【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期累計期間(2023年4月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が、5月8日には指定感染症5類へ移行されたことで、国内における行動制限や海外からの入国制限が緩和され、人流の回復や消費活動の正常化が進行し、緩やかな景気回復が期待される環境になりつつあります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢に起因する資源・エネルギー価格の高騰や円安による原材料価格の高騰など、経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。個人消費については、国の各種政策により雇用・所得環境が改善するなど持ち直しの動きがみられるものの、一部に足踏みがみられるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
宗教用具関連業界においては、お客様の生活様式や価値観の多様化によって購入商品の小型化・簡素化の傾向が継続し、それに伴う単価下落の傾向などが継続しております。また、2月から3月にかけて全国の死亡者数が前年同月で比べると減少したことにより、お悔やみをきっかけとした購買行動への影響がみられることから、厳しい状況が続いております。また、近年は新型コロナウイルス感染症の流行により、お客様の購買行動が情報入手方法も含めて大きく変化しており、販売手法の見直しが求められております。
このような環境のなか、当社は、2023年3月期から新たに始まった「中期経営計画」に基づき、「売り切り型からの脱却」「手を合わせる機会の創造」をテーマに、ご供養の領域だけでなくお客様の心豊かな生活(ピースフルライフ)を支援する企業として新たな取組みを行なっております。2022年6月に開始した新会員制度「はせがわピースフルクラブ」に関しては、2023年4月24日にスマホアプリをリニューアルいたしました。お客様との永続的な関係性を保てるように、継続的なコンテンツの作成と情報発信を行なった結果、1年間で約8万人を超える方々にご入会いただきました。また、2022年7月より、一部の営業店で開始しておりました、相続・遺品整理・不動産整理に関する相談対応と、サービスの提供を行なうピースフルライフサポート事業を、2023年4月より、全営業店で開始いたしました。サービスの開始に合わせて、ランディングページの開設やカスタマーサポートセンターの設置をすることで、お店に来店されなくてもインターネットや電話からのご相談にも対応できる体制を整えております。その他にも、営業店では、返礼品などの法事シーンを中心に「食」をコンセプトとした田ノ実の法事ギフトの販売強化を行なっております。
店舗政策においては、ショッピングセンター内へ1店舗(5月に岐阜県大垣市)の新規出店を実施いたしました。今後もお客様が利用しやすい立地、店舗形態の検討を行ない、出店や移転・改装を推し進めてまいります。
商品・サービスについては、お客様の生活様式や価値観の変化に対応するために、開発及びアソートメントの見直しに取り組んでまいります。
このように、各事業において施策を推進した当第1四半期累計期間の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
① 財政状態
当第1四半期会計期間末における資産合計は、現金及び預金が1億56百万円、墓石販売に伴う営業保証金の回収等により営業保証金が1億3百万円及び繰延税金資産が1億円それぞれ減少したものの、季節商品の仕入などにより商品が4億40百万円及び販売保証契約に基づく預託により販売保証金が1億9百万円それぞれ増加したことなどにより、前事業年度末に比べて1億67百万円増加し、183億86百万円となりました。
当第1四半期会計期間末における負債合計は、法人税等の納付により未払法人税等が4億20百万円、未払金が1億10百万円及び買掛金が96百万円それぞれ減少したものの、借入の実行により短期借入金が3億75百万円及び長期借入金(1年内返済予定を含む)が2億54百万円それぞれ増加したことなどにより、前事業年度末に比べて1億17百万円増加し、73億90百万円となりました。
当第1四半期会計期間末における純資産合計は、その他有価証券評価差額金が46百万円増加したことなどにより、前事業年度末に比べて50百万円増加し、109億95百万円となりました。
当社は、自己資本比率を主要な経営指標の目標とし、財務体質の強化に取り組んでおります。
当第1四半期会計期間末においては、自己資本比率は59.8%(前事業年度末は60.1%)となりました。
② 経営成績
当第1四半期累計期間の売上高は50億99百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
