【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
医薬品業界は、国内外において研究開発のスピードアップと費用の効率化ならびに規制当局への対応簡素化を期待してCRO(Contract Research Organization:医薬品開発業務受託機関)へのアウトソーシング(外部委託)の動きが引き続き活発化しております。加えて核酸医薬、次世代抗体医薬、ペプチド医薬、遺伝子治療、細胞治療、再生医療などの新規創薬モダリティ(治療手段)の研究開発が本格化してきています。このようなトレンドを受け、CRO事業を主力事業とする当社は、“ダントツのCRO”としてクライアントから第一に指名される存在になることを目指しており、顧客ニーズを満たす迅速な対応とサービスの向上ならびに継続的な品質の向上に注力しております。
こうした状況の中、当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日)における売上高は主力のCRO事業がけん引し、11,884百万円と第2四半期として過去最高となり、前第2四半期連結累計期間に比べて1,535百万円(14.8%)の増加となりました。営業利益は、2023年4月に149名の新入社員(前年比109名増)が加わったことによる人件費増や試験材料費の上昇によるコストアップ等がありましたが、これらを吸収し2,349百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて35百万円(1.5%)の増加となり、第2四半期として過去最高益となりました。一方、経常利益は3,756百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて2,172百万円(36.6%)の減少となりました。これは当第2四半期連結累計期間の為替差益が242百万円と、前第2四半期連結累計期間の為替差益2,586百万円と比べて2,344百万円減少したことなどが主因です。なお、為替影響を除いたベースでは、当第2四半期連結累計期間の経常利益は3,514百万円であり、前第2四半期連結累計期間の経常利益3,342百万円と比べて171百万円(5.1%)の増益になっております。親会社株主に帰属する四半期純利益は2,966百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて1,453百万円(32.9%)の減少となりました。
当社グループの従業員数(連結ベース/時間給・非常勤を除く)は、2023年9月30日現在で1,358名(2023年3月末比150人増)です。なお、当社の女性従業員比率は52.6%(2023年3月末は53.5%)となっております。
当社グループは2023年9月30日現在において、当社、連結子会社25社及び持分法適用関連会社4社で構成されています。セグメント別の経営成績及びSDGs/ESGへの取組みは次のとおりです。
① CRO事業
CRO事業は、細胞・実験動物等を用いる非臨床試験(または前臨床試験)を受託する非臨床事業と、臨床試験を受託する臨床事業から構成されます。
非臨床事業の売上高、利益は、当第2四半期連結累計期間も順調に推移しました。当社がこれまで実施してきた以下の取組みが成果を表してきております。
・CROとして世界で唯一構築できている「自社グループ内における実験用NHP(Non-human Primates)繁殖・供給体制」が新たな創薬モダリティの研究開発の本格化等により重要性を増し、世界的な実験用NHPの枯渇により受注に繋がっております。本取組みを評価いただき、国内外顧客からの要望に応えて顧客専用NHPコロニーを顧客ごとに群編成して飼育しております。通常はNHP試験を受注後に当社予備飼育中のNHPを当該試験へ投入し実験を行いますが、当社NHPを予め購入していただき専用NHPコロニーを設置し、試験へ投入するまで当社にて顧客専用として飼育することで、いつでも実施したいタイミングでNHP試験を開始できます。よって、顧客専用コロニーは将来のNHP試験受注へ繋がります。また、国内でのNHP生産体制を強化し、輸入リスクの軽減と品質向上を目指しております。
・生体試料中の医薬品等開発候補品(被験物質)やバイオマーカーの濃度分析をバイオアナリシスと呼びますが、新たな創薬モダリティの有効性・安全性評価に必要な最新鋭装置を導入し、被験物質やバイオマーカーの評価系を早い時期から構築してきたことが、上記「自社グループ内における実験用NHP繁殖・供給体制」構築と相乗効果を発揮し、新たな創薬モダリティに関連した受注に繋がっております。
・2023年3月期には、これらの取組みを評価いただき国内製薬企業と新たなプリファード契約を締結し受注増に繋がっております。また、今年度に入り海外大手製薬数社が新たな契約締結へ向けたデューデリジェンスを本格化しており、具体的なパイロット試験の受託がはじまりました。
・大手製薬企業との創薬段階における包括的研究受託契約も順調に推移し、既に複数の企業から創薬段階の研究を受注しております。
・若手研究員を中心にサイエンスレベルの知的向上に注力し、業界に関連した資格や学位取得、学会・論文発表を会社として奨励・支援し、クライアントに対してより効果的で効率的な試験を提案できるCROを目指しております。
