【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.業績等の概要
(1) 経営成績に関する説明当社グループの経営成績の概要は以下のとおりです。なお、2023年6月に当社が保有するSiebold Intermediate B.V.の全株式を売却することを決定したため、2023年6月期において、同社及び同社の子会社の事業を非継続事業に分類しております。これに伴い、前連結会計年度の売上収益、営業利益及び税引前利益について、非継続事業を除いた継続事業の金額に組替えております。
連結経営成績(単位:百万円、別記ある場合を除く)
2022年6月期
2023年6月期
増減額
増減率
売上収益
37,736
40,616
+2,880
+7.6%
EBITDA
7,175
6,898
△276
△3.9%
営業利益
5,106
4,498
△607
△11.9%
税引前利益
5,030
3,728
△1,302
△25.9%
親会社の所有者に帰属する当期利益
3,147
7,575
+4,427
+140.7%
日本のリサーチ事業は、コロナ禍からの回復によるオフラインリサーチの反動増やグローバルリサーチが好調に推移した一方、繁忙期である第3四半期に一部の顧客企業において景況感の悪化によるリサーチ予算の削減等があり、当連結会計年度の売上収益は前年同期比で一桁成長となりました。デジタル及びその他の新規事業のうち、デジタルリサーチについては、2024年後半に廃止が予定されている3rd Party Cookieに代わる計測手法への移行期間にあることや、広告市況によるブランディング広告減少の影響もあり減収となりました。その一方で、その他の新規事業については、前期より本格的に開始しているデータ利活用支援(コンサルティング)事業等が好調に推移しており、力強い成長を実現することができました。このため、その他の新規事業がデジタルリサーチの減収を上回る形で大幅に伸長したことにより、デジタル及びその他の新規事業の当連結会計年度の売上収益は前年同期比で二桁成長を実現することができました。オンラインリサーチの受注体制については、社内の人的リソースが逼迫し、需要過多の状況が上半期まで継続していましたが、下半期は社内キャパシティの体制整備が進展し、その機会損失は縮小しました。下半期は、需要逼迫の状況下で控えてきた提案型の営業活動を再開しており、今後はさらなる顧客需要を取り込むとともに、社内リソースの生産性改善や外注費をコントロールすることで、収益の拡大を図る方針です。
韓国においては、新型コロナウイルスの影響で、オンラインリサーチによるオフラインリサーチの代替が進んでいることに加え、為替の好影響もあり、上半期は売上収益の二桁成長を継続しました。第3四半期は景況感の影響を受け成長が鈍化しましたが、第4四半期は政府関連のリサーチ案件の計上があり、大きく増収となりました。その結果、韓国事業の当連結会計年度の売上収益は、二桁成長となりました。
費用面では、売上収益の拡大傾向を受けて、前期から進めてきたリサーチ案件の受注キャパシティ拡大を目的とした人材採用が昨年対比で人件費を押し上げていることに加え、拡大が続く顧客需要を取り込むために、外注を通じた外部キャパシティを最大限に活用する施策を実施したため、人件費及び外注費が増加しました。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復による営業活動の拡大等によりその他の費用も増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益に減価償却費等を加えたEBITDA(利払・税引・償却前利益)(注1)は人件費等の費用の増加により6,898百万円(同3.9%減)、営業利益は4,498百万円(同11.9%減)、税引前利益は3,728百万円(同25.9%減)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業の親会社の所有者に帰属する当期利益が当第4四半期連結会計期間に5,796百万円計上され、7,575百万円(同140.7%増)となりました。
また、継続事業の親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE、直近12ヶ月で算定)は5.1%(前年同期間比4.3ポイント減)となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオ(直近12ヶ月で算定、注2)は24.3倍(前年同期間21.5倍)となりました。
日本及び韓国事業内のMacromill Embrain Co.,Ltd.の収益及び業績についてはウォン建てで管理しており、換算レートは以下のとおりです。
算定期間(12ヶ月)
2022年6月期
2023年6月期
増減率
JPY/KRW(円)
0.0980
0.1042
+6.3%
(注)(1) EBITDA:Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortizationの略。当社ではEBITDA = 営業利益+減価償却費及び償却費+固定資産除却損+減損損失と定義しており、各事業から生み出されるキャッシュ・フローの規模をより適切に把握することができるため、各事業の収益性を測るための主要な経営指標として用いている。(2) インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益+受取利息+受取配当金)/ 支払利息
