【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されております。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている他、物価上昇や供給面での制約に加え、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
そのような状況の中、当社グループが属するゲーム業界を取り巻く環境につきましては、2022年の世界のビデオゲーム消費支出は前年比5.4%増の2,031億ドルと予測されておりますが、その中でも最も大きな割合を占めているモバイルゲームにつきましては前年比5.0%増の1,035億ドルの市場規模へ成長することが見込まれており(出典:Newzoo「Global Games Market Forecast」)、引続きグローバルで成長し続ける業界であると考えられております。
また、当連結会計年度において当社グループが新規参入したコミック事業を取り巻く環境につきましては、国内の2021年コミック市場全体で前年比10.3%増の6,759億円と過去最高を更新しております。その中でも電子コミック市場は前年コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着している他、「縦スクロールコミック」の台頭でマンガを読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている結果、前年比20.3%の4,114億円と大きく成長しております。さらに、当社グループが提供を始めた縦読みフルカラーコミック「ウェブトゥーン」の世界市場は、2027年に約2兆円規模にまで成長すると予想されております(出典:QYR Research)。
このような環境の中、当社グループは今後、さらなる成長を加速させるため、責任と権限を一体化して事業を運営するベンチャーグループを目指し、ゲーム事業とコミック事業の分社化及びDawn Capital1号投資事業有限責任組合の組成等を進めてまいりました。また、当社グループの主力事業であるゲーム事業に関する既存タイトルの堅実な運用の他、新規開発タイトルへの積極的な投資を進めました。またコミック事業では2022年6月に縦読みフルカラーコミックアプリ「HykeComic」を正式にリリースしております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高24,336百万円(前期比7.4%減)、営業利益5,700百万円(前期比23.5%減)、経常利益5,207百万円(前期比33.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,342百万円(前期比74.2%減)となっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当社グループは、当連結会計年度より、報告セグメントを「ゲーム事業」、「コミック事業」の2つの報告セグメントと、「その他」の3区分のセグメントに変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成することは実務上困難なため、前年同期比情報については開示を行っておりません。
(ゲーム事業)
当社グループのゲーム事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は見受けられず、より高いクオリティとユーザー体験にこだわり、タイトルを厳選して開発・運用していく方針の下、既存タイトルの堅実な運用と新規タイトルの開発に努めてまいりました。主力タイトルである株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」につきましては、5年ぶりに新ストーリーを追加しユーザーの活性化を図った他、海外版の対応言語も拡大させ6言語に対応させるなど、長期目線での運用を継続しつつ、劇場版との連動企画や国内版8周年イベント及び海外版7周年イベントの開催により、国内だけでなく米仏含む複数の国と地域でストアセールスランキング(注)1位を獲得しました。
また、株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」では、国内版3.5周年及び4周年イベントや佐賀県とのコラボイベントを開催するなど、コアファンを惹きつける長期目線での安定運営を継続してまいりました。
この結果、当連結会計年度においては、売上高23,843百万円、セグメント利益7,887百万円となっております。
(注)ストアセールスランキング:App Store またはGoogle Playのセールスランキング
(コミック事業)
当社グループのコミック事業につきましては、2021年より準備を進めていたサービスである縦読みフルカラーコミックアプリ「HykeComic」を2022年6月に正式リリースしております。当該アプリでの取扱い作品数の増加やオリジナルコンテンツへの積極的な投資に加えて広告施策も行うことで、ユーザー数が順調に増加し売上高が伸長しました。また、有名クリエイターと協業による新作の連載開始や、一部の作品を他社プラットフォームにて販売を開始し複数タイトルが上位にランクインするなど、オリジナル作品の反響に手応えを得ております。
この結果、当連結会計年度においては、売上高261百万円、セグメント損失988百万円となっております。
(その他)
当社グループのその他事業はIP事業等が含まれており、当連結会計年度においては、売上高232百万円、セグメント損失565百万円となっております。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて7,076百万円増加し53,156百万円となりました。主な要因として、現金及び預金の増加8,346百万円及びその他流動資産の増加1,092百万円があった一方で、売掛金の減少1,938百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて6,561百万円増加し、14,403百万円となりました。主な要因として、未払法人税等の増加508百万円、新規発行による社債(1年内償還予定を含
