【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社の事業領域である人材・就職支援業界においては、2022年12月の有効求人倍率が1.35倍(前年同月は1.17倍。厚生労働省調査)、完全失業率が2.5%(前年同月は2.7%。総務省統計局調査)を記録しております。雇用環境は前年同期に比べ大幅な改善傾向にあり、一部の業種や地域においては人手不足の状況が顕著になってきております。また、株式会社リクルートキャリアが発表している「就職プロセス調査(2023年卒)」においては、2023年3月大学等卒業予定者の就職内定状況は、当該大学等卒業予定者の就職内定率が94.0%(2022年12月1日時点。前年同月は95.2%)と、前年同月は下回っているものの、指数自体は高い水準にあります。政府が新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を改定し、2023年5月には新型コロナウイルスの感染症法上の分類を引き下げる方針を決定するなど、社会全体が徐々に経済活動を後押しする体制に戻りつつあること、また、事業のDX化推進に伴うIT人材に対する企業需要の高まりなどにより、市場全体の雇用環境や企業の採用戦略も総じてポジティブなものになってきており、特に専門性が高く優秀な人材に対する企業の需要は引き続き堅調に推移しております。
当社は、このような事業環境の中で、2020年3月11日に公表した3カ年の中期経営計画の最終年度を終えました。当社は当事業年度を利益拡大フェーズと位置づけ、中期経営計画上の第1期及び第2期に展開してきた事業施策を継続しつつ、新卒・中途採用市場において有意なシェアを獲得するため、取引先企業数の拡大や会員数の増大に取り組み、プラットフォーム価値の最大化を目指してきました。また、中長期的な視点においては、より市場規模が大きいと想定される知見共有市場及びキャリアアップ支援市場への展開を図っております。
当事業年度の具体的な取り組みとしては、戦略的なマーケティング展開による会員獲得に加え、取引先企業数の拡大を指向し、採用マッチング市場におけるシェア拡大を図ってまいりました。新卒サービスの領域においては、従来から実施してきたオンライン企業説明会の開催に加え、オフラインイベントについても強化し、女性向けのトップ企業合同座談会やJOB Discovery Meetupでの合同企業説明会など、様々なテーマに沿ったイベントを全国各地で展開してまいりました。中途サービスの領域においては、認知度の拡大と新規顧客の獲得に注力し、その結果、採用企業・転職エージェントの利用拡大によってスカウト送付数・マッチング数が増加し、採用企業の掲載料及びエージェントの成功報酬が伸長いたしました。
当事業年度末におけるキャリアプラットフォーム事業の累積取引社数は、796社(前期末から88社増)となりました。また、累積会員数は、468,961人(前期末から85,984人増)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は1,543,162千円(前期比34.9%増)、営業利益は396,384千円(前期比748.8%増)、経常利益は395,718千円(前期比786.6%増)、当期純利益は283,043千円(前期比256.5%増)となっております。
なお、当社はキャリアプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当事業年度末における流動資産は前事業年度末より346,495千円増加し、799,919千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加323,136千円によるものであります。
当事業年度末における固定資産は前事業年度末より25,371千円減少し、307,939千円となりました。主な減少要因は、繰延税金資産の減少30,896千円、償却の進行に伴う有形固定資産の減少11,331千円によるものであります。
当事業年度末における流動負債は前事業年度末より21,827千円減少し、359,168千円となりました。主な増減要因は、未払法人税等の増加55,952千円、短期借入金の減少50,000千円、1年内返済予定の長期借入金の減少59,753千円によるものであります。
当事業年度末における固定負債は前事業年度末より10,220千円減少し、8,687千円となりました。主な減少要因は、長期借入金の減少10,255千円によるものであります。
当事業年度末における純資産は前事業年度末より353,172千円増加し、740,002千円となりました。主な増減要因は、減資等による資本金の減少162,837千円、減資による振替や新株予約権行使による新株発行に伴う資本剰余金の増加235,437千円、当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加283,043千円であります。
以上の結果、当事業年度末における自己資本比率は66.7%(前事業年度末は48.8%)と、前事業年度末と比較し大幅に向上いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ323,136千円増加し、632,607千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は468,630千円(前期は130,991千円の獲得)となりました。主な収入要因は税引前当期純利益395,718千円、減価償却費75,737千円、契約負債の増加額24,504千円であり、主な支出要因は、法人税等の支払額16,227千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は69,157千円(前期は69,917千円の使用)となりました。主な支出要因は、無形固定資産の取得による支出66,952千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は76,336千円(前期は62,657千円の使用)となりました。収入要因は、株式の発行による収入43,880千円、主な支出要因は、長期借入金の返済による支出70,008千円、短期借入金の純減額50,000千円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
サービスの名称
前事業年度
(自 2021年2月1日
至 2022年1月31日)
当事業年度
(自 2022年2月1日
至 2023年1月31日)
販売額(千円)
前期比(%)
販売額(千円)
前期比(%)
外資就活ドットコム
896,284
123.8
1,241,686
138.5
Liiga
247,476
174.6
301,476
121.8
その他
572
20.5
-
-
合計
1,144,334
131.8
1,543,162
134.9
(注)1.当社の事業セグメントは、キャリアプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。
2.主な相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当社の経営成績に影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しているとおりであると認識しております。これらのリスクについては、適切なコントロールを行っていくとともに、万が一そのリスクが顕在化した場合にはしかるべき対応に努める所存であります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要のうち主なものは、キャリアプラットフォーム事業における事業運営のための人件費、外部協力者への報酬支払いであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、キャリアプラットフォーム事業及び新規事業におけるシステム開発投資における人件費及び外部協力者への報酬支払い並びにキャリアプラットフォーム事業における知名度拡大及び会員獲得のための広告宣伝費であります。
当社の運転資金は、営業活動によって獲得した自己資金の充当を基本とし、資金需要等を考慮した上で外部資金調達手段として金融機関からの借入により調達することとしております。
資金の流動性管理にあたっては、適宜、資金繰り計画を作成・更新して手元流動性等をモニタリングするとともに、取引金融機関との当座貸越契約の締結、長期借入の実施等により、将来に渡り必要な資金流動性を確保できるよう計画しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらは過去の実績等を勘案し合理的な判断のもとに見積りを行っておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社は、市場環境の変化、業績の季節変動、競合他社との競争、特定人物への依存、少人数編成組織であること並びに優秀な人材の確保及び育成等、様々なリスク要因が当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
このため、当社は、当社が提供するサービスの拡張及びコンテンツの充実、当社サービスの認知度の向上、優秀な人材の確保及び育成並びに社内管理体制の強化等に積極的に取り組むことにより、財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高及び営業利益を重要指標とし、また、潜在的顧客層の認知拡大の観点から、累積取引社数及び累積会員数を重要な経営指標として重視しております。
これらの点につきまして、2023年1月期は、引き続き増収増益決算を達成するとともに、累積取引社数及び累積会員数ともに前事業年度を上回る増加幅となりました。今後も継続的な増収及び潜在的顧客層の拡大を目指し、株主価値向上を目標とした経営施策を実施してまいります。
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