(2) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,498百万円増加し、18,255百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、2,909百万円(前年同期比2,605百万円減)となりました。これは主に、継続事業からの税引前利益3,728百万円、非継続事業からの税引前利益4,903百万円、減価償却費及び償却費3,022百万円等がありましたが、関係会社株式売却益4,724百万円、法人所得税の支払額1,589百万円等があったためです。なお、営業債権の回転期間は72.9日(前年同期比0.2日長期化)、営業債務及びパネルポイント引当金の回転期間は52.3日(前年同期比3.1日短期化)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、5,234百万円(前年同期比3,576百万円減)となりました。これは主に、子会社株式の売却による支出2,598百万円、無形資産の取得による支出1,158百万円、関係会社株式の取得による支出772百万円等があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、5,658百万円(前年同期比14,168百万円増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1,204百万円、リース負債の返済による支出1,203百万円、配当金の支払額751百万円、長期借入金の返済による支出673百万円がありましたが、社債発行による収入10,000百万円等があったためです。
2.生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注状況当社グループの事業は受注から納品までの期間が短いため、記載を省略します。
(3) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)
前年同期比(%)
日本及び韓国事業
40,616
+7.9
合計
40,616
+7.9
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年7月1日至 2022年6月30日)
当連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
株式会社電通グループ及びその子会社
4,333
11.5
4,310
10.6
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。株式会社電通グループ及びその子会社への売上収益は主に当社の子会社である株式会社電通マクロミルインサイトにおいて計上しております。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計方針及び見積りの詳細は後記の連結財務諸表注記「3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
(2) 財政状態の分析
① 資産資産は、94,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,519百万円増加しました。これは主に、その他の無形資産の減少4,511百万円、のれんの減少2,895百万円、契約資産の減少1,489百万円、営業債権及びその他の債権の減少1,307百万円、使用権資産の減少1,099百万円等がありましたが、長期貸付金の増加10,035百万円、持分法で会計処理されている投資の増加6,595百万円、現金及び現金同等物の増加3,498百万円等の増加要因があったためです。
② 負債負債は、51,823百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,016百万円増加しました。これは主に、営業債務及びその他の債務の減少1,557百万円、その他の流動負債の減少1,226百万円、繰延税金負債の減少1,148百万円等がありましたが、社債及び借入金の増加9,365百万円等の増加要因があったためです。
③ 資本資本は、42,330百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,503百万円増加しました。これは主に、配当金の支払額1,218百万円、自己株式の取得1,203百万円等がありましたが、当期利益8,394百万円等の発生等があったためです。
(3) 経営成績の分析経営成績の分析につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1) 経営成績に関する説明」を参照ください。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの営業活動からの堅実なキャッシュ・フロー創出力を原資として、経営環境や業績状況に適した戦略的なキャピタル・アロケーションを実行することを基本方針とし、継続的な成長の実現に向け、成長投資、負債の返済、株主還元の3つの資金使途のバランスを追求しています。これらの3つの資金使途のうち、成長投資を最優先事項としています。ROIやROICなど投資効率を重視し、資本コストを上回る潜在リターンを持つ投資機会を、M&Aも含めて追及します。また、重要な資産である人材の雇用にも充当していきます。負債の返済については、純有利子負債(Net Debt)(注1)/EBITDA倍率を2.5倍から2.0倍とすることを中期経営計画の目標値として掲げ、レバレッジ水準をコントロールしていきます。なお、株主還元の考え方は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
当社グループの資金の源泉は、手元現預金及び将来の営業活動で得られる資金を充当することを基本としています。資金需要及び金利動向等の調達環境並びに有利子負債の返済及び社債の償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
(注)1.純有利子負債(Net Debt)=有利子負債(短期借入金+1年以内返済予定の長期借入金+長期借入金+リース負債)-現金及び現金同等物
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前記「3 事業等のリスク」をご参照ください。
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