む)の増加2,000百万円及び長期借入金(1年内返済予定を含む)の増加3,991百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて515百万円増加し38,752百万円となりました。主な要因として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,342百万円、株式給付信託(J-ESOP)からの株式給付による自己株式の処分等の影響による自己株式の減少97百万円及び新規発行による新株予約権の増加66百万円があった一方で、剰余金の配当1,089百万円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11,346百万円増加し33,971百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は5,047百万円(前連結会計年度は4,793百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,629百万円があった一方で、税金等調整前当期純利益3,776百万円及び売上債権の減少額1,894百万円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果獲得した資金は1,191百万円(前連結会計年度は3,008百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入4,550百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出2,242百万円及び定期預金の預入による支出1,407百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果獲得した資金は4,937百万円(前連結会計年度は4,187百万円の支出)となりました。これは主に、社債の発行による収入1,974百万円及び長期借入れによる収入4,000百万円があった一方で、配当金の支払額1,088百万円があったことによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
②受注状況
当社グループは受注生産を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは、当連結会計年度より、報告セグメントを「ゲーム事業」、「コミック事業」の2つの報告セグメントと、「その他」の3区分のセグメントに変更しております。そのため、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成することは実務上困難なため、前年同期比情報については開示を行っておりません。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
ゲーム事業(百万円)
23,843
-
コミック事業(百万円)
261
-
その他(百万円)
232
-
合計(百万円)
24,336
△7.4
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
14,668
55.8
16,635
68.4
株式会社スクウェア・エニックス
5,438
20.7
4,581
18.8
Apple Inc.
2,821
10.7
-
-
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等に関する分析
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載をしております。
(イ)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、技術革新、人材の確保・育成等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは優秀な人材の採用、ユーザーのニーズに合ったゲーム及びコミックの提供等を積極的に行っていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析・低減し、適切に対応を行ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ11,346百万円増加し、33,971百万円となりました。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービス及び新規事業に取り組んでいく考えであり、これらの資金負担の可能性に備えるため必要に応じて追加の資金調達を実施いたします。
なお、キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。
当社グループが採用している重要な会計方針及び重要な見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
④経営者の問題認識と今後の方針
当社グループの経営陣は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのためには、収益力のある新規のゲームタイトル及びオリジナルコミック作品の継続的な提供、ゲームの安全性及び健全性の強化、システム管理体制の強化を図るだけではなく、より高いクオリティとユーザー体験にこだわったコンテンツ提供を行ってまいります。
⑤経営戦略の現状と見通し
当社グループは、各SNS運営事業者が各社のモバイルゲームプラットフォームをオープン化した時期に創業しており、以来モバイルゲーム事業に注力することにより、モバイルゲーム市場の拡大に寄与してまいりました。
2024年3月期以降につきましては、今後もゲーム事業を軸として、国内展開だけでなく、海外展開についてもこれまで以上に推進してまいります。
具体的には、ゲーム事業において、既存タイトルでは、ゲーム外でのイベントとも連動しながら利用を活性化し、引続きLTV最大化を目指して運用してまいります。また、新規タイトルの開発では、次世代のゲーム体験を牽引する3Dを含む新技術の研究・開発に投資するとともに、人材採用や育成を更に強化することにより、中長期的な成長を狙ってまいります。なお、2024年3月期ではトライブナイン及び、株式会社コーエーテクモゲームスと共同開発しているゲーム、2本のリリースを目標としております。
また、コミック事業につきましては、主にウェブトゥーンアプリ「HykeComic」の開発、及びオリジナル作品の制作に注力するとともに、海外展開及びライセンスアウトについてもアジアや英語圏を中心に取り組んでいくことで、将来の更なる成長を目指してまいります。
#C3932JP #アカツキ #情報通信業セクター