上記取組みの結果、当第2四半期連結累計期間における非臨床事業の受注高は12,656百万円となり、前第2四半期連結累計期間に比べて717百万円(5.4%)の減少となりました。2023年9月末の受注残高は32,224百万円となりました(2023年3月末比2,976百万円増)。国内製薬企業、ベンチャー企業の受注高は順調に増加し、国内受注高は前第2四半期連結累計期間に比べて2,078百万円(27.2%)増加の9,720百万円となりましたが、前期増加した前倒し契約の減少及びアジア市場の問い合わせ減少に伴い、海外からの受注額は、前第2四半期連結累計期間に比べて2,796百万円(48.8%)減少の2,935百万円となりました。
総受注額に占める海外受注比率は23.2%(前第2四半期連結累計期間は42.9%)となりました。
しかしながら、足元の問い合わせ状況は好転しており、欧米及びアジアからの問い合わせは増加しております。なお、2022年7月に連結子会社となった株式会社イナリサーチ(以下、イナリサーチ)の当第2四半期連結累計期間の受注高は戦略的に取組んでいる農薬関係も加わり1,761百万円となっております。
一方、臨床事業は、米国Wilmingtonに本拠を置くグローバル臨床CROであるPPD, Inc.(以下、PPD社)との合弁会社、株式会社新日本科学PPD(以下、新日本科学PPD)において、主に国際共同治験(グローバル・スタディ)の受託事業を展開しております。新日本科学PPDは、PPD社が受託した国際共同治験における日本エリアの実施を主力事業としており、外資系グローバル企業でありながら、当社が培ってきた調和を大切にする日本型経営要素を取り入れた職場環境を整えることで、高い社員定着率を実現し、従業員数も近く1,000名を超える見通しです。なお、新日本科学PPDは持分法適用関連会社(現在の当社持分は40%)であることから、連結損益計算書に及ぼす影響額については、営業外収益の項目に「持分法による投資利益」として計上されています。新日本科学PPDの当第2四半期連結累計期間の「持分法による投資利益」は1,232百万円(前第2四半期連結累計期間は986百万円)と大幅に増加しており、第2四半期連結累計期間として過去最高となりました。CRO事業においては、非臨床事業という収益エンジンのほかに、臨床事業という収益エンジンが加わり、成長を続けています。なお、PPD社は、2021年12月に世界的な大手医療機器企業であるThermo Fisher Scientific Inc.によって株式買収されました。グループ規模拡大によるシナジー効果が受注体制強化に繋がっております。
CRO事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は、11,490百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ1,705百万円(17.4%)の増加となりました。同事業の営業利益は、2,942百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ139百万円(5.0%)の増加となり、売上高営業利益率は25.6%になっております。なお、イナリサーチの売上高は1,836百万円、営業利益は利益率の低い大型試験が売上計上されたという一時的要因等により前第2四半期連結累計期間に比べ107百万円の減益となる10百万円となっております。
② トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
トランスレーショナル リサーチ事業(TR:Translational Research、以下TR事業)とは、自社研究開発のほか、国内外の大学、バイオベンチャー、研究機関などにおいて基礎研究から生まれる有望なシーズや新技術を発掘し、付加価値を高めて事業化または株式上場、あるいはM&Aにつなげる研究開発型の事業です。
1997年以来、TR事業の主軸として探求してきた当社経鼻投与基盤技術は、独自に発見した担体をベースにした粉体製剤技術と独自設計の投与デバイス(医療機器)を組み合わせたプラットフォーム技術であり、鼻粘膜からの速やかな薬物吸収に基づく即効性を特徴としており、加えて注射に比べて投与が簡易で製剤の室温保存も可能という強みがあります。
経鼻投与の事業化については、プロジェクトを数種に絞り込んでおります。当社連結子会社である株式会社SNLDでは、国内でパーキンソン病のオフ症状治療のための経鼻On-demand therapy(要求に応じた治療)薬(開発コード:TR-012001)の臨床第1相試験を実施しました。同試験では、合計21例の健常人を対象にTR-012001を経鼻投与し、その安全性および忍容性、ならびに薬物動態の評価を行い、2023年1月に終了いたしました。さらに、次相の臨床試験実施を決定しており、8月に治験届を提出しています。また、更なる利便性向上を企図した、TR-012001の製剤・デバイス改良研究が進展し、その臨床試験実施の準備に着手しております。
