクスの売上高は875億2百万円、営業利益は27億88百万円となりました。
(2) 財政状態資産の部は、受取手形、売掛金及び契約資産が7億63百万円減少しましたが、現金及び預金が85億30百万円、電子記録債権が43億37百万円、商品及び製品が50億38百万円増加したこと等により、資産合計は前連結会計年度末比146億92百万円増加し、1,657億42百万円となりました。負債の部は、支払手形及び買掛金が8億77百万円減少しましたが、電子記録債務が101億5百万円、短期借入金が14億92百万円増加したこと等により、負債合計は前連結会計年度末比113億37百万円増加し、824億88百万円となりました。純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益を29億円、配当金を8億95百万円計上、為替換算調整勘定が8億93百万円、その他有価証券評価差額金が3億50百万円増加したこと等により、純資産合計は前連結会計年度末比33億54百万円増加し、832億53百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.7ポイント減少し、50.1%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当社グループは、経営成績の向上と財政状態の安定を図り、資金需要に応じた一定の手許流動性を維持しながら、健全かつ効率的な財務活動を行っております。当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比89億21百万円増加し、200億12百万円の残高となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動により得られた資金は、78億63百万円(前年同期比115億62百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益43億84百万円の計上と、売上債権・棚卸資産、並びに仕入債務の増加によるネット資金の増加15億32百万円、未収入金の減少による資金の増加26億50百万円、法人税等の支払17億87百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動により得られた資金は、2億24百万円(前年同期比15億56百万円収入増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億38百万円、無形固定資産の取得による支出1億26百万円、投資有価証券の取得による支出1億25百万円、有価証券の償還による収入1億66百万円、3ヶ月を超える定期預金の払戻による収入4億40百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動により得られた資金は、4億70百万円(前年同期比2億72百万円支出増)となりました。これは主に、配当金の支払8億91百万円、短期借入金の増加13億62百万円によるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。