【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況① 経営成績 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、総じて回復基調にはありましたが、世界的な金融引締めによる影響や地政学情勢に伴う原材料・エネルギー価格を始めとした各種コストの高止まりなど、不透明かつ不安定な状況が継続しました。国内経済においても、緩やかな回復は継続したものの、物価上昇や世界経済の下振れリスクなど、楽観視できない状況が継続しました。 半導体・電子部品業界の市場は、昨年度後半からのパソコン需要の急減速に伴う在庫調整が継続したことに加え、サーバー市場においても、データセンター向けサーバー市場も低調に推移し、全体として厳しい状況となりました。 自動車業界の排気系部品市場は、世界的な半導体不足による影響及びCOVID-19を発端としたサプライチェーンの混乱による影響からの回復が進み、自動車生産台数が昨年度対比で徐々に増加しつつあります。 このような情勢のもと、当社におきましては、2023年度より始動しております5ヵ年の新たな中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」に基づき、5本の活動の柱(強化していく力)と製造業としての基盤活動を軸に、事業環境変化に対応し、持続可能な成長の実現に向けた取り組みを進めております。 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は946億1百万円と前年同期に比べ37億16百万円(3.8%)減少しました。営業利益は81億81百万円と前年同期に比べ99億7百万円(54.8%)減少しました。経常利益は101億97百万円と前年同期に比べ100億40百万円(49.6%)減少しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は72億88百万円と前年同期に比べて64億24百万円(46.8%)減少しました。
電子事業 パッケージ(PKG)事業におきましては、昨年度後半以降のパソコン向け需要の減速に加えて、サーバー向けにおいても、高性能サーバーの大口ユーザーによる投資抑制が継続したことにより需要が減速した結果、売上高・営業利益ともに前年同期に比べ減少しました。 以上の結果、電子事業の売上高は505億円となり、前年同期に比べ17.3%減少しました。同事業の営業利益は44億51百万円となり、前年同期に比べ70.7%減少しました。
セラミック事業 自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、大型商用車向け製品への受注シフト及び日米欧の3拠点を活かした最適地生産を進めた結果、売上高・営業利益ともに前年同期に比べ増加しました。 触媒担体保持・シール材(AFP)は、世界的な自動車市場の回復に加え、揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司を中心に中国市場での拡販を進めた結果、売上高・営業利益は前年同期に比べ増加しました。 特殊炭素製品(FGM)は、Si半導体向け製品が堅調に推移したことに加え、SiCパワー半導体向け製品の需要の高まりを受け、売上高・営業利益ともに前年同期に比べ増加しました。 以上の結果、セラミック事業の売上高は244億円となり、前年同期に比べ18.6%増加しました。同事業の営業利益は28億38百万円となり、前年同期に比べ39.9%増加しました。
その他事業 建材部門におきましては、住宅着工の落ち込みによる販売棟数の減少などにより、売上高・営業利益ともに前年同期に比べ減少しました。 建設部門におきましては、大型の受変電設備・発電設備工事が計画通り進行したことにより、売上高は前年同期に比べ増加しました。 その他部門におきましては、造園事業において、大型工事物件の施工が順調に進捗したことに加え、ヘルスケア事業においても、電子カルテ販売で大型案件が完工したことにより、売上高・営業利益ともに前年同期に比べ増加しました。 以上の結果、その他事業の売上高は197億円となり、前年同期に比べ18.0%増加しました。同事業の営業利益は9億24百万円となり、前年同期に比べ5.3%減少しました。
② 財政状態当第1四半期連結会計期間末における総資産は8,485億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ1.0%減少しました。総資産の減少の主な要因は、投資有価証券が176億63百万円、建設仮勘定が149億59百万円増加した一方で、現金及び預金が401億60百万円減少したことによります。当第1四半期連結会計期間末における負債合計は3,986億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ7.7%減少しました。負債合計の減少の主な要因は、設備関係電子記録債務が188億98百万円、未払法人税等が95億88百万円減少したことによります。当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は4,499億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ5.7%増加しました。純資産の増加の主な要因は、その他有価証券評価差額金が123億38百万円、為替換算調整勘定が73億11百万円増加したことによります。
(2)
キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は(以下「資金」という。)は、2,622億59百万円となり、前連結会計年度末より401億60百万円減少しました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得られた資金は、52億8百万円(前第1四半期連結累計期間は606億92百万円)となりました。これは主に棚卸資産の減少148億39百万円、税金等調整前四半期純利益123億41百万円による増加と、法人税等の支払額144億73百万円、仕入債務の減少60億52百万円による減少によります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動に使用された資金は、463億円(前第1四半期連結累計期間158億14百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出389億55百万円によります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって使用された資金は、28億48百万円(前第1四半期連結累計期間は29億8百万円)となりました。これは主に配当金の支払額27億97百万円によります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第1四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 会社の支配に関する基本方針当第1四半期連結累計期間において、会社の支配に関する基本方針に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、48億9百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。