米国においては事業化に向けて大きな進展がありました。当社は経鼻偏頭痛治療薬(開発コード:STS101)の開発を進める米国Satsuma Pharmaceuticals,Inc.(以下、Satsuma社)に経鼻投与技術のライセンス供与をしていましたが、当社は2023年4月16日にSatsuma社の買収に関する契約を締結、公開買付けを実施し、2023年6月8日に同社を完全子会社としました。Satsuma社は、2023年3月にFDA(米国食品医薬品局)に新薬承認申請書(NDA)を提出、5月に受理されたことを発表しております。現在、FDA対応を着実に進めるとともに、量産製造ラインの構築も鋭意行っております。なお、FDAが指定したSTS101の審査終了の目標は、2024年初頭を見込んでおります。
もう1つの経鼻製剤開発プロジェクトとして、経鼻粘膜免疫作用を期待した経鼻ワクチンの研究に着手しています。多くのワクチンの目的は発症阻止または重症化予防ですが、当社が目指す経鼻ワクチンは、感染そのものを起こさせないこと(これを「遮断免疫」と言います)を狙って開発しています。2023年1月に近畿大学生物理工学部との間で、呼吸器感染症の流行を抑制しうる新規経鼻ワクチンを世界に先駆けて開発することを目的として、共同研究開発契約を締結しております。同年4月には社内に経鼻粘膜ワクチン研究開発センターを開設し、ターゲットとなる感染症を決めてワクチン素材候補を複数定め、非臨床社内インフラを有効活用しながら研究を開始しております。
上記の薬物の経鼻投与基盤技術を応用した創薬研究開発を行う一方、経鼻投与によって薬物の脳移行性を高める独自の送達技術(Nose-to-Brain送達技術:N2B-system)の研究も実施しています。鼻腔内の最も脳に近い領域(嗅部領域)に、選択的に粉末製剤を投与できる特殊な投与デバイス技術を開発し、ヒトに似た鼻腔構造を持つカニクイザルを用いて、血液脳関門を通過しにくい薬物を本技術で経鼻投与した時、脳内の特異的受容体に高効率に薬物が結合することをPETイメージング画像で評価しました。浜松医科大学との共同研究によって得られた本成果は2023年6月にドラッグデリバリー研究領域において権威のある科学雑誌Journal of Controlled Release,359(2023),pp384-399(インパクトファクター:11.4)に掲載されました。
子会社の株式会社Gemseki(以下、Gemseki)は、創薬シーズ・技術に関するライセンス仲介事業をグローバルベースで展開するとともに、同社を無限責任組合員としたファンドを組成し、ベンチャー企業への投資事業を行っております。ライセンス仲介事業においては、Gemsekiの仲介により、国立大学法人北海道大学と株式会社ティムスが、医薬品候補物質の評価及び使用許諾に関するオプション契約を締結したことを2023年5月に開示いたしました。その他の複数の案件についても、秘密保持契約下での提携交渉が進展しており、創薬シーズ・技術の導出・導入が円滑に進むようにサポートしております。投資事業においては、既存投資先への追加投資を含むベンチャー企業への投資を積極的に実施いたしました。国内外の複数の既存投資先との継続的なコミュニケーションの過程で、Gemsekiのライセンス仲介事業や新日本科学との事業シナジー創出に向けた検討を進めております。医薬品・医療機器を創出し育てていくために必要な支援を当社グループ内において、ワンストップで提供するとともに、当社グループ間でのシナジー創出を目指しております。
そうした中、TR事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は、6百万円(前第2四半期連結累計期間:11百万円)、営業損失は研究開発費の増加等により498百万円(前第2四半期連結累計期間:営業損失328百万円)となりました。
③ メディポリス事業(社会的利益創出事業)
当社は、鹿児島県指宿市の高台に103万坪(3,400,000㎡)の広大な敷地「メディポリス指宿」を保有しており、この自然資本(約9割が森林)を活用したメディポリス事業を社会的利益創出事業として展開しています。社会的利益創出事業は、企業理念である「環境、生命、人材を大切にする会社であり続ける」ことを体現するものであり、当社は経済的利益のみならず、社会や環境課題といった視点から社会的利益を一体的に創出しています。具体的には、再生可能エネルギーを活用した発電事業や人々のWellbeing(ウェルビーイング)、つまり全人的な健康の実現をメインコンセプトとしたホテル宿泊施設の運営(ホスピタリティ事業)などを行っております。
発電事業は、2015年2月より1,500キロワット級のバイナリー型地熱発電所を運営しています。地熱発電はCO2排出量がほぼゼロであり、日中夜間を通じて天候に左右されず、年間を通して安定的な発電が可能なベースロード電源として期待されています。当社の地熱発電所は高い設備稼働率を維持し、当社の年間消費電力量の約半分相当にあたる約1,000万kWhを発電、FIT(固定価格買取)制度にて売電しており、安定的な収入を計上しています。8月には発電所の年次点検を実施しましたが、特段大きな問題は見つかっておりません。また、新規発電プロジェクトとして、ホテルで浴用や床暖房に使用している泉源の余剰蒸気を活用した温泉発電所(年間発電量は400万kWh)の計画を進めており、昨年に発電所の完工および系統接続が完了しております。なお、本プロジェクトは今年度の売電開始に向けて最終的な調整段階に入っておりましたが、発電設備の初期不良が見つかり、現在、一部設備の新品交換を含めた修繕作業を行っております。修繕が完了し次第、売電を開始してまいります。本温泉発電所はFIT認定(期間15年、売電単価40円/kWh)取得済みであることから、遅延による本プロジェクトの期待収益に与える影響は軽微であります。