営業利益は2億15百万円(前年同期比42.6%減)、経常利益は2億36百万円(前年同期比39.5%減)となり、四半期純利益は1億38百万円(前年同期比53.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<仏壇仏具・墓石>
仏壇仏具については、東日本地区と西日本地区ともに、販売単価が向上した一方で、販売基数が減少したことにより、売上高は、35億6百万円(前年同期比2.9%減)となりました。販売促進活動については、前期に引き続き、地域特性に合わせたリスティング広告の実施と、ホームページや会員アプリのコンテンツを充実させるとともに、情報発信を強化するなど、積極的な集客を図ってまいりました。また、世界的に有名な建築家 隈研吾氏がデザインを手掛けたお仏壇『薄院』や徳島銘木仏壇をはじめとした国産商品や、高級仏像などの付加価値販売を推進することで単価維持・向上に努めてまいりました。
墓石については、売上高は、12億18百万円(前年同期比0.6%減)となりました。墓石の販促活動についても、リスティング広告を行ないました。また、近年高まっている埋葬ニーズに対応するため、樹木葬の開発の企画・提案を推進し、2023年5月と6月に九州地区で新規樹木葬2件(北九州市、佐賀市)の受託販売を開始しております。
<屋内墓苑>
屋内墓苑については、売上高は1億16百万円(前年同期比15.0%減)となりました。今後も墓石販売とともに、ご遺骨を供養するというニーズに応えられるよう事業を展開してまいります。
<飲食・食品・雑貨>
飲食・食品・雑貨については、売上高は44百万円(前年同期比437.7%増)となりました。なお、2022年6月1日付で子会社でありました株式会社田ノ実を吸収合併したため、前年同期は6月1ヵ月間の実績であります。
<その他>
その他については、売上高は2億12百万円(前年同期比8.9%増)となりました。
なお、当社の報告セグメント別売上高は次のとおりであります。
(報告セグメント別売上高の構成比及び前年同期比増減)
報告
セグメント等
の名称
区分
前第1四半期
累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年6月30日)
当第1四半期
累計期間
(自 2023年4月1日
至 2023年6月30日)
前年同期比増減
金額
構成比
金額
構成比
金額
増減率
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
報告セグメント
仏壇仏具
・
墓石
東日本
仏壇仏具
2,913
56.3
2,819
55.3
△94
△3.2
墓石
1,019
19.7
1,016
19.9
△2
△0.3
計
3,933
76.0
3,836
75.2
△96
△2.5
西日本
仏壇仏具
696
13.4
687
13.4
△8
△1.3
墓石
206
4.0
201
4.0
△5
△2.4
計
902
17.4
888
17.4
△13
△1.5
計
仏壇仏具
3,609
69.7
3,506
68.7
△102
△2.9
墓石
1,226
23.7
1,218
23.9
△7
△0.6
計
4,836
93.4
4,725
92.6
△110
△2.3
屋内墓苑
137
2.6
116
2.3
△20
△15.0
飲食・食品・雑貨
8
0.2
44
0.9
36
437.7
その他
195
3.8
212
4.2
17
8.9
合計
5,177
100.0
5,099
100.0
△77
△1.5
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品仕入代金の支払資金のほか、人件費及び販売促進費等の販売費及び一般管理費であります。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、新規出店、店舗移転、既存店舗の改装等に係る設備投資や、墓石販売に伴う建墓権取得のための営業保証金の差入れ及び屋内墓苑販売業務委託契約に伴う販売保証金の預託等によるものであります。
② 財政政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または銀行借入により資金調達することとしております。
このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金につきましては短期借入金により調達することとしており、設備投資、営業保証金(建墓権)及び販売保証金に係る資金につきましては長期借入金(原則として5年以内)により調達することとしております。
また、運転資金の効率的な調達を行なうため取引銀行5行と当座貸越契約(当座貸越極度額合計30億円)を締結しております。
なお、当第1四半期会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は35億12百万円、有利子負債依存度は19.1%となっております。