ホスピタリティ事業は、お客様のニーズに合わせる形でホテル施設(宿泊部屋総数74室)を宿泊棟と機能ごとに3つに区分しており、ヒーリングリゾートホテル「別邸 天降る丘」、研修滞在型施設「指宿ベイヒルズHOTEL & SPA」、メディポリス国際陽子線治療センターの患者専用宿泊施設「HOTELフリージア」がそれぞれ稼働しております。なお、メディポリス国際陽子線治療センターは2011年1月に治療を開始して以来、5,900件を超えるがん患者さんの陽子線治療の実績を積み重ねています。ホスピタリティ事業を行っている意義は、主に2点あります。1つは、企業価値向上という視点で、人々のWellbeingに貢献する企業であるという点です。もう1つは、新日本科学における顧客へのおもてなしマインド向上への貢献という点にあります。ホスピタリティ事業を通して、新日本科学グループとしてのおもてなしマインドを一層強化し、それを主力のCRO事業にも還元していくことは、当社が世界で戦っていくうえで重要な役割を果たすことになると考えています。
メディポリス事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は、ホテル宿泊施設の稼働率が回復傾向にあることなどから348百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ45百万円(15.0%)の増加となりました。営業損益は、前第2四半期連結累計期間の発電事業における8年目法定定期点検にかかる費用が剥落したことにより57百万円の営業損失と前第2四半期連結累計期間(営業損失:147百万円)に比べて90百万円の赤字削減となりました。
④ SDGs/ESGへの取組み
2015年9月の国連総会で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」は、2030年までの達成を目指す世界中の人々が幸せに暮らせるように定められた世界共通の目標です。これは、当社創業以来の企業理念「環境・生命・人材を大切にする会社であり続ける」と、当社スローガン「わたしも幸せ、あなたも幸せ、みんな幸せ」そのものであり、当社はSDGs/ESGの取組みについて、業界のリーディングカンパニーであると自覚しております。
現在、2021年8月に取締役会の諮問機関として設置した「SDGs委員会」(委員長は独立社外取締役の戸谷圭子氏)において毎月活発な議論を行っており、その成果として作成したサステナビリティレポート及び各種ESGポリシー、TCFD提言に基づく情報開示等を自社WEBサイト上の専用ページ(https://www.snbl.co.jp/esg/)に開示しております。
2022年10月6日には「統合報告書2022」を発行しております。当社が創造していきたい未来として、2028Vision「ステークホルダーに寄り添い、幸せの連鎖を創造する」を掲げました。経営戦略では、2028年度の財務目標として「売上高500億円、経常利益200億円、売上高経常利益率40%」を目指すとしています。新たに重視する資本収益性の指標としてROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)を掲げ、ともに10%以上を目指すとしました。2023年6月にコーポレートガバナンス報告書を更新しました。当社は、2021年6月の改訂後のコーポレートガバナンス・コードの各原則(プライム市場向けの内容含む)のすべてを実施しています。
当社は、SDGs/ESGに関する継続的な取組みにより、各評価機関から高い評価を受けております。2022年6月にグローバルインデックスプロバイダーである英国FTSE Russellにより構築されたFTSE Blossom Japan Sector Relative Indexの構成銘柄に選定されました。2023年6月に採用根拠となるESGスコアが更新され、昨年の2.5から3.1に上昇しています。MSCI ESGレーティングにおいては、2023年4月にHealth Care Equipment & Supplies(ヘルスケア機器・用品)の分野の企業として「A」評価を獲得しています。2023年8月には株式会社JPX総研及び株式会社日本経済新聞社が共同で算出を行っているJPX日経中小型株指数の構成銘柄に継続選定されております。また、2023年3月に経済産業省から健康経営優良法人「ホワイト500」に7年連続で選定されており、同年10月には女性活躍推進法に基づく厚生労働大臣認定の「プラチナえるぼし」を取得しました。
当第2四半期連結累計期間における株主/投資家との対話実績は、機関投資家ミーティングを168件(前年同期は162件)実施しました。また、2023年5月に個人投資家向け会社説明会を鹿児島市において代表取締役社長を発表者として実施しております。
当社は生物多様性の保全への取組みとして、レッドリストに登録されているニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの人工生産研究を行っております。2019年に鹿児島県沖永良部島和泊町に研究施設を移し、天然海水による人工シラスウナギの生産を行っており、2023年5月に沖永良部島において和泊町長および漁協組合長などを招いて人工生産したウナギの試食会を開催しました。これまでに、小規模での生産では顕著な好実績が得られており、2024年3月期は生産規模拡大に向けた検討および準備を行い、数千~1万尾の人工シラスウナギ生産を目指しています。
(資産、負債、純資産の状況)
当第2四半期連結累計期間における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりです。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11,316百万円(19.8%)増加し、68,558百万円となりました。流動資産は、棚卸資産が2,674百万円(36.5%)増加したことや、有価証券が1,293百万円増加したこと、並びにその他(主に前払費用)が1,308百万円(97.5%)増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ5,901百万円(24.7%)増加して29,801百万円となりました。固定資産は、投資有価証券が2,301百万円(19.2%)増加したことや、設備投資等により有形固定資産が2,021百万円(10.7%)増加したこと、並びにのれんが536百万円(37.3%)増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ5,414百万円(16.2%)増加して38,757百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ5,952百万円(19.3%)増加し、36,836百万円となりました。流動負債は、前受金が1,735百万円(21.5%)増加したことに対し、短期借入金が1,012百万円(11.3%)減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ1,301百万円(6.2%)増加して22,312百万円となりました。固定負債は、長期借入金が4,478百万円(47.2%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ4,651百万円(47.1%)増加して14,523百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益を2,966百万円計上しましたが、支払配当を1,248百万円行ったこと、為替換算調整勘定が3,095百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5,363百万円(20.3%)増加し、31,722百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べて27百万円(0.3%)増加して、9,225百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は687百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて2,104百万円(75.4%)の減少となりました。
主な内訳は、税金等調整前四半期純利益3,813百万円、減価償却費830百万円、持分法による投資利益1,239百万円、棚卸資産の増加額2,637百万円、前受金の増加額1,735百万円及び利息及び配当金の受取額1,092百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,671百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて1,092百万円(42.3%)の使用の増加となりました。
主な内訳は、有形固定資産取得による支出2,931百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出850百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は2,124百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて4,145百万円(66.1%)の減少となりました。
主な内訳は、長期借入れによる収入9,000百万円、長期借入金の返済による支出2,689百万円、短期借入金の減少額2,850百万円及び配当金の支払額1,243百万円です。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、482百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C2395JP #新日本科学 #サービス業セクター